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ここがタメになった「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」6/⑥

人類は10万年かけて急速に文明を発展させて人口増加していきました。
分業による専門化で効率が上がり科学が進んで いきます。世界中で人類がお互いに依存しあうほうが発展が速いです。自給自足する方向に社会が向かうと効率が落ちて社会全体が少しずつ衰退していきます。古代国家などは都市ごと崩壊していきました。

著者は経済が科学を発達させたと考えています。なぜそう考えたのかをこの本で説明しています。ビルゲイツおすすめ本に選ばれました。
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アフリカでは電線の盗難が普通にあるため、電話が引けませんでした。そもそも土地が広すぎて線を引くコストが莫大にかかります。携帯電話はアンテナを建てると広範囲をカバーできるので大陸向けです。
アフリカの場合は携帯電話が商売の発達をうながすほど影響が出ていて面白かったです。

マラリアはいまだに撲滅できない病気で、撲滅できれば人の住める面積が大幅に広がるとされています。ビルゲイツ財団がマラリアの原因となる蚊を退治する研究をしていて有名です。人ではなく環境の方を変えることで問題を解決しようとしているわけです。
逆に著者はわざわざ自然環境を変えるよりは別の方法でマラリアを回避するべきとしていました。
どちらが良い悪いではなく、解決にかかるコストの問題に行きつくようです。最後はカネが物を言うのはロマンがなくてちょっとさみしくなりました。

繁栄という本は人類がなぜここまで発展したのかを探る目的で書かれています。どこの地域でも人類は経済性を重視して損得勘定を考えながら生きてきたから繁栄できたという意見でした。
病気の解決方法すらもコストを常に気にして選択しているのを見ると、正しいのかもしれないです。
漁師がとった魚を腐らせないような商売の仕組みを発明することで売る側も買う側も得をする事例を見ると、こうして産業が発展して不毛な地域が豊かになれば人口が増えて繁栄していくのも納得できます。


~~以降は内容説明~~

アフリカでは通信手段が今までほとんどなく、商売をしようにも通信がないことによるロスがあまりにも大きかったです。そのため商売人もお客も全員損をすることが多かったです。
携帯電話が登場して連絡を取り合い、欲しい客に的確に商品を渡すということができるようになりました。漁港に魚を集めて売る場合だと腐る前に取引が片付き、ロスが減るため産業が永続的に続きます。

銀行がなかったのでアフリカでは決済自体が難しかったのですが携帯の回線網の発達により決済ができるようになり商売がしやすくなりました。

このように科学により以前は採算が取れなかった商売が成り立つようになってきました。

温暖化によりマラリアは広く分布するようになると言われています。その予想に反して、この100年でマラリアの分布が狭まってしまいました。家畜が夜間には屋内で過ごすことで蚊から守られるからです。科学の発達により湿地を干上がらせることでマラリアが発生しにくくなりました。過去にマラリアが急激に蔓延したのは、人や住居が移動したことで病気を広めたためであり、気候のせいではありませんでした。本来マラリアが少ない高地であっても人の移動により増えることもありました。

これらから考えると気候を安定させてマラリア対策をするというのは、資金がかかる割に効果が薄いと言われています。
それよりも医療もしくは栄養不足対策に資金を投入する方が何倍も効果が大きいと言われています。


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