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OKサイン

 いろんなハンドサインをDEATH STRANDING案件で行き着いた。せっかく調べたのでアウトプット。まず、前回のDEATH STRANDING考察でOKサインが出てないんじゃないかと…

 ご存知の方もいるかも知れませんが、O.K.とOKハンドサインとその歴史
最初に O.K. が印刷された例は、1839年のボストンの新聞「ボストン・モーニング・ポスト」である。一時的な流行語として略語やイニシャルが使われることがあるが、初期の O.K. もそうしたものである。
 当時の流行語としての略語には、G.T.T. (gone to Texas) や K.Y. (know yuse = no use) がある。
 現在日本でもJK用語みたいなもので、「KY」とか、「微レ存」と略すとか英語圏でも「LOL(laugh(ing) out loud)」とか使うので同じような現象だろう。
 今の我々の感覚に置き換えると「旨味」を うまみ と読んだり うまあじ と読んだりと、そういったmeme(ミーム)の一部であることだろうか?(論争はここではしない。)
 そんな感じで、新聞を主な媒体とした会話や非公式な文書で長らく使われていたものであろうと言われている。O.K. は all correct の綴り間違いとされ、最初の数年間はそうした注釈付きで印刷されていた。都市伝説的には1840年の合衆国大統領選挙で、大統領候補マーティン・ヴァン・ビューレンを支持する民主党支持者は、Oll Korrect をヴァン・ビューレンのあだ名である Old Kinderhook にかけた。これに対してホイッグ党の反対者はO.K. は、ビューレンの政治上の師でもあるアンドリュー・ジャクソンが綴りを間違えて Oll Korrect と書いたのが起源だとした。この選挙によって O.K. は有名になり、略語の起源をジャクソンのせいにする民間伝承が生まれた。ここから666を表す、911を暗示させるといった都市伝説キバヤシ脳の方が類推させていった。一応有力説ではあったがボストンの1839年の新聞により古いものが出てきて一蹴された。

 では、肝心なOKハンドサインについて
 日本、アメリカなどで使われる人差し指と親指を付けて中指から小指を開く動作、OKハンドサインはいくつかの国で良い意味を持たないハンドサインとされている。フランスやギリシャでは「侮辱」、ブラジルでは「おれは危険だぞ」という意味になる。日本固有でお金を表す意味にもなる。同じくOKという言葉ではフランスもギリシャもブラジルも言語的には伝わるが、ハンドサイン、ジェスチャーとなるとその様相を変えてまったく逆方向の意味として伝わる。このへんは不思議な感じ。

 実はこのOKサインもっと古いものがある。起源ではないが一致する手の形で意味をなす非言語コミュニケーション。それは印相。古来インドでは手の形で意志を現す習慣があった。これから発展して印相が生まれ印相は印契ともいう。ふつうは簡単に印と言われている。
印は指で輪を作ったり、両手を組み合わせていろいろな形をつくり出し、仏様のご利益や担当部門、意志などを象徴的に表すものだ。

 輪を作る指で三種類
上品  親指と人さし指
中品  親指と中指
下品  親指と薬指

 手を置く場所で三種類
上生 ひざの上で手を組む。
中生  両手が胸の前。
下生  右手が胸、左手ひざ。

意味についてはいろいろ種類があるがわかりやすく解析したものが、コレ。解釈には数百もあるため参考までに。

 コレをみるとOKサインは説法印、来迎印、摂取不捨印。
 俺の話を聞けサインつまりは説法のために用いられるハンドサインで印相であると。

とりあえず日本仏教での印相、OKサイン。

アヘ顔ダブルピースはならぬ、仏顔ダブルOKサインだ
冗談はさておき、説法印を両方に打ち出しているため余程話したいか、余程信者に説法が必要なのだろう。

話したいからこのハンドサインを出すとするなら今現在頻繁にこのハンドサインをやってる人がいる。

第45代アメリカ合衆国大統領 ドナルド・トランプ 選挙期間中、勝利に近づくに連れてこのOKサインが多くなってきたそうだ。

ハンドジェスチャーの専門家によると
通称:精密な把握
目的:事実をきちんと把握していることの誇示
「トランプ大統領はこの手振りで、自分に自信があることや、事実を把握していること、または単に、注意して聞いてほしいことを示している。この動作は精確なもので、精密な道具を扱うときの手つき、たとえば、筆記するときにペンを握る手つきのようである。何か主張があるとき、政治家が好んでする手つきだ。逆に、親指と人差し指が触れていないときは、きちんと把握できていないことを意味する。大統領がまだ確信を持てていないか、あるいは混乱していることの表明である」
https://gqjapan.jp/culture/column/20170725/what-donald-trumps-hand-gestures-really-mean>

 それが本当なら仏像は自信をもってお話、説法していることになる。まぁ理にはかなってるかもしれない。

 いろいろ調べたのだが、今一度、インドに話を戻すと印相自体は仏教のオリジナルではなく、釈迦が誕生する以前にすでにヨガのムドラ(ムドラーとも)というもので使われていた。インドではいろんなオリジナル修行が今現在も日々開発されている。手をずっと上げる、ずっと右足をつかないなどなどその中で紀元前のヨガも自然淘汰されムドラへ行き着く。派生での試行錯誤がムドラ、印相と言われるものであるというのが僕の解釈。同じ説法印でも手首の返し、手の方向は様々であるし、ムドラ自体も型はなく人差し指と親指で輪を作る仕草だけが共通というだけである。

 何種類もののOKサイン、説法印があらゆる方向で試されていたと推測する。つまり印相のハンドジェスチャーの語源はムドラである。しかしムドラ自体に起源はない。

 実際あるヨガでのとある一つの教え
人差し指と親指で輪を作る仕草はムドラーではチンムドラーとも、ニャーナ・ムドラーとも言われよく使われる。上向きでも下向きでも構わない。
チンムドラーの、チンは、チット(意識)を意味し、この場合は、最高位の意識を示す。最高位の意識には、全ての(智慧)が内包されると考えられていて、ニャーナ・ムドラーのニャーナは、この(智慧)を示す。
チンムドラー(ニャーナ・ムドラー)は、最高位の意識と、智慧と結びつくムドラー。
それは、思考を超えて私達の微細なエネルギーに働きかけている印。
直感、集中力、記憶力の促進、精神的ストレス、混乱の改善によいとされ、
マインドをクリアにして、高血圧にもよいとされる。
https://www.studio-yoggy.com/article/article/yoga/20160919-01

落ち着こうとする所作がこのムドラーを生み出した。では、どうやってこのOKサインのムドラはOKの言葉の意味を持つアメリカまでたどり着いたのか?

 大航海時代にヴァスコ・ダ・ガマがインドに渡り、インド人がイギリスの植民地になる。奴隷として連れて行かれたインド人がそこでヨガをやっているジェスチャーが…と考えてるけど安易だろうな。
 もっと昔4世紀それぐらいから徐々にシルクロードを渡り、言葉の繋がらない人間との商売、交渉に使われていき徐々に浸透していった。そして、ヨーロッパからアメリカ新大陸へ行き着き南北戦争の頃のOKサインへ派生していったのではないかとも考えている。
 ここで問題はもし、アメリカインディアンにこのOKハンドサインがあった場合もっと起源は遡る。海と大陸が繋がっていた時代にこのOKハンドサインが現れたとするとさらに面白いが、残念ながら僕に調べられるのはここまで…
 イギリスの動物学者デズモンド・モリスは「ボディトーク世界の辞典」にてこう語っている。
 『人類が後足で立ち、前足を鋭敏な手へと変化させてから、人間の身ぶり手ぶりは広範囲に発達してきた。歩くために使われていた以前の前足は、新たにコミュニケーションを担う繊細な器官となった。動物の中では最も表情豊かな「顔」をもつことに助けられ、「手」は身体を使った複雑な合図のレパートリーを数多く発達させてきた。BODYTALK(身ぶりが語る)と題した本書が説明しようとしているものは、まさにこの言葉ならざる言葉である。

 「言葉ならざる言葉」先週ぐらいからデス・ストランディング案件で調べてきた。ハンドサイン、ジェスチャー、ボディトーク。世界中と勝負してきた小島監督が前作ではVOICEをテーマにMGSVを作成していた。KONAMIから追い出され、前作を声ならざる声とするならばこのハンドサインを主軸として構成されたティザーは僕にとっては言葉ならざる言葉である。より、プリミティブな肉体言語、直接情感を表すものではないのだろうかと考えてる。

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