大した知識も無いのに急に輸入食品の店開業するおばさん
大した知識も無いのに急に輸入食品の店開業するおばさん
に、なりそうで、怖い。自分が。
私は高校生くらいから、この手の不安に襲われている。
この手の不安というのは、端的に言うと、
『若い時に保守的に生きてしまったがために、その反動で年を取ってから急に無茶して全てを失うことになるのではないか』という不安
のことです。
私は生まれてから22歳の今まで、ずーっと札幌にいる。就職先も札幌市内だから、この先も札幌で過ごして行くことになる。そのことに、別に不満はない。不満はないというか、そうしたいから地元を中心に就職活動をしたのだ。東京とか他の地域への憧れもそんなに無いし、友達や家族からわざわざ遠く離れる理由も見つからなかった。
しかし、そうなると、残りの数十年の人生も、これまで見てきたのと同じような景色を見ながら過ごすことになるのだ。そのこと自体が嫌というわけではない。今現在の私は、「確かにちょっと退屈かもしれないけど、私、別にそんなに外に出て遊んだりしないし、成し遂げたいこととかもないし、知らない土地で孤独に過ごすよりは全然良いよなぁ」と思っている。だが、数十年後の私も同じように思ってくれるとは限らない。
人生を添い遂げたいと思える相手に出会えず、かと言ってお金や心に余裕も無いから独身を楽しむことも出来ず、会社にも居場所が無く……みたいな日々を過ごしているかもしれない。そしてそんな状況だから、なんだか現実から逃げたくなってしまって、「もしかして、私、もっと広い視点で世の中を見るべきだった……?」とか言い出して、急に一人で海外旅行とか行って、「ようやくやりたいことに出会えたわ!!私、輸入食品の店を東京で開く!!世界の美味しい食べ物を沢山見つけて届けたいの!!」とか言って、開業。
誤解しないで欲しいのが、年齢を重ねてから無茶をすること自体を、痛いとか、そういう風に思っているわけではない。輸入食品の店を持つことにちゃんと憧れを抱いていて、開業する数年前から本格的に勉強を始めて、知識と計画をしっかりと持った上でなら、とっても素敵だと思います。あとはまぁ、万が一失敗したとしても大丈夫な状況(蓄えがたんとあるとか)の人とかは、好きにしたら良いですよね。
ただ、私はね、底の浅い人間なので何か目標を持ち続けたりとか、そのために努力し続けたりとか、出来ません。あまり頭も良くないので莫大な資産も築けません。
つまり、私が年を重ねてから急に輸入食品の店を始めたとしたら、それは、
ただ現状から逃げたいだけで輸入食品に対する愛も知識も無いのに、たった一回海外に行っただけで知った気になって、なんとなくの表面的な憧れだけでお店を開いてしまった、知恵もお金も足りてないおばさん
なのです。
これはね、言うまでもないですが、大変です。知恵が足りてないから経営の計画とか無いし、輸入食品への愛も表面的なものなので、段々やる気もなくなっていきます。
当然客足は伸びず、一年たらずで、閉店……。
かなしい……。
コツコツ貯めてきたお金は全部開業資金に消えてしまったし、スキルもキャリアも大したことないから再就職先も見つからない……。
数少ない友人とも、開業の相談をした時に反対されて、それに逆ギレしてしまったから、縁が切れてしまった……今思えば、私のことを思って言ってくれていたのに……。
あぁ……。
ってなりそうで、怖いんだよ。私は。
でも、だからと言って、現時点で挑戦したいこととか、マジで無いしな……。
「若いうちに無茶しておけ」なんてよく聞きますが、それを素直に聞き入れて「なるほど。参考になります。それでは、無茶、させていただきます。」ってする無茶なんて、もはや、無茶ではないじゃないですか。本人から沸き起こる衝動によって実行される無茶だからこそ意味があるのであって、義務的に実行する無茶なんて、おばさんになってからの輸入食品店開業を阻止する効果を持ちません。
だから、今の段階で対策出来ないんだよな……。どうしよう……。
まぁ、おばさんになってからの無茶が免れないとしても、せめて、軽めの無茶だと良いな……。10代のジャニーズJr.の追っかけを始めて、毎週末舞台を観に東京に行くようになる、とか……。お金は飛びそうだけど、流石に開業ほどじゃないだろうし、他人に迷惑かけてないからね……。痛いおばさんだと言われるかもしれないけど、まぁ、そんなの10代のジャニーズJr.がくれる癒しに比べたら大したことないから。多分。
なんか、色んな方向の人に石投げられそうな内容になってきた……。
全部、私のことだから。私の話だから。未来の。
分かって……お願い……。
おわり
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