パワハラは相談できない、相談しても解決しない、話を聞くだけ、見守るしかない

甥が退職した。職場でパワハラを受けていたらしい。
次の仕事は見つけているから心配しないでと連絡があった。
辛かっただろうな、私はただ話を聞くだけにした。見守るしかない。

なぜパワハラは相談できないのか。
そもそも気軽に家族や友人に相談できる内容ではないし、相談しても解決しない。またパワハラを受けているなんてカッコ悪くて言えない、心配かけられないと考える。
だから、自分で次の仕事を見つけてから退職するというメドがついてから、報告したのだろう。

「お前は使えない」「駄目な奴だ」「仕事ができない」といった言葉を毎日かけられていると、だんだん自分がダメな人間に思えてくる。自分に非があるのだと思ってしまい、パワハラを我慢する。パワハラのターゲットになる人は、真面目に仕事に取り組んでいる人が多いので、自分を変えて仕事を頑張ろうとする。だが、そもそもパワハラは、その人云々ではなく、嫌がらせなので、仕事を頑張ったところで解決しない。逆に、上司は「怒鳴れば言うことを聞く」と思い込んで、業務上の適正な範囲の指導をしてるのだと、ますますひどくなるケースもある。そうやって我慢してしまうと状況は悪化する。

私もひどいパワハラの渦中にいた際は、おかしいと思いつつも私自身にも非があるかもしれないと、怒られないようもっと仕事を頑張ろうとした。ただ段々、仕事で結果を出しても、状況は変わらないので、これはパワハラだなと考えるようになった。
月曜日会社に行くのが嫌だなと思いながら、日曜日夜眠れず、ネットでパワハラを検索したら、「肉体的な攻撃・精神的な攻撃・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害」がパワハラであると、全部あてはまっていた。ただ、その事実に気づいてからも、誰にも相談しなかったし、自分自身を守る行動を起こしたの大分後になってからだった。

もし身内や親しい友人からパワハラを受けていることを相談されたら、ただしっかりと耳を傾けてあげてほしい。間違っても「思い込みじゃない?」「みんな我慢してる」などと否定的に突き放してはいけない。また、そんなにつらいなら辞めたらいいとも言って欲しくない。この人は何も分かっていないと思ってしまう。それが正論なのかもしれないが、この先どうしたらいいのか不安で切羽詰まっている中でやっと相談したので、まずは受け止めて見守ってほしい。


会社の相談窓口や厚生労働省のHPにある相談窓口などパワハラの専門家に相談すればいいという意見もあるかもしれない。相談することを否定はしないが、私の経験から相談しても気休めにしかならない。たしかに話を聞いてくれるが、変なことも言えないので、マニュアル通りのネットでググれば出てくるような回答である。私が知りたかったリアルな実用的なパワハラ解決策はなかった。同じようなパワハラ被害にあって解決した人に相談しない限り、相談しても役に立たない。

結局、パワハラにあったら、自分自身の身は自分で守るしかない。今後どうしたいかを真剣に考えて、対処していくしかない。もしパワハラの相談をされたら、ただしっかりと耳を傾けて見守るしかない。パワハラは気軽に相談できる内容ではなく、パワハラも喉元過ぎれば忘れさられてしまう内容であるので、知見が共有されづらい。実際にパワハラからどうやって切り抜けたかという知見がもっと共有され拡散されれば、パワハラの抑止につながるはずだ。

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