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私にとっての摂食障害


初めてダイエットに挑戦した時のことを今でもはっきりと覚えている。

当時今で言うインフルエンサーみたいな存在の女の子がTwitterにいて、私の憧れの存在だった。

3ヶ月で-10kg近く体重を落として、その後ずっと体型をキープすることに成功していて、自分にストイックでかっこよかった。

どうしてもお菓子を食べてしまう女の子達にツイキャスとかで喝を入れるのが彼女の十八番だった。勉強しながら彼女のキャスを何度か聞いたことがあったなあ。懐かしいね。

7年くらい前の話だから彼女の事を覚えている人はもうあまりいないかもしれない。
でも当時はダイエット界隈で有名な人といえばあの子だったよね?

私はその子みたいになりたくて、はじめてのダイエットを始めた。

このダイエットが食に関心を持つきっかけになって、摂食障害発症の原因の一つになるなんて考えもしなかった。


中2の私は、ただただ可愛くなりたかっただけだった。

自分のことを愛してくれる彼氏が欲しかったから。可愛くなればそんな人ができるって疑いもせずひたすらに思い込んでいた。

お金も自分で稼げない中学生が唯一圧倒的に可愛くなれる方法がダイエットだった。

メイク道具を揃えるよりも、整形するよりも、自分の体と時間さえあればできるダイエットは手軽だった。


痩せれば愛されるって本当に思ってたから、とにかく私は痩せることに必死だった。

当時はPFCバランスなんてあまり知られてなくて、糖質制限とカロリー制限が圧倒的に主流。

だから晩御飯は炭水化物抜きにしたし、いつも朝に食べていた食パンも食べないようにした。

お昼ご飯も2段弁当の1段分だけにした。

運動は縄跳び・ランニングの20分間の有酸素運動が自分の中で決めた毎日のノルマだった。

毎日毎日ダイエットのためだけに生きていて、努力の甲斐があって痩せたのは痩せた。
けれどちっとも幸せじゃなかった。

気づいたらストレス発散のために過食する癖がついてしまっていて。

毎日学校終わりにスーパーに寄って、1000円分くらいお菓子を買って、家に帰って馬鹿みたいに食べて。

当時は吐けなかったから、食べた後に痩せたいのになんでこんなに食べてしまったのって自分を責めて、食べた事を後悔して…

明日からは絶対過食しないって毎日心に誓って、次の日になるとまた明日からは絶対過食しないから!って普通に過食してしまってた。
これは摂食あるあるなんじゃないかな。

過食って本当に辞められない。
結局、過食が日常になってから7年経つけれど、2週間も過食せずに過ごせた日はないし、心療内科に通院してもカウンセリングを受けても寛解なんてしなかった。

この7年間で過食を治すために、ほんとに色んな事を試した。

1日3食を食べたら治るってYouTubeで見たから頑張って3食食べるようにした。

過食したくなるのはタンパク質不足だかららしいって知って、プロテインをiherbで頼んで毎日飲んだ。

メンタルを安定させるために毎日日記もつけた。

他にも色々自分なりに頑張ってみたけれど、過食は悪化していくばかりで何一つ良くならなかった。

なんていうか、過食症って私を苦しめる存在なんだけど、それと同時に私にとっての唯一の心の支えでもあって。

例えるならば共依存中のDV彼氏みたいな存在で。

過食した後はものすごく後悔するし、辞めたいって本気で思うんだけど、心の奥底のどこかではまだ過食に縋っていたい気持ちもあって。

というのも、ずっとずっと寂しくて、抱きしめられたくて、このまま誰からも愛されないなら死んでやるって気持ちと共に毎日過ごしているから。

過食している時だけ、愛されなくて寂しい、抱きしめて欲しいっていう気持ち忘れられるから。

本当は抱きしめられたいけれど、叶わないから。

だから過食してしまう。
過食している時だけはちょっと楽しい気分になれるから。鬱々とした感情も、理想とはかけ離れた姿の自分も全部一瞬だけ忘れられるから…

多分過食を本気で辞めようするのであれば、愛されたいと願うことを諦めなきゃいけないんじゃないかな。

意識的に諦めるんじゃなくて、もっとこう根本的に諦めるというか…

"気持ちを整理して前に進む"みたいな…

そうなるためには何が必要なんだろう。

自分を否定せずに肯定するとかかな。

正直どうしたらいいのか自分ではわからない。

今もすごく寂しいし、抱きしめられたくて仕方ないし。

私はいつまで摂食障害と手を取り合うことになるんだろう。

もしかしたら死ぬまでなのかな。

過食なしに生きることができるようになるなんてもう想像できなくなってしまった。

それでもいつか過食なしで、自分の力で生きられるようになりたいっていう希望は捨てられない。

つくづく私は諦めが悪いから。

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