凍結

万垢というものに到達した
泣いて喜んだりはしないが達成感はある
しかし翌朝悲劇は起こった
フォロワーが1300人減っていたのである
これにはさすがの私もショックを隠し切れなかった
凍結ってやつだね~と友人は素知らぬ顔で
ちっとも同情してくれない
それくらいよくあることなんだろうか
1300人集めるのにどれだけの時間と労力がかかると思う
それが一瞬にして消え失せたのだ
私は初めてTwitterを恨んだ
自分のツイートなんてたいしたこと書いてないし
面白くもなんともないことよなあと我ながら自覚している
それでもどこかで信じてた
遠くなのか近くなのか男性なのか女性なのか
何もわからない人を相手に
心を込めて紡いできた言葉が
たった一人にでも響くのなら
それだけで充分だと
いいねの数なんて関係ない
押してくれた人その人自身が重要なのだ
いつだって感謝の糸を張り巡らせて
どこかにいる誰かを想ってきた
それが伝わったのかどうかは分からないが
万垢というものに辿り着いた
今度1300人減ったらさすがに泣くぞ
凍結というものは何度も起こり得るものなのだろうか
だとしたらひどい
ひどすぎる
フォロワーの数にさほど頓着しない私でさえ
あの朝のショックは忘れがたい
思わず目を見張った
何かの間違いだろうと信じたかった
しかし私の見間違いでも何でもなく
事実は突き付けられたまま動かなかった
あれ以来
毎朝Twitterを開くのが少し怖い
またフォロワーが激減していたらどうしようと
これは立派なトラウマではないか
こんなトラウマを私に与えたTwitterを今も続けているのは
やっぱり人と人との繋がりを信じてるから
毎朝おはようとメッセージをくれる人
私のことを可愛いと褒めてくれる人
ちょっとストーカー入っててヤバい奴もいるけど
これだけの数の人と関わっているのだから
まあ許容範囲としましょう
どうかあの朝が蘇りませんように
私の祈りはそれだけだ
平和を愛しているんだよ
あんまりケンカ吹っ掛けないでくれ
頼むぞTwitter
私の願いを次に裏切ったときには
お前とはもうおさらばだ

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