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インド・ニューデリーのぼったくり集団。
インドのニューデリーにて、詐欺に引っかかりクレカを渡したけど、間一髪免れた話。
インド初日での出来事である。
ーー
ニューデリーの空港に到着し、地下鉄で街の中心地まで移動する。
宿はパハラガンジというエリアにあって、地下鉄の駅から宿に行くには、ニューデリー駅という大きな駅をつっきらないといけない。
電車のチケットは持ってないから、通れるかわからないけど、横切ることに決める。
インドだからいけるでしょうというノリだ。
その駅に改札はなく、代わりに意味があるのかわからない雑な荷物検査機だけがあった。
僕も、列に並ぶ。
その時だった。
荷物検査の列を整理している、駅スタッフらしき人に話しかけられたのだ。
これが事の始まりだ。
・・・
駅職員「チケットはあるのか?」
僕「え、、持っていません。」
チケットないと通れないのか。
めんどくさいなと思ったが、素直に答えた。
すると
「どこに行きたいんだ?」
「駅を越えた方にある宿に行きたいです。」
「もしかして、パハラガンジエリアか?」
「そうですけど。」
「そこは危ないぞ!やめておけ。
少し前から夜になると暴動がおきていて、警察もたくさん配備されていて、危険なんだ。」
「え、ほんとですか、?(何それ怖いな)」
「ちょっとこっちに来い。(小さい地図を見せてきて)少し離れたところに政府のオフィス、tourist government officeがあるんだ。そこに行って、旅行者の証明書をもらうんだ。そうすれば、もし警察に止められた時に見せれば良い。もちろん無料でもらえる。
とりあえず、トゥクトゥク乗り場まで行こう。俺が案内してやる。」
・・・
インドについて早々に、物騒な情報を耳にしてしまった。
いきなりのことで、若干頭が混乱しているものの、初めて降り立った街で暴動があるかもしれないなんて聞いたら、ビビるに決まっている。
冷静に考えると胡散臭さはあるが、僕はこの人のことを100%信じたのだ。
なぜなら
①黄色いジャケットを着ていて、正式な駅のスタッフぽかった
②駅のスタッフなのに、自分の仕事を放置してまで、単なる旅行者である僕にいろいろ教えてくれた
③トゥクトゥクのドライバーにも、僕がぼったくられないように交渉してくれて、20ルピー以上は絶対に払わなくていいと、親切にしてくれた
という3点から、この人は善意で助けてくれていると感じたからだ。
この人が教えてくれた
【今パハラガンジエリアは危ない場所である】ということが、深く頭の中に刻まれる。
そして、トゥクトゥクに乗りツアリストガバメントオフィスに向かうことになる。
オフィスに着いて中に入ると、自称政府の人が3人待ち構えていた。物腰は柔らかく、
インドにようこそと言って、チャイを出してもてなしてくれた。
僕は最初に、もう一度確認のために聞いてみた。「今パハラガンジエリアは危ないって本当ですか?」と。すると政府の人も、「そこのエリア周辺は危ない」と答えた。
政府の人もそう言うということは、やっぱり危険なのは本当だったんだと、さらに信じ込むことになる。
・・・
自称政府の人「今日どこに泊まるつもりなんだい?」
僕「パハラガンジエリアです。」
「今日はそこに行かない方がいい。昨日暴動でケガ人が出たんだ。もしかしたら警察がエリア一体を封鎖してしまうかもしれない。」
「えぇ。そんなに危ないんですか。」
「ホテルに電話をかけてみるか?
ホテルの電話番号はわかるか?」
電話番号を見せて電話をかけてくれる。
電話が繋がり、受話器を受け取り、ホテルスタッフと話す。
「もしもし、今日そちらの宿を予約しているんですけど、今日その周辺のエリアが封鎖されてしまうって本当ですか?」
🏨「本当だ。こちらから予約をキャンセルしとくよ。」
(多分どの電話番号を打っても、同じところにかかる仕組みになっていて、ホテルは泊まれないと言われる)
自称政府の人「悪いことは言わない。もしニューデリーを観光するなら最後にした方がいい。」
「どうしても泊まれないんですか?」
「よく考えてみてくれ、自分の身の安全が1番だろう。」
・・・
このように、どんどんといろんな方面から嘘を固められていくのであった。
そしてここから、客の金を刈り取りにくるのである。
・・・
「君のために、安全に配慮した政府のツアーを組んで提案してあげるよ。」
「ツアーですか?」
「そうだ。政府公認のツアーだから、1番安全に旅ができる。ホテルも交通手段もこちらで用意するから何も心配はいらないよ。」
といい、組まれたツアーが、
15日間で12万ルピー(約20万円)というぼったくりツアーである。
あまりにも高すぎるし、もともとツアーは、時間の融通が効かなくて好きじゃないのでなんとか断る。
「ツアーは嫌です。」
「わかった。では、ジャイプールかアグラに行くタクシーだけ手配するよ。何よりニューデリーから離れることが大事だ。」
といい、提示されたタクシーが
2万ルピー(3万6千円)という
ぼったくりタクシーである。
インドは電車が安い(ニューデリーからジャイプールまで400ルピーくらい)ということは知っていたので、電車がいいことを伝える。
「電車はないんですか?」
「今日はもうないぞ」
といい、予約がいっぱいである【not available】と書いてある画面を見せられる。
(おそらくこれも偽サイトであるが、まんまと信じ込む。)
「そんな、、」
・・・
完全に周りを固められた瞬間だった。
僕に残されたのは、【2万ルピーを払って近くの都市までタクシーで移動する】
という選択肢しか残されていなかった。
少し考え込む。
安全が1番大事だ。
4万円で安全を買ったと思えばいい。
と自分に言い聞かせ、
ついに僕は払う決心をした。
クレカか現金どちらがいいか聞かれ、
クレカにすると伝え、クレカを渡した。
思い返すと、何やってんだ自分、そんな簡単にクレカ渡すんじゃないよと言いたくなるが、その時は大真面目なものだ。
そしたらだ、クレカを渡した直後に少し引っかかるようなことを言われた。クレカだと手数料が5%とられるから現金はないのかと聞き返されたのである。
しかも、インドルピーがないならドルでもいい、そしてなんなら日本円でもいい、と。
ん?そんなことあるのか?
僕はここでようやく、疑いの念が芽生え始めた。
なんでそんなに現金にこだわるんだ??
おそらく、彼らは悪徳業者なので、クレカで支払いを済ませてしまうと入金されないリスクなどがあるのだと思う。
まんまと信じ込んでいた僕だったが、ようやく少し冷静になり、考える。
どうにかパハラガンジエリアが危ないという情報が真実かどうかもう一度確かめたい。
まず思いついたのが、もしこんな大規模な暴動が起きているなら、外務省のたびレジやニュースに載っているかもしれない。
そう思いたって調べてみる。
しかし、どこにもニューデリーが危ないなんて情報は見つからない。
ここでさらに疑い度が増していく。
そして次に、さっきオフィスの電話で宿の人と話したけど、もう一回自分のスマホで宿のスタッフに連絡してみようと思い立つ。
もし宿がキャンセルなら、メールか電話で教えてくれるはずだと思った。その連絡がないというのはどうも引っかかる。
政府のおっちゃんは、もうタクシーを呼んでしまったから早く払ってくれないかと捲し立ててくるが、気にせず電話をかける。
宿のスタッフがでる。
さっきの人と声が違う。
「今日予約をしてるのですが、パハラガンジエリアが封鎖されるかもしれないから泊まれないって本当ですか?」と聞く。
すると「ん?そんなことないよ、問題なく泊まれるよ」と。
あれ?泊まれるのか?
念の為もう一度聞き返す。
「今日暴動が起きるかもしれないから、ホテルは閉まっているんじゃないんですか?」
「通常通りやってるわよ〜。」と。
頭が混乱しそうになったが、今までの会話を頭の中でサッと振り返って、目の前の男たちの顔をもう一度みる。
そしてようやくこの瞬間に、僕は察した。
一瞬、血の気が引く。
あ、、。
こいつら、やってる。。
今目の前にいるやつらは、、詐欺師だ。
こいつらはありもしない事を並べて、客から金を巻き上げようとしてる奴らだと。
確信に変わった瞬間、血の気が引いたのも束の間、ふつふつと怒りが込み上げてきた。
とりあえずは、とにかくここから離れなければならない。こいつらは悪いやつらだと分かったら、もう強気だ。
You are liar! You are scammers!
(お前ら嘘つきだな!お前ら詐欺師だな!)
と大声で叫びながら、荷物を持って外に向かった。向こうも、もし危険な目に遭っても知らないからな!というようなことを叫び散らかしてきたが、幸い暴力などは振るわれなかった。
外に出る。心は怒りでメラメラしていたが、
まずは暗くなる前に宿に向かうのが先だと言い聞かせ、大通りにでてトゥクトゥクを捕まえた。
そしたらだ。そのトゥクトゥクもだった。
乗ってから少ししていきなり、パハラガンジエリアは今日は行けないんだよ、なんていい出し、近くにツアーオフィスに行こうと言い出すのである。おいおい、こいつも詐欺師か。
もうツアーオフィスはこりごりだ!と言い、
降りる。
そしてそして、その後もだ。少し歩いただけでインド人が陽気に話しかけててきて、そっちの方面は危ないエリアだぞ、こっちの道からの方がいいと言われ付いていくと、現れたのは別のフェイクツアリストオフィス。お前も、詐欺師か!
一体何個ぼったくり会社があるんだ。
一体何人詐欺師がいるんだ。
一体ニューデリーはなんだんだ。
駅のスタッフもトゥクトゥクのドライバーもツアー会社もみんなグル。ツアー会社も偽ホテルスタッフ要員を用意し、電車やバスが満員であるという偽サイトまで用意しているという巧妙さ。
街全体に詐欺戦術でも仕込まれてるのか?
本当にタチが悪い。
もう怒りは沸点に達していた。
ここ数年で間違いなく1番憤りを感じた瞬間だった。
そこからは、怒りを発散するために放送禁止用語を大声で連呼しないとやってられなかった。もう誰も信用しないと決め、歩いて宿へ向かう。
こんなにもインドはク◯なのか。
着いてものの3時間でインドが大嫌いになった初日なのであった。
あぁインドよ。
今となっては良い思い出である。
ーーー
ニューデリーに行く人はこのような詐欺が蔓延してるので、気をつけてくださいませ。
インドは1ヶ月旅しましたが、良くも悪くもディープな国でとても楽しかったです。
もちろん悪い人だけではなく、本当に優しい人にもたくさん出会いました。
【インドにはこの世の全てがある】
と、インドで出会った日本人の旅人が言っていました。
インドには、常夏も雪山も、緑も砂漠も、綺麗さも汚さも、人の醜さも優しさも、いろんなものが詰まっている。
これだからインドは面白い。
インド、おすすめです。
長々と読んでいただき、ありがとうございます。
おわり
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