ヨウスケ

断酒家 21歳頃から朝からビールを飲む事を覚え、あっという間にアルコール依存症に。大学…

ヨウスケ

断酒家 21歳頃から朝からビールを飲む事を覚え、あっという間にアルコール依存症に。大学中退、転職、入院を繰り返し34歳で完全断酒。 その後は再び飲むこともなく20年断酒継続中。 猫、犬とさぬきうどんを愛する男。 飲んでいた頃や酒を止めてからの話を思いつくままに書いていきます。

最近の記事

断酒記念日

断酒20年のヨウスケです。 アルコールの離脱症状で全身がガタガタ震えて、布団の上で横になっていることしかできません。とりあえず寝なければと思うも、頭の中は、ぼやーんとして夢とも妄想ともつかない映像が流れているような感覚です。 全身から臭い汗が出てきて非常に不快です。起き上がってタバコを吸おうとしても手がガタガタ震えてライターの火を着けることさえできません。 「あぁ、これが本で読んだアルコール離脱せん妄というやつだろうな。運が悪ければ死に至るという…」

    • 最後の焼酎

      断酒20年のヨウスケです。 思い立って断酒宣言をするも、あえなく1ヶ月ほどで失敗。 「断酒会に出なくても断酒はできる」 と、大口を叩いたのもあって断酒会には顔を出しづらく、相変わらず日雇い派遣の現場に出て日銭を稼いでは飲むという毎日。 時々、数少なくなった飲み友達が外で飲ませてくれていました。 記憶を無くすことがほとんどで、次の日に、夕べ何かやらかしていないかと妄想に近い不安にかられ、アルコールを口にするととりあえず落ち着きます。 大酒を飲ん

      • 堕ちていくのも...

        断酒20年のヨウスケです。 我が家に突然仔犬がやってきたことで家の中の空気も変わりました。ほとんど無かった家族との会話もコロの話題で増えてきました。 夕方の散歩は仕事が無い日の私の役割でした。酔っ払った状態でまだ明るい近所を歩くのもさすがに気が引けます。 散歩中にコロと名付けた近所の小学生たちに会うと「コロちゃん」とみんな寄って来ますが、私が酔っているのですぐ去って行きます。 悲しいような、情けないないような...。 前々回に書いた草抜きのボラ

        • 仔犬が我が家にやってきた

          断酒20年のヨウスケです。 「酒を止めてまともな人生を送りたい」 そう思うことが多くなってきましたが、そんな思いとは逆に、飲み出したら破壊的な連続飲酒になることも多くなってきました。 そんなに飲めるお金も無かったので飲むのはいつも安い日本酒。本当はビールが飲みたいのですが、酔い優先となると悪い酒になるのは分かっていてもこの選択になります。 タバコも吸っていましたが、タバコ代よりも酒代優先となり、タバコは灰皿のタバコ、いわゆるシケモクを溜めておい

        断酒記念日

          少しずつ心境に変化が

          断酒20年のヨウスケです。 二度目のアルコール専門病棟の入院。病棟には去年も居た人も多く、(またみんな飲んで戻って来ていました。) 「お~、お前もやっぱり帰って来たんか」 みたいな雰囲気で、ある意味での安心感がありました。 前回の入院は初めての精神病院で緊張もあり、少しは本気で断酒しなくてはと思うこともありましたが、結局、すぐに飲んでしまったこともあり、今回は半ばあきらめモードの中での入院になりました。 勝手も分かってきたので退院の許可が出るまでダラダ

          少しずつ心境に変化が

          2回目の精神病院への入院

          断酒20年のヨウスケです。 日雇い派遣の仕事というのは自分が仕事に行きたい日だけ予約して、その日に希望の仕事があれば行くという流れでした。 ある程度仕事に慣れてきたころ、私を指名してくれるお客さんも出てきて、それなりにやり甲斐も感じていました。 しかし、この頃からほどほどに飲めてる時期と破壊的に飲む時期の落差が激しくなって来ました。 登録していた派遣会社はひと月に半分くらい仕事があればいい方だったので、日銭が入って次の日に仕事なければ当たり前のように飲みっ

          2回目の精神病院への入院

          ビールだけなら大丈夫かも...

          断酒20年のヨウスケです。 約1ヶ月の入院で退院はできたものの、これから断酒して頑張っていこうという気持ちにもなれず、無気力なまま、とりあえずは毎週の断酒例会に通う毎日でした。 「精神病院に入院してしまった」 という事実は私の中ではかなり重いものであり、これから先、どうやって人生を築いていけばいいのか全く見えませんでした。 断酒会での話を聞いていても 「断酒後にこんなに明るい未来が待っていた」 といった自分にも希望が持てるような話は当時は聞くことがで

          ビールだけなら大丈夫かも...

          アルコール専門病棟での生活 (その2)

          断酒20年のヨウスケです。 入院当日の夜は不安でした。 2年前の内科入院の時、アルコールの離脱症状で幻覚を見て外に飛び出した経験を思い出して、あれ以上の離脱症状が出たらどうなるか…。 夜、看護師さんに以前こういうことがあったので不安だと伝えると、主治医に相談してくれて、離脱症状に効くという注射を打ってくれました。 ほとんど眠れなかったと思いますが、幸い幻覚は出ませんでした。 部屋は大部屋で先述の角刈りの強面のおじさん。隣のベッドは同い年の公務員。そし

          アルコール専門病棟での生活 (その2)

          アルコール専門病棟での生活 (その1)

          断酒20年のヨウスケです。 年末にアルコールで潰れてしまい、連れて行かれたのは内科ではなく精神病院。アルコールの離脱症状で身体中が震え、診察した院長から 「ここまでのは久しぶりに見た」 とありがたいような情けないようなお言葉をいただきました。 そのまま入院となり大部屋に案内されました。 アルコール専門病棟。どんな人達が入院しているのかも不安です。 解毒のための点滴をさっそく打たれます。点滴を打たれているうちに尿意が…。移動できる点滴台があればいいのに

          アルコール専門病棟での生活 (その1)

          とうとう精神病院に

          断酒20年のヨウスケです。 あまり気乗りはしなかったのですが、年末にアルバイトに行っていた会社に行くことになりました。 今度は出荷の仕事とは違い、工場での作業になります。単純な作業で一日がとても長いです。 時計とにらめっこの毎日。 「早く定時の5時になれ~」 「5時になれば飲める」 頭の中はそんな思いだけでした。 類は友を呼ぶというか、波長同通の法則なのか、職場の同僚も飲むのが好きな人が多く、仕事が終わったら毎日飲み会です。 中でも

          とうとう精神病院に

          愛猫との別れ

          断酒20年のヨウスケです。 年齢は30歳になっていました。 30歳になるまでに自分のアルコールの問題をどうにかしたいと思っていましたが、気持ちとは反対にアルコール依存症は進行していきました。 この年の年末に地元の小さな製造業での出荷のアルバイトに行くまでの期間、どんな生活をしていたのか全くと言っていいほど思い出せません。飲んだり飲まなかったり(お金が無かったから飲めなかったというのが正解ですが…)の生活を送っていたと思いますが…。 時々、日雇い派遣の

          愛猫との別れ

          流れ者のおじさん

          断酒20年のヨウスケです。 二度目の入院、そして、アルコールの離脱症状からの幻覚。ドクターから次回入院する時があれば内科病棟ではなく、精神科の案件になるよと釘を刺されての退院となりました。 入院時の幻覚も日が経つにつれ、自分が見たり聴こえたりしたものが本当の出来事だったのか、あるいは幻覚だったのか良く分からなくなってきて、自分はまともなのかそうでないのか不安になってきました。 今まで半分冗談で自分はアル中だとか言っていたのが、本当にアル中になって幻覚を見て

          流れ者のおじさん

          とうとう出た…。

          断酒20年のヨウスケです。 アルコールが原因でまた振り出しに戻りました。次の仕事のアテもなく危機感は一応はあったのですが、先のことを考えても全く希望が見えず、とりあえずの現実逃避で、また飲んだくれの生活に戻ります。 季節は夏。ビールの美味い季節でした。結構飲めたということは前のバイトでの稼ぎが残っていたのだと思います。 どんな生活を送っていたのかほとんど思い出せないのですが、9月のある日、激しい嘔吐と身体の裏側の痛みを感じ、半ば強制的に病院に連れていかれました

          とうとう出た…。

          初めての入院 ~花見事件

          断酒20年のヨウスケです。  生まれて初めての入院。 病名は「急性肝炎」。それもアルコール性の肝炎ではなくウイルス性の肝炎。  A型肝炎から始まってB、C型肝炎とウイルス検査をしていきますが、どれでもありません。  D、E型肝炎ウイルス検査にもひっかかりません。  ドクターが首を傾げている間に肝機能数値はどんどん下がっていき、2週間で退院となりました。 「先生、やっぱりこれって酒の飲みすぎですよね?」 「もちろん飲みすぎもあるけど、酒だけでこんなに

          初めての入院 ~花見事件

          初めての入院

          断酒20年のヨウスケです。 塾を辞めて途方に暮れていた毎日。そんな時に渡米前にお世話になった会社からアルバイトの話が来て、二つ返事で行くことにしました。 会社が移転するにあたっての新社屋の内装工事などの手伝いです。部長がなんでも出来る人で、部屋の間仕切りから、水道の配管、電気工事など、全くの未知の世界の仕事を訳の分からないまま手伝っていました。 職人気質のところのある部長でしたので、口も決してよろしくはなく、罵声を浴びたり、理不尽と思えるような扱いも受けたこ

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          滑稽なシナリオの崩壊

          断酒20年のヨウスケです。 1ヶ月間のアメリカ旅行から無事日本に戻ってきました。 成田エクスプレスが東京駅に到着するやいなや、最寄りのKIOSKに一直線、買ったのはもちろん缶ビール(笑)。 「やっぱり日本はいいわ。日本のビールが最高。バドワイザーは薄味すぎる」 日本の良さを再確認。 とりあえず缶ビールを2本ほど買い足し、後は車内販売で買えばいいと、のぞみに乗り帰路につきます。 のぞみのチケットをみどりの窓口で購入するとき、話す日本語がなんか変

          滑稽なシナリオの崩壊