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ちょっとした教養の足しに。ヤーコプ・ブルクハルト「世界史的考察」(ちくま学芸文庫)より。その1

歴史哲学は半人半馬(ケンタウロス)の怪物であり、形容の矛盾である。というのも、歴史とはすなわち、事柄を同格に論じることであって、これは非哲学であり、
哲学とはすなわち、一概念の他概念への従属化であって、これは非歴史であるから。

歴史考察に従事する人は誰であれ、同時に自分も辿ってゆく精神的生の歩みでもあるような、自分の歩みで巨大なテーマに近づき、それからこの歩み方を基に自分の方法を構築するがよい。

一切の精神的な事柄は、それがどんな分野において知覚されるにせよ、歴史的側面を持っており、この側面から見るとき、この精神的な事柄は変化するものとして、制約されたものとして現れ、また、束の間のものでありながら、しかも我々には計り知ることの出来ない、大きな全体の中へ組み入れられている動因(モメント)として現れるというものである。
そしてもう一つの基本方向においては、一切の出来事は精神的側面を持っており、この側面から見るとき、一切の出来事は永遠不滅の性質を分かち持っているのである。

精神は休みなく働き続けるモグラのようなものであり、さらに働き続けてゆく。無論これらの生活形式(絶対的な権力を持った国家)は変化することに抵抗する。だがどのみち、革命によるのであれ、漸次的腐敗によるのであれ、破滅はやってくる。こうしている間にも精神は新しいものを築き上げるが、その外側を覆う容器は時と共に同じ運命を辿ることになるのである。

ブルクハルト爺ちゃんも好きです。歴史と文化と国家と宗教と天才性を動的に捉えようとしていた方。ショーペンハウアー、ニーチェと同時代人。ニーチェもこの人のことは認めていた。

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わ〜い!😄