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祈りの風景

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#海

第8章 海への想い・海から来るもの



海への想い

 はじめて海から昇る御来光を拝んだのは、いつのことだっただろうか。

 はっきり記憶に残っているのは、小学校6年生の正月だ。はじめて子供たちだけの初詣を親に許され、大晦日、除夜の鐘が鳴り出した頃に同い年の幼馴染であるジロチョーとデメチャンと待ち合わせ、近くにある小さな諏訪神社へ出かけた。

 篝火が焚かれた参道を通って、三々五々集まってくる近所の人たちに混じって子供たちだけ三人で

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