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【詩】涼しくて青い

夢心地 いっそ空色に染まってしまいたくて
裏表賭ける 二分の一には柔軟剤を
真っ白なシャツは君の笑顔みたいな
取り込んだ時のお日様の香り 蒼穹

この街の夕暮れは 残酷さえ隠しつつ
溶けてしまった僕の心さえ赤く染める
君に会えない今日は空っぽだな、嗚呼

なんて思わなかったのにさ
キザなことばっかり考えちゃうな
胸の高鳴りに追いつきたいだけ
僕は走っていく
あの群青が落ちてきそうだ、もうわかんないよ
君の横顔はあの空のようだ
好きだな

独り暮らし 瞬きの度に君の笑顔は脳裏
鎖の隙間 四分の一には油をさして
真っ白なプレートは君のオムライス
水道水の中の僕は瞬間に溶けていく

溜まったメモ書き 磁石の数
思い切った昨日のカレーとか
君のハンカチを青く染めたくて
群青に消えた鳥を追う
変わらないでって母の言葉
君の三和音と調和する

なんて思わなかったのにさ
初夏の風が僕の心を撫でていく
あの青い鳥に追いつけるように
僕は走っていく
あの群青が僕を染め上げていくんだ、それでいいんだ
君の横顔は涼しい風のように
そう、夏の風のように
好きだよ


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