イッツ・ア・シャッチョサンワールド〔クオート【書籍の軌跡】4〕
一応、僕もnote活動している身。文章力の向上には多少なりとも興味はあるわけで、ちょくちょく文章術に関する本は読んでいるのです。
そんな中で、先日読んだ本に気になることが書いてありました。
この部分、引用元の箇所に書いてある通り、野口悠紀雄氏の『「超」書く技術』から引用しました。
この本、タイトル通りゴリゴリの文章術に関する本です。なのに、文章とは一見関係なさそうな(そして少々不愉快な)事例が紹介されていました。
「なんで?」と思うかもしれませんが、繋がりはあります。
書かれているのは「敬語」についての箇所です。
例えば「上司の判断を仰ぎます」という言い方。
自社の「上司」に尊敬語を用いて敬意を払っています。
しかし、これをそのまま社外の人間に用いるのは問題です。
その人も「上司」を仰がなくてはならないことになり、不快な気分にさせます。
会社の上下関係を会社の外に持ち出してはいけません。
…この流れで冒頭の事例を出しています。
筋は通っていますが、この事例、文章の技術や敬語の使い方とは直接関係ありません。
この部分がなくても、敬語の正しい使い方は十分理解できます。
それにもかかわらず、野口氏がわざわざ「会社の上下関係を会社の外に持ち出してはいけない」を挟んで、ロジックを繋げているあたり、
相当腹に据えかねているんだなあ
というのがみてとれます。
冒頭の文に続けて、
と、かなり強い言葉で非難しているのがいい証拠でしょう。
…わかります。
僕だったら、バリバリブログのネタにするでしょうね。
場合によっては、スマホで動画を撮られてSNSにアップロードされ、プチ炎上してしまうかもしれません。
取引先の方が、この光景を目にしていたらどうするんでしょう。
月並みと言っていいほどの「自分たちのことしか見えていない」事例といっていいでしょう。
ところで、別の記事ですが、とある牛丼屋で就活生二人が食事が終わったにもかかわらず、いつまでも居座り喋り続けていました(それを見ていた人事担当の方が「社会人以前だよ?」と、心の中で×をつけたそうです)。
何年か前、スーパーの店内で大学生集団がダンスゲームをしていて大炎上しました。
冒頭のエレベーターを止めた男性は社会人。仕事の能力では、さすがに学生よりは遥かに上でしょう。
しかし、「自分と自分の関係ある人しか見えていない」という点で、精神的に自己中な学生たちと大きな差はないと思います。
「能力」と「精神性」って別物なんだなぁ、というのを改めて気づかされました。
文章を学ぶために、文章術の本を読んだつもりが、社会も学べるとは。
いろいろ勉強になる、いい本でした。
こういうことを見聞きしたら、反面教師にして絶対に同じことをしないようにしたいものです。月並みながら、それもまた一つの勉強。
(参考図書)
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