見出し画像

感情の矛先

長い夜の幕開けは、眠るのには冴えすぎた頭と目からである。最近のわたしは、9時頃に寝て5時に起きるのが生活習慣になりかけていた。専ら、夜型の人間なのだが、夜は本当に、女の子とうつ病持ちの人間の敵であるので、できるだけ避けようと思った所存であった。しかし、この此様である。ということで今回は、気が済むまで執筆をしようという気で書くので、いまいち意味が伝わらなかったり、纏まっていなかったりするかもしれないが、まあただの高校生の人生ポートフォリオとして書き留めているだけなので、気にしないで貰えれば幸いである。


ところで最近、わたしは暫くぶりに鬱状態になりかけていた。というのも、理由はいくつか思い当たる節があったのだ。気候の問題であったり、慣れない環境への不安感や焦燥感など、いくつかあったのだが、今回の鬱状態を乗り越えたプロセスは今までとは全く別物たったのだ。
 まず、うつ状態っぽいと自覚した一日目は初めて学校を休んだ。前日の夜から謎の腹痛に悩んでいたのだが、大抵の事は寝れば治ると思っていたのに対し起きた瞬間から腹痛がしたので、これは、と気付いたのである。ただこの時点で前とは違う。第三者的に俯瞰して見れるようになったことである。そして、その一日なにもせず、アロマを炊き、ストレッチをし、日本食を自炊して食べ、これ以上完璧な方法はないと最善を尽くした。のだが、夜になってもなかなか元気が出なかったのだ。この時点で既に12時間以上は寝てたため、全く眠くなかったのだが、そそくさと布団に向かった。次の日にはテストがふたつあったのだが、早々にテスト勉強を夜にするのを諦めた。そして、次の日の朝5時に目が覚めテスト勉強を詰め込み、学校に行き、うつ病を何とか乗り越えたのである。
この話を普通に聞いていれば、それは別にうつ状態なのではなくてただの疲れなのではないかと思う人もいると思うが、私から、アレは確実にヤツだった、とだけ言っておこう。

また、最近は占いにハマっている。一応言っておくが、本気である。いや、そこまで本気って訳でも無いかもしれない。しかし、確実に毎日動画を視聴し、思考しているのでかなり本気であると思う。占いというものはかなり興味深いものである。意外と当たっていたり、信じたいものだけ信じるという観点から、とても都合がよく、何となく気が楽になるので最近はずっと占いの動画を見ている。

ところで先日、友達から「あなたのイライラしている所見たことがないけど、イライラすることあるの?」と聞かれた。驚いた。それは私だって人間なのだからもちろん憤ることもあるし、悲しくなることだって嬉しくなることだってある。けれど、いちばん近くにいる人が私のそれに気が付かないほどに私は感情表現が出来ていないのか、と実感した。確かに私は憤った時に声を荒らげて言い返せるタイプではないし、そういう時はそそくさとその場を離れて少し冷静になりたいタイプなのである。自分をイラつかせるような人に向かって大声でその人と向き合う気力なんてこれっぽっちも無いのだ。それに、例えば嬉しいことがあったとしても、鼻歌を歌ってルンルン歩くくらいで、大袈裟に自分の気持ちを伝えるために何か特別な行動をとるという訳でもない。泣きたい時は一人で泣くのが好きだし、喜びたい時だって誰かとその気持ちを共有しなくても一人で喜ぶのも得意なのである。けれど同時に、それはきっと小さい頃からの「癖」であるとも思うのだ。正直、他人とどのように喜びを分かち合えばいいかよく分からないし、他人の気持ちほどよく分からないものはこの世界にないし、そこまでそういう類のものに、興味が無いのも事実である。けれど外に自分の気持ちを発することがないために、色々なものが募り募ってうつの状態が出てきてしまうのだろうなと何となく自分の中で納得出来たのだ。

そんな私が、人生の中で一回だけ、他人に向かって声を荒らげて正面から衝突したことがあった。
小学生四年生の時である。当時いちばんと言ってもいいほど仲良かった子と同じ学童に通っていた。帰りのバスの中で出発する前に毎日数分だけ、二人でバスの中で話す時間があったのだ。彼女は「どうせ」という言葉が口癖だった。そのとき、果たして私がその言葉の意味を真髄まで理解していたのかはよく分からないが、何となく私はその言葉を彼女に使って欲しく無かったのだ。だから、バスの中で二人だけの時間に、何回も何十回も何百回も。彼女が「どうせ」という単語を口に出す度に、私が何回も何十回も何百回も怒り、しまいには彼女がその言葉を口に出すことはついに無くなったのである。
それが私の覚えている中で唯一、他人に対して怒りを向け、正面から向き合ったことだった。彼女が今たくさんの友達を持ち、幸せそうにしているのを見て、私は心から嬉しく思っている。


そんな夜もあるのだ。しっかり冷えないように、湯たんぽを沸かして、布団を顔にかかるくらいまで被って、よく寝てください。
それじゃあ、おやすみ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?