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だらねこゲームデザイン論

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歩いていて楽しいダンジョンの作り方

歩いていて楽しいダンジョンの作り方

ダンジョン、作るの得意ですか?

なんとな~くマップタイルを敷いてみたり。
なんとな~く分かれ道を作ったり。
なんとな~く行き止まりに宝箱を置いたり置かなかったり。
なんとな~く敵を配置してみたり。
なんとな~く謎解き要素を入れてみたり。

していませんか?

ダンジョンってそれっぽく作ることは簡単なんですよ。
ただ、そうして作られたダンジョンが面白いかどうかはまた別です。
ぶっちゃけ、

という

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バトルを面白くするために『ランダム性』をどう使うか?

バトルを面白くするために『ランダム性』をどう使うか?

ゆうしゃの攻撃!ミス!〇〇によけられてしまった!!

というのはターン制バトルにおけるランダム性の1つの例(命中率によるランダム要素)ですが……。
はたして、この「攻撃が当たらない事もある」というシステムがあることでゲームは面白くなるでしょうか?言い換えるならば、

になっていないでしょうか?
ランダム性はあればあるほど良い……というものではなく、上手く使わないとゲームの面白さを損ねることがありま

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ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

ゲームって、「データ」をいっぱい作らなきゃいけないんですよ。
例えばドラクエのごとく「スライム」を登場させるにしても、

とか。
でも頭の中で考えるだけじゃゲームは生まれないので、ゲームに反映するためにちゃんと「データ」として持たなければいけません。こういう感じに。

問題はですね。

って話があるんですよ。
データ数が少ないならまだしも、コンシューマのゲームみたいにがっつり作りこむゲームとか、ソ

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『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

難易度をゲームの開発者に合わせたら、難しすぎるクソゲーが出来上がっちゃった!
……まぁ、良くある話ですよね。ゲームの開発者って、

ので自分がちょうど良いと思う難易度にしちゃうと「知り尽くしてて何度もやっている人向けの難易度」になってしまったり。
その結果、多くの初見プレイヤーからしたら難しすぎて「クソゲー」の烙印を押されてしまう、なんてことはよく言われる話です。

とはいってもゲームを作る以上は

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『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

ゲームのボス、状態異常が効かない(効きにくい、ほぼ有効に使えない)ことも多いです。こういうツイートがバズるくらいには効かない。

私自身、ゲームを遊んでいてボスと戦うときなんかは

と思いながら戦っている節はあり、何の情報もない状態で戦う時は攻撃方法から除外していることも多いです。

ちゃんと作られていないと

みたいなことにもなりかねません。もったいない。
ボスに状態異常が効かないのは制作上都合

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あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

みたいなフレーズ、RPGの宣伝なんかでたまに目にするんですけどね。実際にゲームの内容を見てみると、

って思うこともよくあります。いやそんなのただの宣伝文句じゃねーか、大人げないこと言うなよ空気の読めや!って言われるとアレなんですけども。

ただ改めて考えてみると、「冒険しよう!」って言われた時に想像する面白さ、ワクワク感って、戦闘とかじゃなくてむしろ『移動』の部分になるんじゃないのか?って思うん

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頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

戦闘のあるゲームを作るなら、考えないといけないのがダメージの計算式。でも、計算式のコツとか基本とか調べると、小難しそうな話が出てきて

め、めんどくせぇ~

ってなったりしませんか?私はなります。色んな計算式とその特徴を羅列されても、よくわかんなくなっちゃう。

とはいえ私もゲームデザイナーの端くれなので、ダメージ計算式を考える機会がそれなりにあります。そして他人の作った変な計算式に苦しめられるこ

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どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

今の主流はアクションゲームですが、私はターン制のゲームも好きなんですよ。そもそもアクションとターン制のゲームって、面白さの方向性が違うので比べる物ではないんですけど。

で、方向性が違うわけだけど、アクションゲームに対してターン制のゲームの利点って何だろう?と考えてみるとですね。

ターン制バトルはじっくり考えることができる、戦術性の高いゲームを作る事ができるのが利点

だよなぁ……ってところまで

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ゲームデザイン力を飛躍的に向上させる「実用的な言語化」のやり方

ゲームデザイン力を飛躍的に向上させる「実用的な言語化」のやり方

「言語化」って大事だよね、という話はよく聞くんですけどね。

言語化って大事だよなー!できるようになりたいなー!
よーし、言語化できるようになるぞ!!
 ↓
何すれば良いの……
どうすれば良い言語化って言えるの……

って状態になったことのある人、いるんじゃないですかね?
そしてなぁなぁの内に言語化の存在を忘れて……というのが、黄金パターンだと思ってます。

この「言語化」って言葉、すんごいフワッ

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ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識

ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識

少し前に興味本位で、デバッグについてゲーム開発者向けにアンケートをとってみたんです。

はい。デバッグは勘でやっているよって人が大多数でした。数多のゲームは勘でチェックされている。

まぁ、プログラマなら業務上使いますし、資格の問題にも出るのでお勉強せざるを得ないと思うんですが……独学でプログラミングを勉強してゲーム作っている人とか、プランナー系統の人はあまり勉強する機会がないのかなーと思ってたり

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『素材を集めて装備を作る』が『探索の面白さ』を殺す

『素材を集めて装備を作る』が『探索の面白さ』を殺す

皆さん、ダンジョンの探索は好きですか?

ストーリーが―進みそうな道とは違う道を進んで、その先にあるお宝を手に入れるのは好きですか?

メトロイドヴァニアなゲームで2段ジャンプなんか手に入れて、今まで行けなかった場所に行ってお宝を手に入れるのは好きですか?

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『天穂のサクナヒメ』から学ぶ、単純作業の楽しませ方

『天穂のサクナヒメ』から学ぶ、単純作業の楽しませ方

【これ、どんな記事?】
超絶飽き性なゲームデザイナーの私が、単純作業もあるゲームを楽しめているのはなんでだろうな?どんな仕組みかな?というのを分析した記事。

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『天穂のサクナヒメ』と言えば、農林水産省のHPが攻略本だ!とか言われたりしていた話題作です。リアルな稲作シミュレーショ

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「現実を直視する」進捗管理の考え方と、遅れの取り戻し方

「現実を直視する」進捗管理の考え方と、遅れの取り戻し方

進捗管理。何かを作る仕事に身を置く人は、必ず耳にする言葉でしょう。

進捗なんて単語、もう聞きたくないよぉ!

という人もいると思います。私も、聞きたくないです。嫌いです。広辞苑からその言葉の存在自体、抹消されても良いです。

とはいえ、進捗管理をしないとプロジェクトは崩壊します。やらねばいかんのです。どんなに嫌っていても、大事なものであることには変わりがありません。広辞苑から抹消されたら困ります

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分かりやすい仕様書を作るための『考え方』と『テクニック』

分かりやすい仕様書を作るための『考え方』と『テクニック』

私は分かりにくい仕様書が死ぬほど嫌いです。なんかもう、脳が受け付けないってくらい嫌い。なんでここまで嫌いなのかは後で話すとして、まぁ、とにかく嫌いなんです。

しかし残念なことに、分かりにくい仕様書は世の中に氾濫しています。私もゲーム会社でゲームを作る過程で他人の仕様書を見る機会があるのですが……

_(:3」∠)_ 我、この仕様書を読みとぅない。

と言いたくなるような仕様書が飛び出してくる

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