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謙虚なリーダーシップ 第4回読書会

この本は、自分がリーダーとなって部下との関係を改善することについて書かれていますが、自分より上の人を変えることについては言及されていなくて、なんとも無力感があるよね、という話をしました。

権力とは関係を決めるもの?

謙虚なリーダーシップで大事なのは、相手との人間関係を固定化せず、多面的に見ることだと思いました。上司と部下、先生と生徒、親と子、といった一面的な関係性ではどうしても自由に意見ができなかったり、意見を聞き入れられなくなります。立場から生まれる色眼鏡で相手を見てしまい、無意識のバイアスが発生します。その方がお互いの立場が明確で話がスムーズに進むので、レベル1のトランザクショナルな関係性に甘んじてしまいます。

レベル2の個人的な関係は、相手の立場を固定せず多面的に考慮するので、とても大変なことです。効率は落ちるかもしれません。でも、その分いままでにない発見につながることもあり、イノベーションを生み出す可能性があるのだと思います。

こうした相手との関係性を決める力、相手にレッテルを貼る力こそが、権力なのではないか、という仮説が出ました。上の立場の人は、部下を単なる作業員にすることもできるし、有意義な意見をしてくれる頼れる相棒にすることもできます。しかし部下が上司のことを対等な同僚になれと命令することはできないのです。その立場をとるかどうかは権力のある上司の一存に委ねられています。

だからこそ、立場の上の人が謙虚になって部下の話を聞く、そういう関係性を築く姿勢が大事だ、というのが本書の主張なのでしょう。つまり謙虚なリーダーシップというのは、いかに部下の意見を引き出すか、というチームビルディングの本なのです。

上を変えるなら外部の権力を使おう

私がまだマネージャーではないからかもしれませんが、実際の仕事の悩みというのは、部下とうまくいかないケースより、上司がダメだという場合の方が多いと思います。そうした悩みには、この謙虚なリーダーシップは解決策にならないのか、という無力感があります。

ただ、少し視点を変えて、上司より強い権力を使うことで、無理やり多面的な関係性を築くことは可能かな、という気づきもありました。

たとえば会社であれば労働組合を使うとか、最近ならハラスメント防止などの社会的な圧力を使う、先生に対してはPTAとか保護者の力を借りる、校長先生に直訴するなど、いろいろなアプローチが用意されています。武士と百姓のような封建的な社会ではないので、改善の余地はあるはずです。

第三の答えを導くために

関係性が一元的だと、どうしても○か×か、白か黒か、みたいな立場で対立しがちです。欧米のディベート文化なんかだと、譲ったら負けだから最後まで戦う、みたいになりがちだそうです。でも、両者の意見を汲んだ第三の道みたいなところに、えてして本当の答えがあるものです。

そのためには関係性を固定しすぎない、謙虚な姿勢が大事なのは確かだと思います。ただ、ボトムアップで組織を変えるには、本書だと少し弱い感じがありました。そこで次は「ソース原理」という新しいリーダーシップの形について読んでいきたいと思います。

今年の10/26に発売された新刊のようです。楽しみですね。次回の読書会は12/18(日)の予定です。よろしくお願いいたします。

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