レノファなスタジアムの話(13)レノファ版スタつく①維新公園編
そういうわけで、ここまで維新みらいふスタジアム(みらスタ)のメリットとデメリット、最近のスタジアム整備の動向などを書いてきましたが、改めて整理してみましょう。
ざっくり書くとこんな所かな、と思います。
その上で、最近では最初から「見る(見せる)スポーツのため」を目的とした施設整備が始まっていますよ、という話もしてきました。
で、今のみらスタのデメリット(というか問題点)を解消しようと考えた場合、「既存の施設を改修する」か「全く新しい施設を作る」のどちらかになろうかと思うのですが、まず「既存の施設を改修する」事を考えてみます。
とはいえ、みらスタは2011年完成の競技場。
競技場としてはまだまだ新しい部類に入ります。
これに今更手を加えるのは、正直に言って、非常に現実的ではない。
というわけで、維新公園内の既存施設をどうにか出来ないかということを考えてみます。
一番手をつけられそうな(というか、一番思いつきそうな)のが、維新公園サッカーラグビー場の改修でしょうか。
1470席収容のメインスタンドを備え、有料試合にも対応している施設なので、スタンドを建設できれば球技専用スタジアムとして使えるようになるかもしれない、というところでしょうか。
ただ、同じ維新公園内の施設なので、街中スタジアムであることやアクセスなどの利便性は維持されるものの、駐車場問題がクリアになるわけでもなく「今抱えている問題」の抜本的解消策になるわけではないのですよね。
もう一つの問題として、都市公園法の規定の問題があります。
駐車場の回で触れた「公園内の建築物の面積を敷地面積の2%以内にしろ」というやつです。
これ、運動施設に関する建築物に関しては県の条例(山口県都市公園条例)で例外的に2%以上とすることができるのですが、その割合も100分の10、すなわち敷地面積の10%以内と決まっています。
加えて都市公園法では(芝生など建築物でないものを含めた)運動施設の総面積の上限が100分の50(50%)と決まっています。
維新公園はいずれも現状でほぼ上限ギリギリだと言われています。
2011年、維新公園を主会場に国体を開催した際、陸上競技場(みらスタ)を開閉会式会場とする為に3万人収容にする必要があったのですが(以前書きましたね)、この時はどうやらバックスタンドの後方に仮設席を造って一時的に収容人員を増やしたらしいのですよね(具体的な資料が見つからないのですが、当時の写真等で判断する限りそうなっているようです)。
バックスタンドが非常に小ぶりなのもある意味納得というか。
仮設構造物の設置は都市公園法や都市公園条例の規定で例外的に認められているので、どうもこれを適用したようですね。
サッカースタジアムではないですが、楽天イーグルスの本拠地・楽天モバイルパーク宮城(宮城球場)も、一時この手法を使って観客席を増やしたことがあったようです。
あと、みらスタのメインスタンドは陸上競技場にしてはかなりの急勾配になっている(おかげでサッカーなどが割と見やすい構造になっています)のですが、これもメインスタンドの収容人員を増やしつつ建物面積を最小にするための苦肉の策の賜物だと言われています。
というわけで、単純にスタンド増築というわけにはいかなそうな気もしますが、ウルトラCがあるとすれば、老朽化の進んだ施設(維新大晃アリーナなど)を別の場所に移して公園内の建築可能面積を稼いで、その分を利用してスタンドを増設するという手法が考えられそうです。
ただ、維新大晃アリーナは去年から今年にかけて空調設備の更新を行なっていますし、県としてはしばらくはこのまま使い続けそうな気がするんですよねぇ…と考えると、なかなかこっち方面も厳しいかな、と。
他の施設を潰して移転させて…というのも、それぞれ利用団体のいる話ですし、何よりもそれによって捻り出される建築面積がわずかですので、劇的な変化が望めるかと言えばそうではなく。(そもそも、そういう土地が生まれたら、まず駐車場を増やす可能性が高そうですし)
といったことをトータルで考えると「維新公園内にスタジアムを新築・増築するのはかなり難しい」と言わざるを得ないんですよねぇ…
とはいうものの、レノファというプロサッカークラブがJリーグに参入したはや数年、見る為の施設に乏しいというのはちと寂しい。
故の小山会長のあのツイートに繋がっているのではないかとも想う次第です。
というわけで、次回からは「維新公園と別の場所にスタジアムを作るとしたら」という話で続けて行きたいと思います。
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