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北欧家具と最近のこと。vol.24

雪♪

私事ですが、今朝早く母親から連絡があり、姉が無事第二子を出産したとの報せを受けました。
本日3月29日、朝のことです。

気の塞ぐようなニュースばかりが続く中、これ以上ない幸せな報せに、また一緒に送られてきた小さな小さな赤ちゃんの写真には、身も心も温まるような気がしてくる。雪だけど。(今日はほんと寒いですね~)

でも

「今度抱っこしてあげてね」という姉からのメールには

今この時に、赤ちゃんに会っていいのだろうかと、やはり警戒してしまう。

会ってあげたいけど、すぐには会ってあげられないだろうな、と思ってしまう。

きっと今、日本だけでなく世界中に、そういう人たち、「会いたい人に会えない、大切な人に会えない、人と会うことに躊躇してしまう」 そんな人たちが、いっぱいいるんだろうな、と思い巡らせてしまって

改めて、普段の何気ない生活が、何よりも尊いものなんだなー、と思い知らされている。

ま、塞いでいても仕方がないので今は、会える日をその時まで楽しみにとっておこう、と思います。

最近の仕事のこと

ここのところきちんと日記をつけていなかった。

~2月中旬頃から3月にかけてメンテナンスを進めた家具たち~

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アームチェア(SOLD) / ダイニングテーブル
ダイニングテーブル(SOLD) / シェルフ(SOLD)
サイドボード / ダイニングチェア4脚
ブックシェルフ / チェスト
キャビネット / ダイニングチェア2脚(ウェブサイト掲載前にSOLD)

計10種類のアイテムを新しく仕上げました。


その中でも今一番のお気に入りがこちら

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1960年代頃のデンマーク製チェスト◎
木目美しいローズウッド材を使用したとても上質な一台です。

細部に施された全ての意匠も、一つ一つが丁寧でいて美しいのだけれども
決して主張しすぎずに、全ては材の美しさを際立たせるためだけにそこに存在しているかのような

作り手の、またデンマークデザインが持つ”思慮深さ”や”矜持”といったものが伝わってくるような一台だと感じています。

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、、ただ一点、これは私の至らなかった点なのですが、抽斗把手にもともと破損があり、それに事前に気付くことが出来ませんでした。

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↑上から2段目の向かって左側の把手なのですが。。

仕入時やメンテナンス前には必ず、ある程度どういう状態で、どういう修理が必要になるのか、事前に確認をしておくのですが、完璧に見落としていました。(反省)

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把手の先端部が欠け落ちています、、こうして注視すれば気づくのですが、案外ぱっと見ても気がつかないものでして。

(写真は少し材色が淡いですが、これは木部を洗浄後、研磨前に乾かしている状態だから。ここからサンディングを施しオイルを入れてあげると、深く濡れ色へと変化していきます。)

この、家具を洗浄している段になってようやく
目で見ていたのに気づかなかったことを、手が、指が知らせてくれました。

人の手の感覚というものは、思っている以上に精確で、何よりも頼りになる存在です。

*****

古い家具、どこまで修理をするべきか
これは修理を施す人によって考え方は違うと思うのですが

今回は抽斗把手、という”家具を使用する”上で動作の要になる大切なパーツ

美観の点でももちろん大切なのでしょうが、それ以上に欠け落ちているこの「掴みづらい」状態のままでは販売したくない。

ということで↓成型し直しました

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まぁまぁ、まずまず綺麗に出来たかな~と。

今回は特に強度が必要な部材ですので、把手裏側の目につかない部分を彫りこんで接着面を確保してから材を圧着。その後削りをかけて形を整え、少し染色をしました。(染色していることで色艶の違いも少し判別出来るとは思います)

まだまだ反省する点、改善できる点もあると思いますが、自分に出来ることは全てを注ぎました◎

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並行して、3月中旬頃に持ち込み家具の修理依頼を頂きました。

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デンマークのデザイナー、オーレ・ヴァンシャーによるダイニングチェア。

1970年代初頭に製造されたもののようなのですが、こちらはその当時にお客様のご両親が日本国内で購入し使用してきたものを最近引き継いだのだそうです。

今回はかなり急な依頼でしたので、とりあえず2脚をお預かりして
脚部にグラつきがあったため、解体出来る箇所を解体して修理を進めていきました。

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接着剤の残り方から、既に以前にも修理をされていることが窺えました。

可能な限り丁寧に古い接着剤を除去していきます。

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こんな感じ。
このあと再度接着剤を充て、圧着をしていくのですが

今回注目すべきはやはりこのギザギザの仕口の組み方ですね。

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フィンガージョイントとか言ったりするのですが

この技法で継いでいる椅子も少なくはないのですが、その多くは意匠として取り入れているだけのケースも多く
実際解体してみると内部には木栓が挿し込まれていてダボ継ぎされているものを多く見かけます。

しかし見て判る通り、こちらはダボ継ぎなどはなく、仕口面だけで接着をするという仕上げ。
幾分デリケートではありますが、製造技術の高さ、丁寧な造りの良さを窺い知ることが出来ました。

圧着後、細かな調整なども経て、合間合間の作業のため少し時間もかかりましたがお預かりしてからおよそ1週間くらいで完成し、引き渡しを済ませております。

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そして今また追加で2脚、お預かりしています。。
今回はさらに骨が折れる作業に苦戦していますが、、もうすぐ終わりますので今しばらくお待ちくださいm(__)m

持ち込み家具の修理

と、まあそんな感じで持ち込み家具の修理も行っているのですが

実はまだお店のウェブサイトの方では正式に「持ち込み家具の修理」のご案内を一切しておりません。

それでも今回のお客様から最初に頂いたお電話で

「ウェブサイトを見て家具修理をしているって書いてあったので~」

とご相談を頂きました。

(まだこのnoteで書いている日記でしか、持ちこみ家具の修理のことは書いてないんだよな~)

と思い

(あ、この日記、読んでくれているんだな~)

と、知ることが出来て少し嬉しかったです◎

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そして、お店のウェブサイトの方でも現在「持ち込み家具の修理」について案内するウェブページの準備を進めているところでして、おそらく4月初旬頃にはリリース出来るかと思います。

整いましたらまたこちらでもご案内しますので、宜しくお願い致します。

引き続き、自粛要請を受けて

本日も東京都の不用不急の外出自粛要請を受けて休業しています。@2日目

休業していますがお店にて作業をしつつ、週明け以降どう対応していくかについて考えました。(現在も尚検討しているところですが)

今大切なことは、感染拡大の要因を極力減らすこと。
そしてそれを実現させるための社会秩序の維持。

ぼんやりと、そう受け止めています。

そう考えたから、例え町の外れにある小さなお店ではあっても、遵守したいと思い至り
今回、一先ず臨時休業として週末を対応いたしました。

で、考えている今後の対応についてですが

引き続き同程度の『外出自粛要請』であるのであれば明日から、また来週末は営業をしたいと考えています。

ただ、この先二転三転していくであろう状況に注意を払いながら
もしかするとどこかのタイミングで、事前にご来店を予約頂くような『アポイントメント制』での営業という形をとらせて頂くかもしれません。

今後の詳しい対応についてはその都度お店のウェブサイトTwitterにてお知らせいたしますので、ご不便をおかけいたしますがご理解いただけますようお願い申し上げます。