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感情や空気は、伝染する

最近、Netflixで「ハル~総合商社の女」を見始めました。2019年にテレビ東京系で放映されていたドラマです。私は、池井戸潤、真山仁などのビジネスマンを題材にした書籍や作品は好きでよく読んだり視聴したりしています。まだ2話しか視聴していませんが、すこし琴線に触れたので感じたことを整理したいと思います。

物語の概要

大企業病の商社に、海外で実績上げていたキャリアウーマンが外部からやってきて、周りを巻き込みながら組織に風穴をあけていく話です。主人公のハルは、総合商社の五木商事の社長からのオファーをうけて、経営企画部の部長補佐として入社することになります。経営企画部は、各事業部が進めている事業や提案を精査する監査的な役割を担っています。もちろん他の業務もあると思いますが、物語ではこの部分の役割にフォーカスしています。ハルは、事業性を検証をする中で、役割や権限を超えて事業部の社員を巻き込んで、事業プランを見直しながら道筋を作りビジネスとして昇華させていきます。水戸黄門のように、話の結末が分かりつつ、安心してみれるお話です!

感情表現が伝わる

どこが琴線ポイントかと言うと、感情を動かすメッセージです。
想いや気持ちを伝えることは難しいです。正直、言葉だけでは伝わらないニュアンスのものも多いです。芝居や音楽、表情など、色々な要素を媒介に表現されると考えています。組織は、人を動かしてなんぼですが、理屈だけでは、役割を超えて働いてもらうことはできません。それを実現するには、強い想いと行動力が必要です。その気持ちが、少しづつ周りの人間に伝染して、利害を超えて協力してくれる人が出てきます。良くも悪くも社会化されてしまった社員が、個別化や主体的根源性を取り戻していく、そうした人の感情の変化と壁を乗り越えていくシーンが、とても気持ちが良かったのだと思います。あるシーンで、なかなかお会いして頂けない取引先のトップに、手書きで手紙を書き続けるシーンがあります。これってトップマネジメントにアプローチする、あるあるですよね。そしてお会いする機会を頂いても、もちろん協力を断られる。そうすると主人公のハルは、「一度断られて諦められる案件なら、そもそも会長にお会いにあがりません」と言います。いいコトを言うんです。機会があったら言ってみたいわ・・覚えておこう(笑)

空気が変わる瞬間

話は変わりますが、昔コンサルとして大手企業である組織風土改革のプロジェクトを進めていた時の話です。定例会議にはクライアントから10名くらい参加していますが、発言するのはいつも上位の2名程度、他の8名は発言をしません。上司に忖度するような雰囲気がありつつも、上司がいないと会議もすこし緩んだ空気になります。あまり良い空気ではありませんでした。
組織改革は、そこに横たわる空気にアプローチする必要があります。空気が悪い理由は、さまざまですが、変化に必要なポイントが一つあります。それは、やる気と行動力のある社員の存在です。彼らは、自燃人です。自らを焚きつけて行動に進みます。彼らの熱量は、少しづつ他の人に飛び火していきます。そして空気が変わっていきます。組織論の2・6・2の法則と同じです。できる人を活用するのが重要なのです。この案件も、自然人を軸に動いていきました。

組織論2・6・2の法則
組織の20%は、できる人
組織の60%は、普通の人
組織の20%は、物足りない人

最後に

私は、経営計画部に居たことがあります。業務改善について上司にある提案をした時に、それは他の部署(マーケティングと営業部)の話だから難しいと言われたことがあり、仕事を進めることが出来ませんでした。私に熱意も理論も足りなかったのかもしれません。でも、それを受けて私はマーケティング部に異動することを決意しました(笑)。異動した先では、慣れない仕事ばかりで大変でしたが、人間関係を構築していく中で、経営企画部で、断念した仕事をできるようになりました。正直、自分が「自然人」だったとは思いません。人に頼ることも多々ありました。ただどんな時も常に「一緒にがんばろう」という言葉かけと意識を大切にしていました。
正直言うと、これは当時の上司に言って欲しかった言葉です。

仕事も気持ちを伝えることが、空気を変えるきっかけになると、当時実感しました。最後までお読みくださりありがとうございました。





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