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コロナウイルス - 経済と金融システムへの影響

高橋ダンのダイアリー
令和2年4月10日

コロナウイルス - 経済と金融システムへの影響

令和2年4月10日に衆議院で開会された財務金融委員会の審議中継をインターネットで視聴しました。コロナウイルスの経済影響と金融システムへの影響に対しての質疑に関して、自らの所見を述べたいと思います。

第一に、コロナウイルスの経済影響に対して質疑が行われました。今回のコロナウイルス経済ダメージは過去の景気後退とどう比べるのか、と言う質問がありました。 IMF理事の予測では、コロナウイルス経済ダメージはリーマンショック以上の影響があり、1930年代の大恐慌と同じぐらいのダメージを世界経済に与えると言われております。麻生大臣はリーマンショックの時に総理大臣を経験しており、質疑では現在のコロナウイルスは世界経済にどのような影響を認識しているのか、と問われました。

コロナウイルスの経済影響に対して麻生大臣がこのように答弁をしました。1929年から始まった株式市場の下落はアメリカ金融業界の破産から始まりました。1997年のアジア通貨危機はアジアと途上国で多数の銀行が潰れて金融業界からスタートしました。2008年のリーマンショックの時もアメリカのベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズの破産から始まったので金融問題が原因でした。今回の経済ダメージは病気が原因で発しているので、金融業界の具合が悪化したことではないです。その証拠は世界金融機関の平均自己資本比率はリーマンショックの時では約11%でしたが、現在は約18ー19%あるということです。今回の金融状況は危険ではないですが、人と物の物流が止まっていてそれぞれの企業のサプライチェーンが停止している状態です。その結果、経済の消費が急減していて、日本GDPの約70%は個人消費が発生しているので景気が縮小している、と話されました。

第二に、 コロナウイルスの金融システムへの影響に対して質疑が行われました。確かに今回の経済ショックは金融機関の問題から発した物ではないですが、それだからこそあまり楽観してはいけない、と警告がありました。資金繰りを支援するために運転資金の融資などで貸し出しが増加すると不良債権を生み出すリスクもあります。過去の経済危機と違って今回の新たな貸し出し融資は0%近くの低下金利で行うことが多いので、未来に金利が上がれば金融システム問題と繋がる可能性はある、と説明がありました。

コロナウイルスの金融システム影響に対して、麻生大臣がこのように答弁をしました。今回の経済危機と関係なく、人口減少の結果で地方銀行の数が多すぎて働く職員が足りない問題もあり、全国銀行数に対しての問題も認識しています。貸し出し増加で不良債権が含まるリスクを下げるように、信用保証協会等と地方団体等と協力して資金繰りの支援を行うことを思っています。世界銀行や様々の金融機関の融資窓口は現在大根しており、融資調査のスピードだけではなく質にも集中するべきだ、と答えられました。

第三に、これらの話題について私の意見を述べたいと思います。コロナウイルスの経済影響と金融システムへの影響に対して麻生大臣の意見には同意です。私もリーマンショックの時はウォール街の大手投資銀行でリーマンの近所で働いていたので色々と経験することができたと思います。リーマン危機は1930年代の大恐慌と少し状況が似ていて、アメリカ不良債権と金融システムが原因で起こった世界景気後退でした。コロナウイルス経済危機は確かに経済に非常な悪影響を与え得ると思います。しかし、過去の危機と違って、今は特に若い世代では多くの消費支出がオンラインで行われていると思います。オンラインの売上は消費者が動かなくても継続することはできますし、物流やサプライチェーンもデジタルで審査することは現在の技術では可能です。人々が家から出ることができなくても、在宅勤務で仕事も続ける会社は過去と比べて多くなっていますし、お金の循環が完全に停止するのは難しいと思います。1930年代の大恐慌では約1年間でアメリカ銀行の30%近くが破産して、NYダウ米株式指数は3年間で88%下がりました。大恐慌の時には社会保障制度や国民福祉制度はまだほとんど存在していなかったですが、今は先進国に限らず、世界中に経済を支援する制度や組織があります。これらの理由と論理に基づいて、今回のコロナウイルスの影響は確かに景気後退を引き起こすとは思いますが、リーマンショックや大恐慌ほどの経済危機状況になる確率は低いかもしれません。

高橋ダン

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