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モラトリアムは続く。

手短に私のこれまでの人生について話をしますと、流されるように学生生活を送り気付けば進路が決まらないまま高校を卒業し、彷徨った期間を約1年と2ヶ月アメリカで過ごしまして、ようやく大学受験の決意をし3週間ほど前に帰って参りましたサーモン丼です。
よくありがちな、海外に行って世界が変わった!とかではないので、そういうのを期待されてる方は回れ右!

高3の時に進路という大きな問題にぶつかりました。学びたいことがなかったわけではなかったんです。むしろその逆で、やりたい事が多すぎたんですね^^;

高3の時点で最終的に絞った候補が、芸術、保育、心理学と来まして、それぞれ関連性のない分野ばかりで一体わくわく感か安定性か、何を取ればいいのか、どこに絞ればいいかがギリギリになってもまるっきり答えが見えませんでした。
大学は費用もそれなりにかかりますな。
決断の出来ていない生半可な気持ちで進学して後悔したくなかったんです。
高校を卒業したらすぐ大学という当たり前かのようにあるレールにも疑問を抱いていた事もあり、私は期間を決めずにただ考える時間を自分に設けました。(後にこれがモラトリアムだとかギャップイヤーというちゃんと名前のあるものだと知った。)
同時にタイミングよく父のアメリカ転勤も決まり、どうせなら違う世界を見ながらモラトリアム期間を過ごそうと思い、父の金魚の糞になってアメリカに着いて行く事を決意。
最初に言った通り、約1年アメリカで過ごしたからといって特にこれといって何かしていたわけではないですし、英語も全く出来てないです。
SOU!!アメリカに行っても将来についてばかり考えどこにも属さず彷徨い続けていたんですね。

一応アメリカでは民間の、それはまたゆる〜い英語学校に週に2日通っていて、週末には日本語学校の幼稚園ボランティアに参加し、月曜日にはサルサダンスを習いに行ってました。
ゆる!いいな〜と思うでしょう。
実はこの時期とても精神的に辛かったです。
周りは大学生やら何しかしらの活動やらをしていて充実しているのに私は一体親に縋りついてここまで来て何をやっているんだろ。海外にまで出て語学さえも身についちゃいないという自己嫌悪の毎日でした。

この時ちょうどSNSで知り合った同い年の女の子は音楽活動でまあまあ人気なアーティストだったので、それもあり劣等感ばかりが積もり積もって明日が来ない事ばかりを祈って眠れない日々でした。
それでも1年が経つとようやく慣れて、広い庭でぼーっと星を眺めたり、人々が学校やら会社やらに行ってる時間に私はアヒルばかりいる公園に行っては呑気に餌をやったりね。

けどこのままだらだら過ごしてても決断は出ないということ、結局進まないと何も分からない事にようやく気付きました。
ぶっちゃけこの1年間の内にやりたい事がはっきり見えてきた訳じゃないです。
しかし、幼稚園のボランティアをし分かったことは子供の事は好きだが、仕事とは別という事。
無意識のうちに考えることや目に付くことは芸術分野が多かったこと。(民族性の違いや古い建築物など)
それらの事から美術の道へ進む事を決意しました。


車の免許取ってから行ってたらなぁ。英語をもっと真剣に勉強してたらなぁ。もっと積極性のある性格だったらなぁ。1人で行った方が良かったかなぁ。とまぁ思うことはたくさんありますが、そんなん言ってたらキリがないです。
私は全ての出来事に何か意味があると思ってます。
その意味とは、すぐ分かることかもしれないし、何十年も後になって分かることかもしれない。
目に見える事が身についた訳じゃないですが、アメリカで生活した事、自分が思ってたより他民族な国だったり、だだっ広いカントリーロードを生で見たり、古ぼけた奇妙なアンティークショップにたくさん出会ってアンティーク好きになったり。
新しく触れた経験は盛りだくさんで、貴重な経験ができて良かったと思っています。好き勝手させてくれた親にも本当に感謝しています。

しかし、大学受験を決断したとは言えまだまだわたしのモラトリアムは続きます。
大学入学後も、会社に入社後も、立場や年齢なんて関係ありません。
何かに引っかかった時、行動した方がいいんじゃないか悩む時、やりたい事がふと出た時、もうすでにモラトリアムなんです。

私はアメリカで約1年ふらふらしてから大学受験を決意しましたが、高校卒業後一度社会に出てから学ぶべき事をリサーチして大学に入るという手順もありますし、大学にこだわらず、独学という道もあります。言える事はレールはひとつじゃないという事。
本当はもっとなんでもありなんじゃないでしょうか。
選択肢が広がった今という時代は、他人事ではなく誰もがモラトリアムなのではないでしょうか。
一度、あなたの人生も立ち止まって検討してみてください。
ようこそモラトリアムへ。

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