私の生きたくなる料理

有賀薫さんのスープレシピがとても好きです。
週末もネギたっぷりの生姜スープを作って、心もおなかもぽかぽかさせてもらいました。

シンプルで、でもたっぷりと満たされる料理。
晩ごはんで食べると、今日という日を素敵な気分で締めくくることができる料理だと思っています。

有賀さんのnoteで生きたくなる料理について、書かれていました。

私にとっての生きたくなる料理。

2015年秋からうつ病の症状が現れ始めました。(病歴などはプロフィール記事へ)

うつ病ですよと診断された時、血液検査では栄養失調も判明。
休養も栄養もカラッカラで足りていなかったんだと思います。

うつ病治療中、買い物も料理も、できませんでした。
夫が冷凍食品を買いだめし、場合によっては帰宅途中にお弁当やお惣菜を買う。そのおかげで、どうにかこうにか生きている日々が続きました。

治療を続け、休養をとって。少しずつ買いだめしてあるものを食べられるようになって。

そんなある日どうしても食べたいものが出てきたんです。
病気になって初めて「〜したい」という気持ちが湧き上がりました。
そのためには、自力でスーパーに買い物に行って、料理をしなければいけない。

玄関まで行って、でも外に出られないことを何日か繰り返して。
それでも、どうしてもあれが食べたい。どうしても、どうしても。

1週間後、勇気を振り絞って、ついにスーパーに行くことができました!

必要な食材をひとつだけ買って、一直線に自宅に帰る。
どうにか気力を奮い立たせて、鍋にお湯を沸かして、茹でて、冷やして、切って、和える。


できた。

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ほうれん草の胡麻和え

※この写真は富田ただすけさんの『白ごはん.comの5分・15分・30分で「和」のおかず』から。富田さんのレシピ愛用中。

自分で作るほうれん草の胡麻和えがどうしても食べたかった。
冷凍食品やお惣菜が続くなかで、無性に食べたくなったもの。

ひとりで台所に立ったまま食べたその味は、体中に染み渡る栄養そのもので、「あぁ。美味しいなぁ」と思わず声がこぼれたのを3年たった今でも覚えている。

美味しいと同時に、料理ができたという達成感もやってきて、また一歩病気がよくなったんだと泣けてきた。

もともと食への興味は薄く。
実家を出るまで、味覚障害も多少あったし、できれば皮膚で空気から栄養が取れればいいのにと思う程度の薄さでした。

ほうれん草の胡麻和えも、好物というほどのものでもなかったのに。

そんな自分が病気の中で、最初にもった欲が「ほうれん草を食べたい」だとは。そのために行動し、やり遂げる力になるとは、ねぇ。
つくづく、人のカラダとココロの繋がりに驚かされました。

今でも料理厳しいなと思う時があります。
そんな日は、自分が食べたいと思うものをひとつだけ作ることにしています。
(思いつかない日は作らない!潔く!)

食べたいものは、大抵がじわーっと栄養が行き渡るようなメニュー。
食べたいものを作って食べる。という行為は、自分自身に優しくしてあげることなんだと実感しています。

ほうれん草の胡麻和えだけだと、おなかいっぱいにならないけど、有賀さんのスープレシピなら、ひとつで十分満たされます。

食べたいと生きたいは、とても近いもの。

私にとって、有賀さんのレシピは、明日をむかえる原動力になっています。noteで出会えてよかった!ありがとうございます!

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