見出し画像

幼い頃、感情を出すことを許されましたか?

私は普段、子育てに悩むご夫婦のための講座や相談をお受けしています。
特にお母さんたちとお話しする機会が多いのですが
その中で、特に女性たちからよく耳にする言葉があります。

アダルトチルドレン

アダルトチルドレンとは、
成人しても過去のトラウマや家庭環境の影響で
心理的に未熟なままである人々のことを指します。

本当にそれらの方々が、アダルトチルドレンなのかは
私にはジャッジできませんが

少なくともご自分をそう呼んでいらっしゃる方たちは
育った親子関係では「満たされてこなかったもの」
があると感じて、苦しんで来られたことは事実です。

私が普段よく耳にする内容は
特に実母との関係の中である
娘(息子)が一方的に感じている感情です。

・お母さんの愚痴を聞いて育った。
・自分は母の慰め役だと思っていた。
・お母さんが支配的で否応なく良い子でいないといけなかった
・自己決定権が少なかった。自己主張ができなかった

一方的、というのは実母自身は
「私は立派な母親で、子育ては成功している」
と思っている方が多いのです。

そこに親子の感情的な乖離があります。

わがままに言いたいことを言ってきたので
今の私は困っている、ということを聞いたことはありません。

その逆で、
「良い子」「育てやすい子」
として育ってきたと自負する方々が
長年に渡り
親に対しての怒りを抱えておられます。

大好きで尊敬する親への依存心と独立心の間で
成人してからも揺らぎ続けるというのは
とても辛いことです。

そして、そのきっかけとなることが
多いのは自分の子育ての中においてです。

「私は、我慢していたのになぜこの子は我慢せずに大声で泣くのか。」

これは、子どもが泣きわめくことが許せなかったお母さんの言葉です。

子どもの感情の発達を知ることは
自分を知ることです。

子育てとは自分が残してきた課題に
向き合う時間でもあります。

振り返ってみると
4人兄弟、上3人が兄で、単身赴任の父の不在中ワンオペで
子育てとボランティで多忙だった私の母は、

私が泣いていようが、怒っていようがまったく意に介せず
放っておくタイプでした。

4畳半の奥の部屋で、
部屋中のものを投げ飛ばして
大声で泣きわめいたことがなん度もありましたが

母も兄も、まったく無視・・・
私がいないかの如く

そのうちに、楽しそうな談笑の声
テレビの音
美味しそうなご飯の匂い

こうしていても仕方ないと諦めて
部屋から出て、ご飯を食べ、いつの間にか
怒りが消えているのが日常でした。

高校進学も、それ以降の進路も親に相談したこともなく
相談するものだと思ったこともありませんでした。

海外に自分のお金で留学したときも事後報告。
本当に自由奔放に育ってきたと思います。


感情を出すことを許されてきた私は
今、親に一番感謝していることは何か?
を問われたら

「何も口出しをせず放っておいてくれてありがとう」

です。(それ以外の部分ではかなり親子関係では
いろいろありましたが)

daremoga主催の2024年4月の講演は
「子どもの感情を理解する」がメインテーマです。

こういうタイトルですと
うちの子は聞き分けが良いし、特に感情面で
困っていない、と思われる方も多いのではないでしょうか。

かんしゃくが激しい子
キレやすい子
への対応はとても大変です。
悩んでいる親御さんはとても多いのですが

実はこの講座に来ていただきたいのは
そういったわかりやすい
「感情の表出」をされるお子さんの保護者の方だけではありません。

「良い子」の親御さんにもぜひ来ていただきたいと思っています。


「良い子」の内面というのは非常にわかりにくい。
なぜなら、本人自身がわかっていないことも多いからです。

子ども特有の「万能感」というものがあります。

子ども時代の「万能感(omnipotence)」は、
心理学において自己認識や発達の側面から研究されているのですが
この感覚は、
以下のような特徴があります:

  1. 無限の可能性感: 子どもは自分の能力や影響力に対して無限の可能性を感じることがあります。

  2. 自己中心性: 子どもは周囲の他者の視点や感情を理解する能力が未熟なため、自己中心的な視点で世界を見る傾向があります。そのため、自分の力や影響力について過剰に評価することがあります。

  3. 外界への影響力: 子どもは自分の行動や思考が外界に大きな影響を与えると信じることがあります。

  4. 無邪気な自己評価: 子どもは他者からの客観的な評価や制約を受け入れることなく、自己評価が高い傾向があります。


要するに・・・

お母さんやお父さんが大変そうだったり
苦しそう、困っていると

「私が(僕が)お母さんを助けるのだ」
このような万能感を持っている場合が多いということ。

悪いことではないようですが
そのことで、子供らしい感情を
抑えられてしまうことが問題です。

臨床心理士で現役スクールカウンセラーの青木先生は
ご自身も「良い子」として育ったそうです。

子供達の感情の発達や成り立ち
親子の関わりを長年研究され現場で
多くの親子の心に寄り添ってこられた素敵な先生です。

感情は複雑です。
怒り
悲しみ
不信
不満
目に見えない感情の発達について学ぶとき、
子育てを通して自分を内省する、そんな時間となると思います。

ぜひ、お友達にもしょうかいしていただき
ご夫婦で参加いただけたら嬉しいです。
2024年3月末までにお申し込みの方には割引がありますよ〜。