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いろとりどりの学び【思い出】

おひさまが顔を出し くらやみを照らす
金色にかがやく朝の光よ
わたしの心に小さな 陽が灯る
誰にも消せないともしびとなれ

2018年4月。
シュタイナー学校初等部2年生に
転入した娘が、いちばん最初に
覚えたうた。
すてきな詩とやさしいメロディ
毎朝クラスでうたう歌。

今は、わたしが、
気持ちのいい朝に、知らないうちに
くちずさんでいる。

シュタイナー学校の1年生が
いちばん初めに習う漢字は"光"だと
聞いた。

ひかり。
とても大切にされていた。

お友だちとトラブルがあったとき
やな事をされた子よりも
やな事をした子を先生は心配される。
"ひかりの柱"が通ってない…と

子どもは、天使みたいだったり
残酷だったり、それが子どもだと
それまでわたしは、思っていたけれど、
子どもは本来、"ひかりの柱"がすっと
通ったキラキラした存在なんだなぁと
それを、壊しているのは、育つ環境を
考えないおとなの責任なんだと、
わたしは、はじめて知った。

シュタイナー学校では、
子どもの育つ環境を整えるために
すごく力を入れる。
おとなの役割はとても重要だ。
だから、子どもたちはとても
幸せそうでキラキラしている。


娘は公立から転校したので
最初のころ、勉強をしている
つもりが全くなかったようで…
なにもかもが遊びの延長のように
感じていたようだ。

あまりにも静寂な空間に
戸惑っていたのも事実だが、
おおむね楽しんでいた。

毎日、朝の集中力の高いうちに
勉強をして、午後からは
体を動かしての学びとなる。

体育という教科はなく、代わりに
"運動あそび"という時間がある。
体育着に着替えたりもしない。

シュタイナー学校では、教科書を
使わない。
エポックノートと言う、大きな
スケッチブックみたいなノートに
先生が黒板に描いた絵や文字を
模写したものが、教科書代わりとなる。

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朝から100分間続けてエポック授業が
行われる、算数のエポック授業を
3〜4週間続けたら、つぎは
国語のエポックというように
ひとつのエポックを毎日100分、
約1ヶ月間学び続ける。

コマ切れではなく、ゆっくり時間を
かけて学ぶので、子どもたちは
より深く、学習できるのだ。

わたしは、いろとりどりの
エポックノートを眺めるのが好きだ。

"位取り"や"九九"が、こんなに
カラフルで、楽しい世界だと
いうふうに教えられていたら、
わたしは算数の世界が好きに
なっていたかもしれないな!
なんて思う。

漢字は象形文字からひとつずつ
丁寧に教えられる。
書き順は色で覚えるので、しっかりと
目でみてからだで感じることができる。

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テストも通知表もない。
だから、テストのための勉強とは
全く違った、深い学び、
自分のものとなる知識が
自然に身につくのである。

シュタイナー学校での、学びは
頭だけではなく、体と心も
めいっぱい使う。
ゆっくりとだけど確実に
からだに刻み込まれていく。

2年生と3年生の1学期という
短い間だったけれど、シュタイナー学校で
学んだ娘がわたしは羨ましい。
おとなになってからじゃなく
子どもの頃にこそ、シュタイナー教育に
出会いたかったなぁと思う。

先日から部屋の片づけに火がつき
きょうは、クローゼット!
押し込めたモノたちを、
片っ端からひっぱりだしていた。
"シュタイナー関連"の箱を発見!
開けたら最後…
そうじの時間がすっかりなくなって
しまった…(汗)



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