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「飛び入学」と「年功序列」の共通点 (2022/11/1)
記事の長さはおよそ1,700文字。2〜3分程度で読めます。
【迫真】やっぱり変だよ、日本の教育1
「飛び入学」わずか7人
記事の概要
飛び入学が日本で制度化されたのは1997年。
25年たつが実施しているのは国公私大の1%にあたる8大学のみ。
米国の大学に在籍する18歳未満は25.5万人(19年度)。
40人に1人を占める。日本で飛び入学したのは全国で7人(22年度)。
37万人に1人。米国とは約9000倍の差がある。欧州でも理解度に応じて飛び級を認めたり、進級を遅らせたりする国が珍しくない。
日本の飛び入学は高3の1年間をまたぐだけ。
文科省幹部は「同学年の集団とのつながりが切れて、学年に応じた体系的な学びが損われる懸念がある」と大胆なスキップに及び腰。
偏差値が高い大学の合格実績をあげようとする高校の進路指導も一因とされる。
こんなふうに考えた
日本で「飛び入学」が普及しないため、
「ギフテッド」と呼ばれる突出した才能を持つ子どもの中には、
学びのチャンスを求めて海外に移住する人もいるそうです。
ぼくは日本の学校で「飛び入学」が普及しないのは、
日本企業で若手の管理職への登用が進まないのと
同じ”前提”が根底にあると感じます。
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■ 共通する”前提”
段階が上がるほど偉い
(「役割」ではなく「上下関係」)「一方通行」で戻ることはない
(「下」のことをすべて知って段階的に「上」にいく)「未来」より「過去」を優先
(「可能性」より「経験・実績」)
社歴の長い伝統的な日本企業では、
平社員から係長、課長、部長、そして社長へと
段階的に昇進していくのが一般的です。
そして平社員より係長、係長より課長、課長より部長、
部長より社長が偉いと考えられます。
いきなり平社員から部長に昇進することはなく、
部長に昇進するのは平社員も課長も経験したあとなので、
上の役職に就いている人は、下の階層の仕事がすべてわかる
というのが前提になっています。
そのため、わからないことがあっても「知らない」とは言えませんし、
一度就いた役職を降りて下の役職で改めて経験を積むことはありません。
さらにある役職に就くのは、
下の役職での経験と実績が評価された人です。
その役職で求められるスキルへの適性がある人ではないので、
過去の経験が少ない若手が抜擢されることはありません。
(たとえ適性がものすごく高くても)
でも実際には、役職によって必要なスキルは異なります。
そしてそれは、「過去の経験・実績」だけではかることはできません。
いろんな企業の方とお話しをしていると、
部長以上の役職で成果を発揮できる社員が少ないことに
課題を感じている会社が多い印象を受けます。
過去の実績だけではダメな証拠ですね。
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学校も同じです。
高校までの勉強と大学以降のものは異なります。
高校までは「知識の習得」が主な目的ですが、
大学以降は「専門性の追求」や「高度な研究」が中心です。
もちろん高校までの勉強が基礎になることは間違いありませんが、
高校までの勉強内容をすべてを知っていないとダメかというと
そんなことはありません。
足りないことが分かった時点で学べばいいだけです。
そのほうが学びの意味(目的)がはっきりしているので、
理解も深まるはずです。
でも高校よりは大学が「上」。
高校までの勉強をすべて知ったうえで大学に進むべき、
と考えるので「飛び入学」に否定的になるのではないでしょうか。
所管している文科省の幹部は、
いまの制度で優秀な成績を残した方ばかりでしょうから尚更ですよね。
日本でもスポーツや芸術・文化などでは、
際立った才能がある若い人への嫉妬は少ないように思います。
「才能が違って当然」との考えが一般的なんでしょうか。
でも勉強や仕事では、
「頑張ればみんなできる」という”前提”があるからなのか、
平等感、公平感を求める声がとても強く、
一部の人を特別扱いすることにはかなりの拒否感があるようです。
「選ばれた人を特別扱いする」のではなく、
「可能性がある人に、早めに新たなフィールドで挑戦してもらう」
と考えるようにすれば、少しは拒否感が緩和されるかもしれませんね。
記事の保存先
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。