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ここがタメになった「世界で一番住みたい 島 崎山克彦」1/①

フィリピンの離島 カオハガン島に住みながら宿泊施設を運営し、 島民たちと文字通り 国づくりをする話です。

主に自然の美しさを称えた紀行文を添えた写真集となっています。自然の写真がすごくきれいでした。
著者はホテルのオーナーでしかないのですが、この島とそこに生きる人たちがとても好きなので環境破壊しすぎないよう新しい産業を試行錯誤したり島民用の保険制度を作ったり子供達の進学の手伝いをしています。仕方なく世話をしているのではなく「させてもらっている」と言います。島の人たちが平和に穏やかに過ごすことで自分も仕事ができ幸せに過ごせるからです。 現在の日本に必要な温かい考え方だと思いました。
 
~~以降は内容説明~~
会員制の宿泊施設 カオハガンアイランドクラブを発足してお客を少数に絞っています。顧客は出版した本を読んで申し込みしてくることが多いため気が合うことも多いそうです。

ダイナマイトを使った漁が始まったら魚が減り、すみかとなるサンゴも壊れてしまいました。島民たちに魚の保護のために使用禁止を呼びかけたら意外と反対が少なく保護活動が始まりました。
島民たちは薬や医療や栄養が足らないため NGOを発足して健康を向上させ続けています。

この島は強い権力者に支配されたことがありません。島民たちが昔ながらのライフスタイルで生きています。みんな同じはずなのに、人間の間に差が出て村長が選ばれます。能力というよりも少しの機転及び勤勉さで選ばれています。
現職の村長は 村ぐるみの貿易を取り仕切る難しい仕事をしていますが、村を発展させるほどの目覚ましい功績は出せていません。やはり能力以外が上に立つ決め手になっています。

島の大人たちはほぼ 学校に行っていなく、そのため勉強ができる子供がいてもどうしたら良いかわからないので著者が学校を紹介し、住む手はずを整え奨学金制度の手続きをします。


島民は食事にあまり関心がなく、手に入る物をシンプルに煮炊きして食べているだけです。そのため ホテルで宿泊客に出すのはフィリピン料理です。それでも新鮮な魚介類が取れるのでお客さんに出し現地の美味しさを感じてもらっています。


手作りで模様をきれいに入れたキルト作りが盛んです。芸術品として認識されていて現金収入を得るために女性の仕事として定着しています。今では島の収入の2割以上を占めています。
基礎的な技術や知識のない島民が作るためデザインの完成度が低いのですが 暖かみがあるとされて海外のキルト展覧会でも人気でした。


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