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ザ・フラッシュ 異次元のタイムリープ・アクション映画

あらすじ

時間をも超えるほど超高速で走れる地上最速ヒーローのフラッシュ(エズラ・ミラー)は、スーパーヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」の一員として今日もバットマン(ベン・アフレック)とマフィアのドン・ファルコーネの息子が起こした殺人ウィルス強奪とゴッサムシティ病院籠城事件に対処したり、母ノラ(マリベル・ベルドゥ)を殺した濡れ衣を着せられた父ヘンリー(ロン・リヴィングストン)を救う証拠を掴む為にセントラルシティ警察の科学捜査官として奮闘していた。
父ヘンリーの裁判も望みが薄いと大学の同級生で新聞記者のアイリス(カーシー・クレモンズ)から聞かされたバリーは、やりきれない思いを抱えて全力疾走し、時空を超えるタイムリープするパワーに覚醒してしまう。
バットマンに「過去を変えると、時空連続体を破壊してしまう」と反対されながらも、幼い頃に亡くした母ノラと無実の罪を着せられた父ヘンリーを救うため、バリーは母が殺された日にタイムトラベルする。
しかし過去を変えてしまい、家族3人で幸せに暮らす18歳のもう一人のフラッシュ(エズラ・ミラー)がおり、スーパーマンもワンダーウーマンもアクアマンも存在しない世界にたどり着くバリー。
そしてかつてスーパーマンが倒したはずのゾッド将軍(マイケル・シャノン)が蘇り、ワールドエンジンで地球植民地化を進めようと破壊の限りを尽くす。
窮地に立たされた2人のフラッシュは、伝説のバットマン(マイケル・キートン)やスーパーマンのいとこであるスーパーガール(サッシャ・カジェ)らスーパーヒーローたちと共に世界破滅の危機に立ち向かい死闘を繰り広げる。
「ジャスティス・リーグ」の一員で最速のヒーロー、フラッシュを主人公にしたDCコミック最大の問題作「フラッシュポイント」を元にしたアメコミ・タイムリープ・アクション映画。

感想など

両親を殺された過去を犯罪と戦うことで変えようとするブルース・ウェイン/バットマンとスピードフォースでタイムリープして母が殺される過去を変えようとするバリー・アレン/フラッシュの似たような境遇だけど、違う選択をするヒーロー同士の師弟関係と、自分がしでかしてしまった時空連続体を変えた歪みをもうひとりのバリーやバットマンとゾッド将軍と戦い修正していく中でバリー・アレンが正しい選択をする成長物語が、ほろ苦くも泣ける。
冒頭のバットマンが、バットポッドでファルコーネの一味を追いながら戦うカーチェイスとフラッシュが崩落するゴッサムシティ病院から赤ちゃんや看護師を救出するハイスピードのスペクタクルアクション、フラッシュがスーパーガールをバットマンと救出するアクションシーン、クライマックスのふたりのフラッシュとバットマンとスーパーガールがゾッド将軍と立ち向かうクライマックスの超次元バトル、フラッシュがスピードフォースで動き回る爆速の鮮やかで異次元な描き方などバラエティに富んだカラフルな迫力満点のアクションがエキサイティング。
マルチバースの描き方が、MCUと差別化した多次元宇宙をより視覚的にアースが並列していたりぶつかり合う異次元の映像に、これまでのDCコミック映画を盛り込むアメコミ・ファンへのメタ的なくすぐりも交えて描いていて、ニヤリとさせられる。
マイケル・キートン版バットマンのもしもな続編の要素やバリーとノラの親子愛に心熱くさせられながら、隠キャなバリーと陽キャなバリーのコミカルな掛け合いや「バック・トウ・ザフューチャー」ネタなどユーモラスな味付けをしていて、フラッシュの頼れる先輩なベン・アフレックとマイケル・キートンが演じるかっこいいバットマンとサッシャ・カジェ演じる荒ぶるスーパーガールも魅力的なDCエクステンデッド・ユニバースの中ではエンタメにフルスイングしつつトマト缶で始まってトマト缶でシメるストーリーの語り口も絶妙なアメコミ・タイムリープ・アクション映画。
「解決出来ないこともある、諦めることが必要なこともある」
「過去の傷が、我々を作った」

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