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「対極のモノを持ち合わせている自分を楽しむ」実践型対話スクールDANRO Autumnファシリテーター 北條 久美子さん

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな想いから『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO』は生まれました。

この秋、6期目となる「DANRO Autumn」開催にあたり、ファシリテーターを務める ライフスタイリスト 北條 久美子さん に、DANROスクール卒業生でもあるインタビュアー彩乃がお話しを伺いました。

北條久美子(ライフスタイリスト)
東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、エイベックスグループホールディングス株式会社にて教育担当へ。

2010年に独立後、全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行う。その傍ら、ダイヤモンドジュエリーブランド「ブリリアンス+」を運営する株式会社キューで企業顧問を務める。

現在は笑っている大人を増やすことを使命に、講師業のほか、ライフスタイリストとして「ライフデザイン」や「マインドフルネス」等を用いた場作りにも力を入れる。 / 座右の銘:笑って一生 / 著書「ビジネスマナーの解剖図鑑」エクスナレッジ社、「社会人1年生大全」「仕事が楽しくなる 働き方の7マナー」講談社 他 


もうひとつの肩書は「日本フライドポテト協会アンバサダー」


━━ごめんなさい!久美子さんのInstagramを拝見したところ、どうしても気になるキーワードを見つけてしまって…。日本フライドポテト協会アンバサダーってなんですか?!

久美子さん:よく聞かれるんですけど、私、昔からフライドポテトが大好きで。調理方法の専門知識はありませんが”主食にしたい!”と思うくらい好きで、特に食べている姿を見るのも好きなんですよね。

「あ、あなたは2本で食べる人ね!」「追いポテト、しちゃうよね~!」とか、つい様子を見てリアクションしてしまうくらい(笑)


━━(これだけでインタビュー記事1本書ける勢いだ…。)

久美子さん:しかも、ポテトを食べている時って、対話というか会話が弾むじゃないですか。みんながコミュニケーションを取る時にそれが間にあるだけで、つい手は伸びるし笑顔にもなる。食事としてはもちろん、そういう意味でもポテトが大好きなんですよね。

ポテト愛が強すぎてデザインしたwe love 🍟Tシャツ

━━確かに。久美子さんがポテトに対する愛というか、いわゆる「推し活」への熱量が高いことが伝わります。

久美子さん:そうなんです!ポテトに関しては”仕事と同じ熱量で好きなこと”ですね。

最近聞いた孔子の言葉にも「知るより好きに勝ることはない。好きより楽しむには敵わない(※1)とあるように、【知る<好き<楽しい】だと思っていて。何事も楽しくやっているなって思いますね。

孔子の論語『子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者』(子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)

引用:マイナビニュース


もっと笑っている大人を増やしたい


━久美子さんの肩書は「ライフスタイリスト」とのことですが、普段はどんなお仕事をされているのでしょうか?

久美子さん:一言で言うと、笑っている大人を増やす活動をしています。

その手段として、コミュニケーションやビジネスマナーを伝えるための研修の講師をしていたり、コーチやカウンセラーとして企業に入ってサポートさせて頂いたり。それから、すごすぎるストレッチ(通称、スゴレッチ)を通して心と身体を整えるマインドフルネスのトレーナーをしていたりしていますね。

━━いろんなお顔をお持ちなんですね!

久美子さん:そうなんです。だからか、よく「何屋さんなんですか?」と聞かれたり…(笑)ただ、手段は違っていても、結果”笑っている大人が増えたら良いな”と思うんですよ。


━━手段には良い意味でこだわりがないのは、その大きなVISIONがあるからこその柔軟性なのかなと感じました。

久美子さん:そうですね。加えると、私は今の複雑な現代において、ひとつの手段だけで人の支援をすることってきっと難しいのではないかと思っていて。ひとつの肩書きや手段だけに限定してしまったり、その枠に収めてサポートするのは違うような気がしているんですよね。

例えば、私が「コーチング」と言わずに「セッション」と呼ぶようになったのも、その人の状況に応じて心理カウンセラーとしてカウンセリングを行う場合もあるからなんです。

以前、クライアントさんに「今日はコーチングとカウンセリング、どちらを選ばれますか?」と尋ねた時、不自然に感じたことがあったんです。その時から、枠に捕らわれず、目の前にいる人の「たった今」にフォーカスして、今その人に必要なことを一緒に創っていけたらいい

ジャズのセッションみたいにその場で生まれるものをちゃんと味わうっていうのを大切にしたいなと思って。

久美子さん:だから今は「ライフスタイリスト」として、仕事もプライベートも”WORK”に寄りすぎていた人の人生が、より”生きることそのもの=LIFE”にシフトしていくことで、人生を豊かにしていく支援をしています。



業界の枠を越え、新しい扉を開きに行く


━━今回Autumnのファシリテーターを引き受けられた背景には、どんな想いがあるのでしょうか?

久美子さん:DANROのことは、数年前に代表のHIROさんとの出会いをきっかけに知っていて、ローンチ当初からずっと見させて頂くなかで「人も事業も、なんて温かくて素敵なんだろう」と思っていました。いつか共創したいねと話していたところ、このタイミングでお声掛け頂いたんです。

実は最近、知っている人が全くいない場所での挑戦がしたいと感じ始めていたということもあって。というのも、私がこれまでコアに関わってきた人材育成や人材開発界隈って、コミュニティや学びの場が似通っていたことに気付いたんです。

HIROさん以外に知っている人が全くいない場で、それでいてVISIONに共感するDANROと一緒に創っていくということは、私にとっても新たな挑戦というか、今までにない自分の扉が開くんじゃないかと思って。それから、私は今年の秋に50歳を迎えるので…。


━━えっ!お話中ごめんなさい、聞き間違え…?(50歳には見えない…。)

久美子さん:聞き間違えじゃないですよ(笑)今年、50歳という節目を迎えるにあたって、Autumnという時期に任せて頂けるのはある意味”運命なのかな”って思ったんです。

━━新しい10年の節目を迎える久美子さんにとって”挑戦”でもあり、今まで関わってきた業種、界隈の枠を越えて、多くの人にご自身の経験を届けられることにワクワクしているようにも感じます。

久美子さん:そうですね。これまでなかなか個人的な発信ができずにいたけれど、生きることの喜びや生きることの素晴らしさをもっと伝えたいと思っていて。そんな発揮できていなかったCREATIVEな自分を、DANROと掛け合わせながら届けていきたいんです。



対話という光/自分が本来持つ直感と感覚を信じる


━━久美子さんからは、届けたい想いに力強さを感じます。組織におけるコミュニケーションの在り方や人材育成など、長年社会や人の動きに密接に関わり続けている久美子さんには、今の社会はどう見えているんでしょうか?

久美子さん:私には、答えを外に求めすぎている人や自己との対話が足りていない人が多い気がしているんですね。それから、今の社会には”自分と向き合わずに紛らわせる様々なもの”が多すぎるというか。

例えば、他の人のSNSを見るだとか、YouTubeを見るだとか。本当は自分にフォーカスすべき大切な時間を、ただ過ぎていってしまうようなことに時間を使ってはいないだろうかとか。

世の中の動きをみると、今は土の時代から風の時代が来ていますよね。風に乗れた人にとっては軽やかに生きやすい世の中になっていると思う反面、まだまだ土の時代を引きずって前に比べて最近生きづらさを感じている人が多い気がしていて。

久美子さん:その人たちに、答えはちゃんと自分のなかにあるから、しっかり自分と向き合おうねって伝えたいんです。一人ひとりが持つ直感とか感覚を、もっと信じていく人が増えたら良いなと思っているから。

それを知る方法がジャーナリングや人との対話だったり、ある人にとっては散歩だったり。本来だったら、自然界や自分の内側にある宇宙が教えてくれるようになっているのに、それを無視したり閉ざしてしまっていると思うので。


━━例えば、久美子さんがポテトフライが好きなように「理由どうこうの前に、お腹の底からエネルギーが湧いてきちゃう感覚」が発動するものって誰にでもあると思っていて。そんな体感を一度でも味わえていたら、もっと自分を信じられたり、楽しむことができるかもしれませんね。

久美子さん:まさに。この話は普段ビジネスマナーを教えている私とは違う一面かもしれませんが「人間ってもっと単純で、もっと感覚的で良いんじゃないの?」って考えもあるんです。人間らしい在り方も大切にしていると言いますか…。

久美子さん:みんなで作る、みんなで食べる、夜になったら寝る。まるでキャンプをしているような、それぐらい日常って自然で良いんじゃないかなって。そこには「対話しよう」って言わなくとも勝手に対話が生まれていたり。そういうのが人間らしくて理想的だなと思いますね。


━━「対話」という言葉がありましたが、久美子さんにとって対話とはどんなものでしょうか?

久美子さん:対話は、光だと思います。私は過去に出口が分からない暗いトンネルに入って「これでいいのかな…」と思っていた時に、ある人との対話で暗闇に淡い光が見えて、自分の内側にもその光を感じた気がしたんですよね。そこから自分の言葉に魂が宿るようになっていって。

対話の持つ力ってすごいけれど、一瞬で分かるわけでもないから。そのじんわりと徐々に光に満たされて行くような感覚が生まれるのが、対話だと思います。


━━対話というスキル(考え方や在り方)を一人でも多くの人が知る。それだけで、DANROの創業当初のスローガンで「温まると輝き出す」と表現していたように、生きるチカラに満ちた輝く人が増えるのではと思いました。



Be water,Be wild


━━最後に、少しだけ今回のAutumnに込められた願いやエッセンスについてお伺いしても良いですか?

久美子さん:Autumnでは「Be water,Be wild」というサブタイトルをつけているんですね。直訳すると「水のようで、ワイルドでありたい」。

例えば冷静と情熱、静と動。清らかさとワイルド。清濁併せ吞むとも言うけれど、私は、そういう対極のモノを持ち合わせているのが人間だと思うし、そのどちらも大事にできると人生はもっと楽しくなると思っているんです。

久美子さん:一方で、そんな対極の自分を複雑に考えすぎてしまったり、自分との向き合い方が分からない人がもしいるなら、「そんなの簡単だよ!」って伝えたい。だって、人生ってとことん味わい尽くして終えるものだから、自分の人生を生き切らないと命に失礼だなって思っちゃうんですよね。


━━今の自分の状態に飽きている人や、もっと人生を楽しみたいという好奇心のある人、いろんな人がAutumnには集まりそうですね。

久美子さん:私にとって、今回が今まで自分がやってきたことをやる場ではなく、DANROとだからできるものを一緒に創っていくんだという「挑戦」であるように。コンフォートゾーンに居て「ここでいいや」と思っている人に、ストレッチゾーンに来るって面白いよって伝えたいですね。

安心安全の場にいてしまうと「これくらいで良いか」と留まりがちだけれど、一歩踏み出したら世界が広いことに気付けるから「一緒に飛び込んでみませんか?」って。

きっと、思うだけで動けない人は沢山いると思うんです。やりたいと思っても、いろんな言い訳や理由で諦める人もいる。実際に行動できる人は少なかったりするじゃないですか。

でも、私は自分が自分でいることをもっと誇りに、最大限に楽しんで欲しいと思っているんです。自分の人生を鼻歌歌ったりして生きられたら最高じゃない?その積み重ねが人生だなんて、そんなに素敵なことってないなって。

━━怒りとか義憤が原動力になり得るけれど、久美子さんのお話を聞いていたら「ただ楽しいから」で生きられたら、もっと良いエネルギーの循環が生まれる気がしました。

久美子さん:その方がプロセスさえも楽めるようになると思いますし、やっぱり、私は笑っている大人を増やしたいんですよね。そしたら日本がもっと良い国になるし、みんな優しくなると思うんです。

自分はその場でファシリテーターとしてみんなを導くことはあるけれど、Autumnのみなさんの仲間のひとりで在りたいし、目線を一緒に分かち合って焚き火を囲むようにひとつになりたいなと思います。


インタビューを終えて…


子どもの頃、純粋に「ただ楽しい」に夢中になれていたことも、年を重ねるにつれて、将来への不安や心配が頭をよぎったり、効率性や生産性を求めだしたりしてしまうのは何故なんでしょう。

インタビュー中、久美子さんはこう話していました。「40代になる時も楽しみだったけれど、50代になることはもっと楽しみで!毎日本当にいろんなことが起こるけど、毎日楽しいと思って生きているんです。」私は、この言葉には”人として生きる美しさの秘訣”が現れているような気がしました。

悩みや葛藤のない人生はないし、何かに挑戦している人ほど、それに出逢う回数だって多いはずです。けれど「楽しい」と言い切れるのには、人生というプロセスのなかで自分が「今、この瞬間どう在りたいか」に真摯に向き合っているからなのかなと。

それが見つけられていない人でも、大丈夫。自分の心が喜ぶことは、体感としてちゃんと自分が知っている。私もそう思います。

秋には、木々の葉が緑から茶色、黄土色へ紅葉し、深みが増していく季節です。Autumnに集まる人にとって、スクールに参加するプロセスも、その人らしさが際立っていく、人としての深みが増していく時間になるのではないでしょうか。(インタビュー/執筆:廣田 彩乃


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DANROについて


「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。

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