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新入社員から見た、今、SmartHRのデータ分析が面白い理由

23年8月に4年半働いたfreeeからSmartHRにデータアナリストとして転職した岡田(@taka_san_777)と申します。

SmartHRのことは、創業者の宮田さんをはじめ、約156億円の大型資金調達、高成長スタートアップのベンチマークであるT2D3達成(ARR1億スタートの日本で言われるT2D3)、ユニコーンSaaS企業としてメディアに取り上げられるなど、転職前から注目していました。
しかし、実はスカウトをもらうまで、SmartHRにデータ分析組織があることを知りませんでした💦

もしかすると、他のみなさんも私と同じようにSmartHRにデータ分析組織があることを知らないかもしれないと思い、このnoteを書きました。
絶賛データアナリストの仲間を募集中ですので、SmartHRにおけるデータ分析の環境や面白さを少しでも知ってもらえると幸いです。


自己紹介

私のキャリアのスタートは化学の技術者でしたが、新規サービスを世の中に出してみたいという思いが強くなり、30歳を過ぎてから業界も文化も全く異なるITベンチャー界隈に飛び込みました。

WEBサービスやスマホアプリの受託開発会社でWEBディレクター・PM(プロジェクトマネージャー)、自社の新規事業責任者を経験した後、未経験でしたが、データアナリストポジションでfreeeへ転職しました。

データアナリスト職に興味を持ったのは、以前通っていたMBAスクールで企業戦略の授業があり、定量的に事業の状況と課題を把握し、向かうべき方向性を議論するのが非常に面白く、定量データの説得力にも魅力を感じたのがきっかけです。
データアナリストとして、これまではKPI設計支援、KPIドライバーの探索(相関・因果分析)、セールスやカスタマーサクセス(CS)の生産性改善のための機械学習予測モデリングなどを行ってきました。

SmartHRでは、データアナリストとして、より事業インパクトを出せるように、事業予算の計画策定やデータ分析のイシューを作る&解くことに挑戦中です。

面白い理由①「各分野のエキスパートとの距離が近く、ドメイン解像度を上げやすい」

私が所属するアナリティクスチームはマーケティング組織の中にありますが、マーケティング組織は、広告運用、コンテンツ制作、ブランディング、リサーチ、イベント、リードナーチャリング、カスタマーマーケティング、コミュニティ運営、広報など、様々な分野のエキスパートで構成されています。
自然とマーケティング領域の専門知識やスキルを持つメンバーと一緒に業務を進めていくので、情報や考えをキャッチアップしやすく、業務内容、課題、打ち手の解像度を上げやすいです。

私は入社1ヶ月目に30人くらいの方達と1on1をさせていただいたのですが、ブランディングを追求する上でユーザーとのコミュニケーションはどうあるべきか、それを実現させるためにデータ活用に対する期待は何か、など様々な視点の話を聞くことができました。
※ちなみにSmartHRは全社的にオープンでフラットな組織なので、他の組織とコミュニケーションを取る時も組織の壁を感じることはなく、他組織のドメイン解像度も上げられるので、ご安心を!

ドメイン解像度を上げられることで、データ分析が面白くなる点は2つあると思います。

1. どのような分析アウトプットを出せば意思決定や施策実行に繋がりやすいか、仮説の精度が上がる

データアナリストからすると、自分の持つ分析技術や統計知識を十分に発揮してアウトプットを出したにも関わらず、今ひとつ意思決定や施策実行に活かされない、、、みたいな経験はありませんか?
ドメイン解像度が上がると、誰がどのような点を気にしているのか理解しやすくなるので、使われないアウトプットを出すことが減り、データの力で組織に影響を与えやすくなります。

2. 新たなデータ活用の構想を描けたり、事業インパクトのある良い分析イシューを立てやすくなる

エキスパートのメンバーと対話する中で、常識を覆すような洞察や新たな構造で物事を捉えるような視点をいただけます。
書籍「イシューからはじめよ」にも書かれていますが、非常識な洞察や新しい構造によって、新たなデータ活用の構想を描けたり、事業インパクトのある良い分析イシューを立てやすくなるので、これは大きなメリットです。

よいイシューは深い仮説がある。ふつうであれば「ここまでスタンスをとるのか」というところまで一気に踏み込んでいる。「常識を覆すような洞察」があったり、「新しい構造」で世の中を説明したりしている。

イシューからはじめよ 安宅和人(著)

また、CSやセールス組織の中にもデータ活用チームやアナリティクスチームがあるので、データ活用・分析という観点だと、マーケティング組織以外にも様々なイシューがあります。

面白い理由②「データが整っていて分析しやすい」

入社して意外だったのが、SmartHRのデータが想像以上に整っていたことでした。
ここでデータが整っているとは、以下の条件が揃っていることを指します。

  • いつ、誰が、どこで、何をしたか/されたか、に加えて、具体的にどのようなニーズ・関心がありそうかのデータが揃っている。

  • 過去から現在までデータの定義が一貫しており、データの歯抜けがない。

  • データの定義が途中で変わったものについては、いつからいつまで、その定義だったのか明示されている。

データ活用で良くある話が、eBookやセミナーなどのマーケティングコンテンツのタイトルはSalesforceに入っているが、そのコンテンツが何を訴求したものだったのか明示して蓄積されておらず、いざデータ分析をしようとしても、肝心の ”ユーザーが何のニーズ・関心を持っているのか” という情報を解像度高く得られない状況です。
つまり、データ分析における「Garbage In, Garbage Out」という状況に陥ります。

もちろん、SmartHRでも改善できる点はまだまだありますが、ユーザー解像度を高める上で仮説検証に必要なデータが揃いつつあるので、データアナリストからすると、どんなイシューを立てて、どのようにデータ活用していくべきかという点に集中できる環境なので、非常にポテンシャルを感じます。

面白い理由③「データ活用の伸び代が大きい」

SmartHRは未上場SaaSスタートアップですが、登録社数60,000社以上(※)となっており、上述した通り、整ったデータが豊富に蓄積されています。
※SmartHR上で事業所登録を完了しているテナント数(但し、退会処理を行ったテナント数を除く)

一方、人事・労務管理システムから始まったSmartHRですが、現在マルチプロダクト戦略を掲げており、タレントマネジメント領域のプロダクトや、Nstock(株式報酬SaaS)、AIRVISA(外国籍従業員に特化したSaaS)、Smart相談室(法人向けオンライン対人支援サービス)などグループ会社による新規事業を積極的に展開しています。

マルチプロダクト化によって、データ分析の幅も一気に広がっています。具体的な領域の例を挙げると以下のような領域があります。

アダプション・エクスパンション領域
アダプション(定着)領域では、SmartHRを契約いただいているユーザーに対して、プロダクト活用によってユーザー自身の事業で成果を出してもらい、SmartHRへのロイヤルティを高めていくための効果的なプロセス構築が必要です。
また、エクスパンション領域では、ユーザーが気付いていない潜在的な課題やSmartHRで解決できるソリューションを認知してもらい、ユーザーのニーズに合ったプロダクトを、各ユーザーに伝わりやすい形で提案することが求められます。
これらの領域では、以下のようなデータ活用・分析が必要になります。

  • アダプションなどの指標設計

  • ユーザーがサクセスする/しないを切り分けるコントロール可能な要因の分析

  • ユーザーの課題やSmartHRが解決できるソリューションの認知度定義と認知度の効果検証

  • ユーザーのニーズに合わせたプロダクト提案ができる仕組み作り

コミュニティタッチ領域
SmartHRでは契約していただいているユーザーを対象に「PARK」というユーザーコミュニティを運営しています。Salesforceのユーザーコミュニティ(Trailblazers)に関する記事を読むと、ユーザーコミュニティがSaaS事業に与えるポテンシャルは非常に大きいと期待しています。

・コミュニティのアクティブメンバーは、非コミュニティメンバーよりも解約率が1/3、エクスパンション採用率が約1.3倍、平均発注価格が2倍。
・サポートコストの節約額は約200万ドル/月
・コミュニティが出したアイデアで、Salesforce製品全体のロードマップに約3,000の新しい機能が導入された。
・Trailblazersは、Salesforceの4つの成長戦略のうちの1つに置かれている。

ChatGPTで翻訳

データ分析視点だと、アダプションやエクスパンションを促進するために、コミュニティにおいて、どのような行動をユーザーに促すべきかを見極める分析に加えて、どういうコミュニティやネットワークが存在しているかといったネットワーク分析なども活用できそうです。

人事・労務データ x タレントマネジメントデータのクロス活用領域
SmartHRを使えば、人事・労務とタレントマネジメントに関する整ったデータが自然に集まってくるため、それらのデータをクロス活用することができます。
直近では、AI活用して従業員サーベイを要約する機能をリリースしましたが、SmartHRのデータを使えば、従業員のエンゲージメントを高めて生産性を向上させるためのピープルアナリティクスといった領域にも期待が持てます。
このようなAIと従業員データの活用を推進するための組織として「AI研究室」も設置しました

ブランディング戦略
SmartHRのマーケティング組織では、ブランディング戦略立案のための市場調査やデータ分析も積極的に行っている点が特徴的だと思いました。
例えば、市場調査で集めてきたデータを使って、ユーザーが人事・労務やタレントマネジメントの何に対して価値を感じているかまで分析しているのは、ITベンチャー企業の中でも珍しいのではないでしょうか。

マスマーケティング・Webコンテンツ・リードジェネレーション領域
上記に加えて、最適な予算配分を支援するためのCM、Webコンテンツ、リード獲得施策のROI評価、データ活用した効果的なナーチャリングプロセスの構築(リードスコアリング、ユーザー行動・ニーズに応じた最適な訴求方法の整理)など、これらの領域においても、まだまだデータ活用のポテンシャルがあります。

SmartHRのVP of Marketing 兼 Communication Design 岡本さんがまとめてくれている下図のような領域でのデータ活用をイメージしてもらうのも良いと思います。

SmartHRが目指す、一貫性ある循環型のBtoBマーケティング

SmartHRではデータアナリストを募集中です!!

上で書いた通り、SmartHRのデータは整備されてきていますが、蓄積したデータを事業成長にどのように活用していくか、ますます求められているフェーズです。
また、マルチプロダクト化を推進していくにあたり、個別の組織だけにデータを閉じるのではなく、データを共通言語として、組織と組織を繋げて事業により大きな動きを作り出していくような役割もデータアナリティクス組織として担っていきたいと思っています。

現在、データアナリストを絶賛募集中ですので、データ活用に関するイシューを一緒に作り、「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤しながら、SmartHRのデータ分析を一緒に盛り上げていきませんか!

チームの雰囲気や、どういうバックグラウンドを持ったメンバーが在籍しているか、などなど、このnoteでは触れることができなかった質問にもお答えできますので、「とりあえずカジュアル面談してみたい!」という方がいらっしゃいましたら、お気軽に以下のリンクからお申し込みください。

X(旧ツイッター)に私のアカウント(@taka_san_777)もありますので、DMいただいても大丈夫です!


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