マガジンのカバー画像

月桑庵蔵帳

3
月桑庵にある茶道具たち。 稽古物から作家物まで、基本的に近現代物を中心に集めたものたち。 数寄は「数を寄せる」物。「数寄の道」は違う形を数多く集め、好きを重ねて物語を附けて茶… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

雪輪棚 一元斎好写

雪輪棚 一元斎好写

 雪輪棚 朱塗爪黒 江戸千家一元斎好

入手価格:★★

 こちらの棚は江戸千家の一元斎が好まれた三重棚で、初代不白の米棚の影響か、卓下建水を使うように作られています。

 形としては紹鴎水指棚の流れで、側板の下の大きい透かしが雪輪になっていることと、糸巻形で六花透かしのある背板があること、そして卓下建水用の浅い棚がついていることです。

 前々から、卓下建水を使える棚が欲しくて、この朱塗爪黒の雪

もっとみる
鳥の子手写 茶盌 清和窯 原祥雲作

鳥の子手写 茶盌 清和窯 原祥雲作

 酉年に出ていた茶盌で、形としては筒になるか。半筒程は浅くなく、深筒ほど高くもなく、七分筒かもしれない。

 カタログを見て、珍しく、母と私で速攻気に入って、即注文したもの。勿論、別に御題茶盌は買った。

鳥の子手とは?

 鳥の子手とは、「鳥の子紙の色のような卵白色をした中国白磁で、中国宋代の名窯・河北省定県にあった定窯でつくられたものの通称」と言われていたが、「釉調が鳥の卵に似て白く柔らかな趣

もっとみる
【茶盌】粉引 筒茶盌 八染窯 和田厚作

【茶盌】粉引 筒茶盌 八染窯 和田厚作

入手価格:★★

 2022年初落札したのは、この茶盌だった。
 年末に落札できたらラッキー!ぐらいの気持ちで入札した。

 幸運にも落札できてしまった(笑)

粉引とは?

 粉引とは陶器の技法の一つで、赤土の地に、白泥で白化粧をして、白釉を掛けたものである。高麗物に多い技法で、ぼってりとした真白い器膚が魅力だ。

 しかし、この三層構造のため、一度入った水が抜けにくく、変色しやすい。それ故、粉

もっとみる