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旅のうた(歌日本紀行)

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#かぐや姫

(第12回)「なごり雪」〜線路の先の物語」

(第12回)「なごり雪」〜線路の先の物語」

 なごり雪。なんてきれいな言葉なのかと思う。この歌が世に出た当初は、「なごり雪」ではなく「名残りの雪」というのが正しい日本語だとクレームもついた。だが、いまやこの「なごり雪」は、堂々とした(情緒たっぷりの)日本語として、歌い継がれていく切ないメロディとともに、広く認知されている。

 この歌の舞台は正確には書かれていない。東京のどこかで、故郷へと帰っていく恋人を悲しげに見送っている、そんな歌だ。

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(第7回) ”神田川”沿いの青春

(第7回) ”神田川”沿いの青春

↑新宿高層ビル群が間近に見える神田川沿いの風景。

 「神田川」

 言わずと知れた70年代フォークの名曲である。乱暴に言うと、「青春の象徴」「純愛の象徴」「絶望のような希望」、そんなところだと理解する。

 私はこの歌詞に歌われた時代よりは下の世代なので、青春とは、「キャベツばっかりを齧っていたり」(かぐや姫の別の歌詞)、いちいち銭湯に行かなければならないような「しんどい」もので、兄貴たちは、い

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