見出し画像

レノファなスタジアムの話(19)レノファ版スタつく⑥周南市編(※一部追記あり)

(トップ画像は周南市クリエイティブ産業創出プロジェクトからお借りしました)

先日、「このシリーズはいつまで続くのか」というお問合せが個人的にありましたが、もうちょっとだけ続けます(笑)。

というわけで、次は山口市・防府市の東隣、周南市です。
前回までの記事はこちら。

周南市について

周南市中心部の航空写真(2004年)。
国土地理院の空中写真(https://mapps.gsi.go.jp/)をトリミング。

周南市は人口約13万7千人。
いわゆる「平成の大合併」で当時の徳山市・新南陽市・熊毛郡熊毛町・都濃郡鹿野町が合併して出来た市です。
山口県は都市の構造として、いわゆる「大都市」というものが存在せず、人口10万人規模の都市が各地に点在しているという特徴を持っているのですが、周南市はその中でも県東部で最も規模の大きい都市となっています。
(県全体で見ると、下関市・山口市・宇部市に次ぐ規模)
また、隣接する下松市・光市と合わせて、下関市に匹敵する人口約24万人の都市圏(周南広域都市圏)を形成しています。

宇部市同様に重化学工業で栄えた街で、トクヤマ・東ソーという2大化学メーカーの創業地(トクヤマは現在も本店所在地)であるとともに、石油大手の出光興産が最初に製油所を構えた土地でもあります。

市内では、特に徳山地区で近鉄松下百貨店の閉店など市中心部の経済的地盤沈下に悩まされており(近鉄松下百貨店の跡地には「徳山デッキ」という複合施設ができるようですね)、スタジアムを市街地活性化のためのツールとして使うというのはアリなのかな、とは思えるところです。

候補地その1/工場跡地

先ほども言いましたが、周南市は複数の化学メーカーの工場で栄えたというところがあるのですが、工場の閉鎖や規模縮小などもあり、割とまとまった土地が見つかりやすいというのがあります。

中でも目立つのが、徳山駅の一つ東隣、櫛ヶ浜駅前に広がる帝人徳山事業所の跡地。上の写真で言うと右下のあたりになります。
2014年に事業所の閉鎖を発表し、2017年に事業所が完全閉鎖されてから、6年近く空き地のままなんですよねぇ。

帝人徳山事業所の航空写真(2008年)。右上に櫛ヶ浜駅。
国土地理院の空中写真(https://mapps.gsi.go.jp/)をトリミング。

周南市役所の「まちづくり提言」によれば、令和3年9月の時点で土地の所有者はまだ帝人のままで、「活用に向けた作業等が順次進められているところ」らしいのですが、目に見えた動きはなし。

帝人って、比較的サッカーに理解のある企業だと思っているので(松山にサッカー部を持っていたり、全国高校サッカー選手権のスポンサーだったりしますし)、ここで企業を巻き込んでサッカースタジアムを…というのは割と現実的な話だと思うんですけどねぇ。


(2023/04/19 18:30追記)地元の方からの情報によれば、帝人跡地は売却先が決まったとの話があるようです。ただし報道等では確認できず…



あと、最近の話で言えば、野村南町(新南陽駅からほど近く)の日鉄ステンレス山口事業所(旧・日新製鋼)が設備規模を縮小するという話があるので、生じた遊休地の活用方法として…って話も考えられると思います。
※もっとも、日鉄ステンレスの場合、他の事業所の生産工程を山口事業所に集約するって話も並行しているので、サッカースタジアムほどの遊休地が生じない可能性もあるのですが…

候補地その2/周南緑地

周南市でもう一つ考えられるとすれば、徳山の周南緑地公園の再整備を行なって、スタジアムを作ってしまうこと。
ここの公園、元々は公害防止事業団により整備された緩衝緑地なんだそうで、敷地面積も79.6haと広大(維新公園は43.5haで、その1.8倍)ならば、運動施設も多種多様に揃っています。
キリンビバレッジ周南スポーツセンターや津田恒実メモリアルスタジアム(周南市野球場)もこの公園内の施設ですね。

周南緑地の航空写真(2008年)。右下の土グラウンドがサッカー場。
国土地理院の空中写真(https://mapps.gsi.go.jp/)をトリミング。

スポーツセンター(体育館)の南側には既にサッカー場と補助サッカー場があるので(どちらも現在は土のグラウンドで観客席なし)、ここを再整備すれば、そこまで費用をかけずに、有料試合のできるスタジアムを整備することができるのではないかと思います。

J1基準が理想ですけど、仮にJ3基準の5000人規模のスタジアムでも、サッカーの強豪でもある周南公立大学などもあるので、十分利活用は可能だろうと思っています。
櫛ヶ浜駅から徒歩圏内なので、アクセスもさほど悪くありません。


(2023/04/19 18:30追記)地元の方からの情報で教えていただいたのですが、周南市では周南緑地のPFI事業を検討中とのことで、この中でサッカー場については人工芝化を含めた改修事業が計画されているとのことです。

ただ、サッカー場は人工芝で(メンテナンス性を考えるとしょうがないのかも知れませんが)、観客席が80席ほど。
「見るスポーツ」「見せるスポーツ」は想定していないんですかねぇ…


ネックがあるとすれば

ということで、周南市って実はスタジアム建設に適していそうな土地はあちこちにある市、関係者が本気になれば実は一番動き出しやすいのではないかとも思うのですが、レノファとして考えた場合、今まで主たる活動拠点としていた県中央部からは少し離れてしまうのがネックではあるんですよね。

有志が徳山駅でパブリックビューイングをやったり、かなりサポーターの熱量の高い地域ではあるのですけど、現在みらスタに集う人の多い山口とか宇部とかスタジアムに行くとなるとちょっと距離があるかな、と。
もっとも、周南PVをやったときも山口やら防府あたりからそれなりの人が集まっているのを見ましたし、ホームタウンが全県に散らばっていることを考えれば、拠点の一つとして考えるのは全然ありではないかと思います。

というわけで、今回はここまで。
次回はまた話題がちょっと変わるかも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?