見出し画像

難関大に現役合格するには、数学を先取りすべき?

 こんにちは。Dear Hope 副塾長の伊藤です。
 今回は、数学の勉強について、度々いただく質問について書きたいと思います。

 その質問とは、

 「東大(などの難関大)の理系学部に現役での合格を目指していますが、学校の数学の進度が遅くて不安です。」

というものです。

 確かに、一部の進学校では高2のうちに数学Ⅲまで終わるところもありますので、このように考える気持ちは分からないでもありません。しかし、早く終わらせなければ合格できなわけではない、と私は考えています。

 最も大切なことは、高校範囲をすべて終え、本格的な受験対策を開始する時点で、「学習し終えた範囲がどれだけ身についているか」ということです。

 いくら進度が早く、例えば高校2年生のうちに数学Ⅲまで終えたとしても、ⅠAⅡBの範囲をきれいに忘れてしまっているようでは元も子もありません。その場合、ⅠAⅡBを初めから学び直さなければならず、かえって時間がかかってしまった、ということになりかねません。

 さらに、進度が早い高校では、そのスピードについていけず、ほとんど理解できない、という生徒さんも増えてきます。

 一方、進度がそれほど早くない高校では、比較的じっくりと各単元を扱っていくことができます。これにより、よく理解しながら学習を進められた結果、スムーズに受験対策が行えて、現役で東大に合格する生徒さんも少なくありません。こうしてみると、進度が速いのも一長一短です。

 一つの目安としては、高3の9月か10月頃までに高校範囲を終えられればよいでしょう。

 ぜひ、進度ではなく、「いま習っていることを正しく理解する」ことと、「学習し終えた範囲を、その範囲の入試問題が解ける程度まで深める」ことにこだわって学習を進めていただきたいと思います。
 これらの積み重ねにより、高校範囲が終わった時には、「あと少し実践的な演習を重ねれば十分に合格圏内」というレベルまで到達することができます。


➀いま習っていることを正しく理解する

 学校の授業で受ける説明は、その場で理解しましょう。疑問点があれば、ぜひ先生に質問し、早期に解決しましょう。

 授業が終わったら、その日のうちに教科書やその傍用問題集で練習をしましょう。時間が経つほど、習ったことの記憶が薄れてしまいます。いま目の前にある勉強を大切にしましょう。

②既習範囲の理解を深め、応用力を高める

 学年が進むほど、学習を終えた範囲が増えていきます。それらを復習することがとても大切です。さらに、難関大への現役合格を希望するならば、標準的な入試問題が解けるまで強化していくことも大切です。

 ただし、最初から難しい問題に手を出す必要はありません。教科書等で原理原則を理解し、まずは傍用問題集の応用例題や章末問題まですらすら解けるレベルを目指しましょう。それがクリアできたら、発展的な問題や入試問題(過去問)にもチャレンジしましょう。


 これら2種類の勉強に関し、勉強時間の目安は、いま学習している範囲の勉強が3~5割、復習が5~7割くらいです。

 このように復習中心の学習を進めていけば、高校範囲が終わったときに、ある程度の入試問題が解ける状態になっているはずです(ぜひその状態を目指しましょう)。
 この時点で、たとえ高3の9月末だったとしても、国立大の二次試験まで5か月もあります。この期間で過去問演習や発展的な学習を深めていくことで、現役合格が射程圏内に入ってきます。

 数学の全範囲が終わってからようやく「受験勉強」を始めるのと、日ごろから受験レベルを意識した勉強を継続するのとでは、やがて大きな差になります。ぜひ、目の前の勉強を大切にしつつ、復習と実践的な演習を継続して実力を養っていただきたいと考えています。

 それでは今回はこのへんで。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 このnoteでは、難関大指導を得意とする小さな塾「Dear Hope」のスタッフが、大切にしていることや、日々考えていることなどを書き記しています。

ホームページはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?