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メリットよりもベネフィット

マーケティングでは、似て非なるものとして「メリット」「ベネフィット」の言葉がよく使われます。マーケティングでは「ベネフィット」を訴求することが重要です。これは、コピーライティングをするうえで大切な視点になるからです。

メリットとベネフィットのちがい

「メリット」とは、商品のウリ、特徴です。
例えば、保湿・美肌効果に優れた無添加の素材を使用などです。

「ベネフィット」とは、商品から得られる良い効果、体験を指します。
例えば、上記の化粧品を使用して、「自信が持てるようになり外出が増えた」「職場で褒められる」などです。

ベネフィット訴求のキャッチコピー事例

これは、化粧企業のキャッチコピーが良く分かりやすいので、いくつかの例を紹介します。

いい表情で、いい夫婦。(資生堂 表情プロジェクト)
マンネリは、こまめに壊す。(資生堂 インテグレートCM)
翼はなくとも、私は、飛び立てる。(ポーラ リクルートフォーラム)
大きな瞳が、新しい景色を連れてくる。(資生堂 マジョリカマジョルカ)
生き方が、これからの顔になる。( 資生堂インテグレート )
もっと自由に生きてみる。もっと自分を好きになる。( KOSE)

なんとなく、その化粧品を使うことで、変化や情景が浮かフレーズではないでしょうか?

ウォンツからニーズを探る

こういったコピーを検討するためには、ウォンツ(WANTS)からニーズ(NEEDS)を探ることが必要なプロセスです。
白髪が気になるので、髪を染めたいという人がいたとします。
マーケティング用語においてニーズ(NEEDS)とは、「欲求が満たされていない状態」のことです。たとえば、「白髪が気になる」という人の場合、「髪を染めたい」行動がウォンツになります。
ニーズは次の2つに分類できます。
・顕在ニーズ
・潜在ニーズ
顕在ニーズは「自分自身で気づいているニーズ」を意味します。

先ほどの美容の例でいうと「白髪を隠す」が該当します。顕在ニーズは顧客自身も言語化できていることが多いので、企業からも察知しやすいのが特徴です。
潜在ニーズは「自分自身が気づけていないニーズ」を意味します。
例えば、「白髪が気なる」背景には、「白髪を気にしたくない」といった状態が考えられます。もう少し掘り下げると「ヒトの目が気にしたくない」「疲れているように見える」「時間がもったいない」などのニーズもあるかもしれません。もちろんこのような潜在ニーズがある人に「では、そろそろ髪を染めませんか?」と提案すると、前向きに検討してもらえる可能性があります。しかし、顕在ニーズを把握するだけでは、「結局、何を提供すれば満足できるか」を察することはできません。もし「白髪を気にする生活から解放されたい」が潜在ニーズであるならば、グレイヘア※を提案した場合、顧客の期待を超えて満足してもらうことができるかもしれません。
顕在ニーズや、ウォンツに沿って商品やサービスを提供するだけでは、消費者のニーズを満たせるとは限りません。顧客が納得する商品やサービスを提案する際は、ウォンツから潜在ニーズを探る方法を知っておくことが大切だと思います。

グレイヘアは、白髪の状態に合わせたスタイル作りを · 白髪の束をあえて染めずに、軽やかさを出すヘアマニキュアで染めて軽やかさをだす

ベネフィットを探求するには

手段である「ウォンツ」から、「なぜ欲しいのか?」と「なぜ)を繰り返して問うことで探していきます。そうすることで潜在的ニーズを仮説として、ベネフィットを訴求する、キーワードを作ることができます。

潜在ニーズには、顧客の信頼を得る要素の「顧客理解」「アドバイス・付加価値」を考えるヒントがあります。別の「顧客満足を高めるためには?」の記事も書いていますので、興味のある方はご覧くだされば幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました!



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