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枕元の神さま

今日は旅行記の中休みである。

今朝、目が覚めて起き上がるまでの非常に幸せな時間中、思い出してメモしたことがある。

枕元に釈尊を思う。
以前、T先生から教えてもらって、何となく今も続けている習慣で、
目に見えてこれという成就はないけれど、日々の幸せに地味に役立っている観想法である。

これは仏教徒の例だが、この方法を使うために、必ずしも仏教徒になる必要はない。
ただ、何かしら心から信頼する対象が必要である。

T先生はネパールに移住したチベット族出身のお坊さんで、
幼い頃預けられた親戚の家でいじめられたトラウマを克服し、
学僧時代も賢を讃えられながら結核の闘病薬の副作用で苦しみ、
経典を全て読み終え、
人生の経験全てを教えの理解に使っておられた方である。

その先生から、仏陀の功徳についてお話してもらったことがある。
確か、台湾・マレーシアのグループに便乗させてもらった時だった。

先生は経典をいろいろ引用して、仏陀の功徳を述べるわけだが、
そのうちの一つに、「誰かが仏陀のことを思って名を呼べば、そこに仏陀はやってくる」という部分があった。
ただ呼ぶ側の状態で、やって来た仏陀を拝見することができる人と、できない人がいるそうである。

恐ろしい道で仏陀の功徳を思い起こし、名を呼び、ここにいらっしゃるという信があれば、怖れは無くなるという。

その話に関連してであっただろうか。
夜眠る時に、自分の頭を仏陀の膝にのせて眠るとイメージし、
仏陀の功徳が光になって、寝ている間に頭の方から自分の身体に入って来ると観想するのである。

これは仏陀でなくとも構わない。
自分が全幅の信頼を置き、清く明るくより良い状態へ導いてくれると信じている存在を思い起こし、その存在の膝に頭を乗せて寝ている状態である。

大事なことは、世俗的な愛情の対象を思い浮かべるのではなく、
幼い子供が母に全幅の信頼を置いているような、純粋で引け目のない愛情、信頼を持っている対象を思い起こすことである。

仏教徒にとっては仏陀や菩薩やご本尊様だが、
他の信仰を持つ人々にとっては、それぞれ信仰する神々かもしれないし、
人によっては人の道を導いてくれた師や、両親や、兄妹かもしれない。
守護霊様、という存在を思い浮かべる人もいるかもしれない。

誰であれ、眠る時に安心して頭を預けて眠れる対象があると、
安心して眠ることができる。
布団の中が幸せなシェルターになる。

時々夢うつつの中、語り合うこともできる。
思いもかけないアドバイスが湧いてくることもある。

目が覚めている時には、目や耳等の五感からいろいろな情報が入ってきて、心の安穏を脅かすことが多い。
考えないようにしようとしても、その原因になるものが意識に投擲されるので、社会生活を営んでいるとそれらを遮断することも難しい。

せめて家でひとり、ゆっくりする時くらい、
心をリラックスさせて、信頼を育む時間を取っても良いのではないか。

もちろん日常生活が幸せな人は、幸せを感謝する時間にあてることもできる。

その時には、できるならテレビやデバイスの電源を切って、自分のアンテナもオフにする。アナログな環境に身を置くと、あるがままの生活を感じるので、素直にもなれる。心をつくろわず、楽な状態でいられるということだ。

そんな方法の一つとして、自分が百の信頼を置く存在を枕元に思い浮かべ、
その膝に頭を乗せて眠るというイメージワークを紹介した。

眠る時の安心は、心の奥底まで届く。
変化の多い世の中、自分をケアする方法の一つとして、
試しにやってみては。

無料だよ。


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