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秘密の公式

以前「一つの感覚の刺激によって別の知覚が引き起こされる」現象、共感覚について書きました。


子どもの頃は数字に色がついて見える「色字共感覚」があったため計算がとても苦手でした。

数字と色が混ざり合って脳が混乱してしまうのです。


とけることのない数字と色の魔法

でも、それが私にとっての当たり前の世界。



私の場合、1は白、2は赤、3は緑、4は黄色、5は青、6は茶色がかったオレンジ、7は桃色、8は水色、9は茶色、0は黒。

年を重ねるにつれ色は薄くなりましたが、この配色はずっと変わらないまま。


大人になった今も暗算が苦手ですし、言葉で上手く説明できないのですが、繰り上げ計算になると無意識に振り出しに戻るように引っ張られる感覚があります。

ただそんな数字苦手人間でも数学の中で唯一得意なものがありました。



それは、三角関数。



それまで簡単な計算も出来なかった子が、生まれ変わって別人になったかのように三角関数だけはスイスイと解けたのです。



なぜそのようなことが起こったのか?


だいぶ年月が経ってから気付いたのですが・・・・・・。

その秘密は公式にあります。

三角関数の公式


それは、公式が記号化されていることや図形と言うベースがあることで
数字や色にとらわれなくてよかったから。

公式や図形に導かれパズルのピースを合わせて絵を描くような感覚だったのだと思います。
とても楽しかった記憶があります。

あんなに得意だったのに今はもうすっかり忘れてしまいました。
でも、決して意味のないものではなかったと思います。

学校で学ぶものは、学科そのものの大切さはもちろんありますが、物事を多面的・多角的な視点でとらえることが出来るように感覚や脳を鍛えているのではないかと感じます。

習ったことすべてを明確に覚えていなくても、たとえ成績が良くなかったとしても、生まれた瞬間からあらゆる物事を吸収した”顕在意識”が、”潜在意識”から何かを呼び覚ますきっかけになっているのではないでしょうか?

自分で描いた点描画を見るとそんな風に感じます。


点描画を描く時は何も決めずに描いていきます。

上手い下手は気にせず、ただただ心を筆に委ねます。

無意識に自由に動く手は、自分の中の宇宙を表現しているように感じます。

魂に刻まれた過去生からの記憶や、今世での学びや経験から得たもの写し出しているのでしょう。


だからきっとこの絵の中にもあるはず

あの時一生懸命に解いた、サイン、コサイン、タンジェントが。



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