総合商社で働くという事 ④(トレードと投資)
こんにちは、樽飯 安太郎です。
今日は商社講義第4回目、高校生・大学生にも分かるような講義を進めてきましたが、今回は少しだけ踏み込んで「トレードと投資」という観点でお話を進めていければと思います。皆様がぼんやりとしている商社の仕事イメージをなるべく簡潔な言葉で分かりやすく説明出来たらと思います。
商社は「トレードと投資」の会社、という事を過去お話しました。
何となくの意味は分かりますね、でも実際説明してみて?と言われたらぐぬぬとなる学生の皆様は多いのではないでしょうか。多いですね、はい。
トレードとは商社の源流です。物を安く買い、高く売る。日本では沢山取れない果物を、東南アジアから輸入する。日本で出来た精密機械をヨーロッパへ輸出する。すごく単純、でも深い。例えばコーヒーを南米から買う場合。さて皆様は商社マンとして日本メーカーにコーヒーを納入したいとします。さてどうしますか?どうしますかと言われてもって感じですね。
皆様は身一つで南米を駆けずり回ります。現地社員のつてを使い、時にはぶっつけ訪問。試飲もして気分はバリスタ、夜はカフェインで眠れない。。
なんてことを繰り返していると、まさにこの味・この価格というサプライヤー(生産者)を見つけました。話してみると人当たりも良く、会社の経営状態も良さそう!これは決まりですね。早速日本に輸出開始です!
ちょっとお待ちください。これってメーカーさんでも出来ないですか?外国語が出来なければ通訳を雇って、海外出張。購買担当者が直接みて決めればいい、、そう思いませんか?商社の役割ってあるの。。。ないの?
この議論が「商社不要論」。まさに商社を介すだけコストアップ。無駄。
という理論です。果たして本当にそうなのでしょうか。
トレードにおける商社の役割は数多に渡ります。現地駐在者によるアテンド・サプライヤー開拓だけではなく、海外業者へのカントリーリスク、コーヒーなどの先物商品では先物ヘッジ(ヘッジ会計の適用)、船積処理、ファインナンス機能、などなど。最近ではサプライヤーへの直接出資でアセットを抱える商社も増えてきました。(まさにトレードと投資の融合型)
即ち、一言でトレードといっても、毎日価格が変動する先物価格は誰がNYやLDN市場で取引するのか。その市場でとったポジションは誰が会計処理するのか。船積期間中に資金が寝てしまう場合、誰が負担するのか。現地でトラブルが起きた場合に誰が交渉、時には訴訟するのか。。
メーカーがやるには煩雑過ぎてPayしない、この全てを行う何でも屋が、まさに総合商社です。トレードと一言でいっても多様に渡るのですね。
さて皆様が南米で買ってきたコーヒー。船積も無事終わり、日本にたどり着いたようですよ。通関を切るのは商社の子会社のロジ会社。あれ、ここで終わりのはずが、まだ仕事のチャンスは残っている様ですよ??
そう、商社はコンビニに進出している事を前に説明しましたね。なんと顧客への売先まで商社で抑えてしまっている様です。カウンターコーヒー、美味しいですよねえ。商社の一連のバリューチェーンが機能している証です。
と、まあこんな感じでトレードの例を挙げましたが、実際はさらに複雑、奇妙奇天烈、摩訶不思議、どらえもん。
どーらえもん。どーらえもん。ほんわかぱっぱ、ほんわかぱっぱ、どーらえもん。どーらえもん、どーらえもん、ほんわかぱっぱ、ほんわかぱっぱ、どーらえもん。
次回は投資について詳しく説明させて頂きます!それでは!
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