「マジックブック幻想」〔コイネージ【造語の試み】1〕
「"本を読んだだけ"で自分のなにかが変わることを期待する心理」。
これを「マジックブック幻想」と呼んでみる。
RPGゲームの世界では「魔法の書」という、"読むだけ"で魔法やスキルが身についたり、レベルアップをしたりするアイテムがよく登場するが、これを現実の世界で求める態度と言い換えてもいい。
仕事や片付けなどの新しいハウツーを知っただけで、スキルが身についた気になったり、小説や新書やビジネス本を大量に読むことで、自動的に人のレベルがアップした気になったりする心理がそれだ。
言うまでもなく、現実の世界に「魔法の書」など存在しない。本に書いてある"斬新な正しさ"に魅了されたままで終わり、「思索」や「行動」を怠れば、何百冊読もうが自分は全く変わりはしない。
なお、以上の話を読んで、他人事のように「自分は思索も行動もしてるつもりなので問題ない」と思っているとしたら注意が必要だ。
こう思わせるところまでがマジックブック幻想の射程なのだから。
読書でも行動でもなんでもいい。その人が本当に変わったのかを決めるのは"結果"及び"他人"。
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