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結婚する君へ、悪口だらけの祝福を贈ろう @saayoo345

「挙式中、お写真撮影は、ご遠慮ください。」

この言葉を聞いてしまったことが非常に残念である。

はるかな海を見渡せる真っ白な空間の中、目線を後ろに移し、見つめる先には重厚な木の扉。

「あぁ、いよいよこの日が」

そんな風に思いながら、私たちはいつもより少し、背筋を伸ばしていた。

挙式での花婿は案外あっさりと姿を現すものだけど、こちらに向かって一礼した彼は口角を少し上げ、いつもの余裕っぽい表情を見せていた。


後ろから聞こえる「あー、あれ緊張してるわ(笑)」という声。

一歩ずつ、一歩ずつ。本当はとんでもなく緊張しいなのが、隠しきれてないぞ。

歩き方がぎこちなさすぎて、その姿が泣けた。

ーーー


結婚式がハワイに決まったと伝えてくれた日から、事あるごとに「もし旅行がてら気が向いたらさ」なんて言っていた彼は、どう考えても来て欲しいんだろうオーラがダダ漏れでありました。


ノーテンキの破天荒に見えて、気遣いしまくりの気にしい。自分のわがままを通すヤツばっかりなわたしたちの中で、一番バランスを取ってくれてるのは彼なのだと、言わないけどみんな分かっている。


結果、「あいつのためなら行ってやるか」と、予約を取ったのは彼の幼なじみ、大学の同期、後輩。


それこそ、うち2人は2泊4日という強行すぎるスケジュール。その1人、俳優をやっている彼の親友は、帰国の翌日が本番というまず普通なら休みなんて取れない状態でも、普通に来た。


夜の恵比寿、めちゃめちゃ誘いたいくせに「あいつは予定が見えないもんな、無理だよな…」とボソボソお酒を飲むものだから「声だけでもかけてみたら?」と言ってみた。向こうだって、誘われないのは寂しがる。

送った5秒後、「なんとかして行く」という返事をゲットした時の嬉しそうな笑顔、私は忘れんぞ。


ただ、同じ地域に生まれ、同じ小学校で育った人。

学生時代、何やら気が立っていた私はやたらめったら友達と喧嘩をしていたという経歴を持っているのだが(いらん経歴)、彼との喧嘩はいまだに覚えている。

仲直りをさせようと友達が取り持ってくれたものの、なぜかちょっと遠いファミレスまで私が車を出すことになり、「今日の話し合いで俺とお前の関係が終わっても家までは絶対送れ」と上から言われたこと。「お前のパシリじゃないわ!」と死ぬほどカチンときたのは覚えているんだけど、どうしよう本当にくだらない。

わたしは、節目節目がすごく怖いタイプで、卒業とか就職とか、そういうものがあるとそれまでの友達の関係が全部リセットされてしまうような気がしてずっと、すごく怖かった。

仲良くなればなるほど、自分の中での大切さが増えていって、その時間がなくなるのが怖くて。


でも今は思う。大人は終わりがないから、とても良い。

毎日毎日は会わなくなっても、1年に1度でも、続いていくのだ。

一人ひとりが大切にするものをだんだんと見つけていって、時に寂しいと感じることもそりゃああるのだけど、それは終わりじゃない。

どんどん広がっていくのだ。


普段は絶対に言わない。
でも、今日だけは言う。

あなたの普通に人としてダメなところと、偏っててもまっすぐで尊いところ

全部ひっくるめて、出会えてよかった。

きっとこれから、しょうもない思い出だけが増えていくような気がするけど、いつか遠い先、お葬式に出る頃には笑い泣きしながら見送るのだと思う。


その時にまたきっと言う。
「出会えてよかった」、と。


結婚、おめでとう。

ーーー

友達が結婚するって、少し寂しくないですか?(突然の)

私はね、すごくすごく嬉しい反面、ものすごく寂しいんです。もうこれは女友達だろうが男友達だろうが、関係ない。

携帯の容量がオーバーしてしまい、その原因であるものすごい量の動画を整理しようと思っていたら逆に見入ってしまった今日の私。

特に去年行ったハワイの動画。せっかくなら編集してプレゼントでもしようかなと思うくらい、なんだかアホすぎて泣けてきました。

それは、大学時代に付き合い始めて12年、誰もが「ついに腹括ったか!」と祝福した2人の結婚式。

私には小学校が同じでいまだに仲の良い友達がいて、そのグループの名を浦安マウスと呼びますが(昨日のmixiの自己紹介にもこっそりでています。由来は聞かないでください)(木更津キャッツアイです)(言った)

その中の一人、けんけん。

大の酒好き、大の人好き。飲みすぎると顔がパンパンになってしまうので「あれ?」ってなりがちですが、なかなかのイケメンです。

「だれがオーランド・ブルームだ!」って、じゃかあしい。

ちょうどよいチャラさが気遣いと相まって、出会った人はほぼほぼ彼のことを好きになる。

自分の身内を死ぬほど大事にする、熱い男。一番の飲み仲間です。


もはや結婚式は口実とばかりに、ハワイ到着後、とにかく飲み、飲み、飲んでいた私たち。毎晩飲んでいた時期もあったけど、忙しくなるとなかなか会えなくなったりしてね。(ここぞとばかりに、「もうしばらく会わなくていいや」くらいには飲んだ。)

多分、ハワイの無駄遣い。

他にやることないのか。

そして大体、飲んでいる時はオリジナル版タケノコニョッキをやっている。


結婚式には全員でアロハを着て参列。最初はめんどくさいと思ったけど、海と空に映えてやはりとてもいいね。ハワイで結婚式、良い。

浮かれて写真を撮っているが、この時誰もこのあと向かう会場を知らない。

すごく浮かれているが、この5秒後に「"今"が集合時間」ということに気がつく。浮かれすぎ。

この時ばかりは、寂しさとか吹っ飛んだ。また誰かやってくれ! と本気で思う。

挙式後はこんな感じのテーブルで食事。 めちゃめちゃスピーチの言葉を考えていたのに、なぜか突然アドリブで小学生の頃のエロ本の話を出してしまい、新婦親族に盛大に引かれた男。(左)

と思っていたら、まさかこの中から夫婦が生まれるという、誰が予想していたのかおもろすぎる物語が続く。

来春、再びのハワイ決定。(え)

ちなみに

うっかり背景を間違えると途端に熱海感が出ますので、今度は気をつけましょうね。

場末感。

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柴 田 佐 世 子
Twitter :: https://twitter.com/saayoo345

過去記事 :: あたしのmixiは、大体地元の友達との話ばっかよ。

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