チャーシュー麺
転んで顔に傷を作ってしまった
ヤンキーだった頃はこんなの何でもなかったのに
女の子になってしまった今は
鏡を見るのも悲しい
肋骨も痛むのでもしかしたらヒビが入ったかもしれない
まあ医者にかかるお金なんてないから
自然治癒力を信じよう
私は重度のうつ病で働くことが不可能なので
障害年金で暮らしている
健康な人たちが働いて納めてくれた税金から頂戴してるので
街を行く人々にも頭が上がらない
しかしだ
問題はその金額なのだ
詳細は伏せておくが
雀の涙と言っても過言ではない
欲しいものがあったって買えやしないから
ものを欲しいと思うことをやめた
おなかが空いている時には
決してスーパーに行ってはいけない
私が買うのは牛乳だけと心に誓ってるのに
美味しそうなお惣菜や何やらが悪魔のように誘惑してくる
そんな金はない
そんな金はないんだと何度心の中で唱えても
空腹には勝てない
だから行かない
この制度には心から感謝しているし
もしなかったら私は冗談抜きで野垂れ死ぬんだけど
もしも贅沢を言える立場であったのなら
もう少し金額上がらないかなあ
服なんてたまに買う古着で充分だし
靴だって2足だけの履きつぶしたスニーカーでいいから
一回でいいからおなかの空いている時に
スーパーに行って食べたいものを買ってみたい
それが私の夢だ
これも傲慢な夢なのだろうか
身の程知らずの障害者の戯言なのだろうか
そうかもしれないなって自分でも思うから
誰にも言ったりしないけど
おなかが空いても水で我慢する
もしもいつか私が働けるようになって
お給料というものをもらえるようになったら
オシャレな服や綺麗な靴やバッグを纏って
颯爽と街中を歩けるだろうか
みんなにすまない気持ちで下を向いて歩いてる
今とはおさらばできるだろうか
最初のお給料を手にして何を一番にやってみたいかと問われると
大盛りのチャーシュー麺が食べたい
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