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【スマトラ】ガルミンド-ピーターリベンス-ガヨ-アチェ           焙煎レポートとスマトラ島のコーヒーについて

いつもGREEN COFFEE STOREをご利用いただき、ありがとうございます。

9月も終盤に差し掛かり、急に肌寒く秋の気温になりましたが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。☺


さて今回は、インドネシアのスマトラ島コーヒーについての解説と、
簡単な検証焙煎を行ったので、ご紹介していこうと思います!


インドネシア スマトラ島コーヒーのはじまり


インドネシアにコーヒーがやってきたのは1600年代のこと。オランダ人からインドネシア全土に伝わり、栽培が始まりました。1700年代初頭には、オランダ東インド貿易会社によって、輸出も開始されるようになりました。
そうしてインドネシアのコーヒーが世に広まっていくにつれ、インドネシアの農園は、オランダが所有する大規模なものが主流になり、労働者や地元の人々は植民地支配の下で経済的、政治的に苦しんでいきました。
1860 年に出版された小説『マックス・ハベラー:あるいはオランダ商社のコーヒー競売』は、オランダ政府と地主が、インドネシアの人々、特にスマトラ島とジャワ島の人々を虐待し抑圧した方法の数々を描き出しています。
コーヒー労働者や先住民のコミュニティでは、貧困、飢餓、困窮が一般的となってしまいました。

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さらに1860 年代から 1870 年代にかけて、コーヒーの葉が錆びる病気が流行し、インドネシアのコーヒー 市場は壊滅的な打撃を受け、オランダは多くの農園を手放すことになります。
その後の土地再分配により、インドネシアでは現在も小規模農家が多いです。

小規模農家が多くても、インドネシアは、
現在、世界第4位のコーヒー生産国となっています。

インドネシアの中でも、スマトラ島産のコーヒーは、その香ばしさ、植物的なアーシーさが特徴として有名です。これは、気候や栽培品種の組み合わせによるところもありますが、ウェット・ハリング(地元ではギリン・バサと呼ばれています)と呼ばれる特定のポストハーベスト処理スタイルによるもので、これらのコーヒーが持つ独特の風味を作り出しています。

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スマトラ島 アチェ州 ガヨマウンテン


今回フォーカスするのは、アチェ、ガヨのコーヒーについて。
アチェ州は、スマトラ島の最北端に位置し、2001年までは『アチェ特別州』と呼ばれており、インドネシアの中でも特にイスラム信教の強い地域です。

そしてガヨマウンテンは、コーヒー作りに適したコーヒーベルトに属していることもあり、非常に良質なコーヒーであるといわれており、
香り高さ、コク、まろやかな風味が特徴で、大変人気なコーヒーとして知られています。

GREEN COFFEE STOREで販売中のロットは、特に甘さと香ばしさが強く、
グレープフルーツの風味とハーブのような後味があります。


そんなスマトラ島コーヒーで、検証焙煎を行いました。↓


”GARMINDO - Peteri Bensu - Gayo - Aceh”


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生産国 :スマトラ
地 域 :ナンゴアアチェサウサルム
農 園 :小規模生産者
品 種 :カティモール、ティムティム
標 高 :1,200m~1,400m
生産処理 :スマトラ式

IKAWAで検証焙煎 

▶ドライ過程が及ぼす、出来上がりの風味の違いについて

焙煎が始まり、コーヒー豆の水分が蒸発して科学反応が起こりだす前の準備段階を「ドライ過程」と言いますが、そのドライ過程の違いによって、それぞれ風味はどう変化するのか、を検証しました。

プロファイル①:COEレシピ

序盤から熱を与えてフレーバーを引き出す、短時間焙煎です。

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焼き上がりにムラが目立ってしまいました。
もともとのポテンシャルが良い豆なので、ナッティでシダーな中にも、アプリコットやグレープフルーツのような爽やかな南国系フルーツのフレーバーを見つけることは出来ましたが、やはり焼きムラのせいで、焦げ茶色なイメージが強く目立ってしまい、十分なフレーバーは引き出せていないように感じました。


プロファイル② :City roast 01

プロファイル①よりも温度上昇がゆっくりで、そのぶん長く火を入れ続ける長時間焙煎です。

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プロファイル①よりも、ふっくらと焼き上げることが出来ました。
スマトラ島コーヒーは粒が大きいことも特徴ですので、芯までしっかり火を通すには、プロファイル②の方が適しているようです。
カップは、きりっとしたローストナッツやスパイシーなシナモン、甘くハーブみのあるシトラスフルーツなどが引き出されています。

感想

スマトラ島のコーヒーにおいても、ドライ過程の違いが及ぼす風味への影響は大きく、そして適したドライ過程を発見することが出来ました。
ですが、適したドライ過程ではないプロファイル①の豆も、しっかりとフレーバーがあるコーヒーに仕上がっています。一概に失敗作とは言えないのが、コーヒーの面白いところでもあると思います。

コーヒーの持つポテンシャルを十分に引き出すことも大事ですが、それぞれの好みに合った焙煎プロセス、そして最高の一杯を見つけていきたいですね!

今回の検証に使用した豆は、GARMINDO - Peteri Bensu - Gayo - Aceh  でした。


まとめ

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

今回の検証とその感想は、あくまでも個人的な意見となりますので、参考程度として頂ければ幸いです。

今後ともGREEN COFFEE STOREをよろしくお願い致します。


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