選挙戦に使えるデータの活用(政策編)
新人候補や当選期数が浅い議員の方の中には、理想があるのに実績が無いことが悩みという方も多いのではないでしょうか。現状の問題意識に関して、誰が見ても「その通りだ」と思えるようにするには、その問題に関する情報をどう得て、どう表現すれば良いのでしょうか。
1. オープンデータ
2020年時点でネット上には44ZB(ゼタバイト)のデジタルデータがあるといわれています。アルファベット1文字が1B(バイト)のデータ量であるのに対し、1ZB=1,000,000,000,000,000,000,000B。なんと0が21個。1GB(ギガバイト)44兆倍!
とにかく凄いデータ量ということだけは分かりますね(笑)。これだけの情報量があっても、必要に応じて簡単に取り出すことが出来なければなんの役にも立ちませんよね。
そこで国は、急速な超高齢化による諸問題に対するため、ネット上にある官民データを活用して行政、農業、医療介護、観光、金融、教育などの分野におけるイノベーション推進を目的とした「官民データ活用推進基本法」を平成28年3月に成立させました。
これにより国だけでなく、地方自治体も、地域課題を自分たちで考え解決するためのデータ活用を一層求められるようになりました。その中で、オープンデータは「国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義」するとされています。
この項目というのが、
① 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
② 「機械判読に適したもの、無償で利用できるもの」とされています※
※内閣府「オープンデータ指針」 平成29年5月30日
2. 地域経済分析システム
政策立案のオープンデータ活用にあたって参考になるWEBサービスを一つだけ紹介します。
RESAS(地域経済分析システム)は、経済産業省と内閣府のまち・ひと・しごと創生本部が提供するWebサービスで、産業構造や人口動態、人の流れなど官民が持つビックデータを分かりやすいグラフィックで見せてくれているのが特徴です。
RESASを使った地方創生★政策アイデアコンテストも行われており、高校生チームが入賞するなど話題を呼んでいます。
3. 人気ワード検索
ブログやSNSで発信する時に、トレンドのワードを抑えておくと爆発的に閲覧数を稼ぐことができる場合があります。google trends などでトレンドワードを知ることができます。
4. ビジュアル化して伝える
再び東京でオリンピック開催が決定した裏側で、にわかに注目されたものがありました。それは、それぞれの競技を正確に伝え、コミュニケーションツールとして情報を伝えるツールであるスポーツピクトグラムです。
ピクトグラムの他に、情報をビジュアルで伝える技術は、ダイアグラム、チャート、表、グラフ、地図などがあり、これらはインフォグラフィックスと呼ばれ、複雑な内容を分かりやすく伝えることを目的としてデザインされます。
2017年にこの分野でグッドデザイン賞を受賞した日経新聞ニュースコンテンツなどは、普段から目にしていておなじみではないでしょうか。
大阪府知事、大阪市、堺市長選挙3連勝の大阪維新の会や、前回都議選で大勝利を収めた都民ファーストなどの政党や所属議員の方も、データをビジュアル化して伝える方法を採用したことで、市民からの評価を得たのではないでしょうか。