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いよいよ台風シーズン到来。窓が割れると、屋根が飛ぶ!?意外と知られていない台風対策教えます!【断熱先生のダンネツノートvol.8】

朝晩の風が涼しくなり、少しずつですが秋の気配を感じられるようになりました(それでもまだ暑いですが……)。さて、過ごしやすい秋ですが、心配になるのが台風です。特に今年は日本各地で大雨による被害もありましたし、いつ、どこで大きな災害が起きてもおかしくありません。今回は台風への備えについてご紹介しましょう。

地球温暖化の影響で、台風が増え、より激しく。あなたの住まいは安全ですか?

夏の猛烈な暑さがひと段落しはじめると、いよいよ台風シーズン到来です。ところでみなさん、近ごろ、「台風、増えたなあ」と感じませんか? この夏は、猛暑に大雨と、その深刻さをいたるところで痛感したと思いますが、今、地球温暖化の影響による異常気象が世界中の様々なところで起こっています。台風も例外ではなく、海水温が上昇することで、台風の威力が強くなると言われています。

つまり、冒頭で感じたような台風の威力が増している、台風の上陸数が増えているような肌感覚は「正解!」なんです。

実際に、近年では“毎シーズン4回以上も台風が上陸”しているんです。2008年から2013年までの台風上陸数の平均が約1.7回に対して、2014年から2019年はなんと平均が約4.7回と、2倍以上増加しているんです。

では、皆さんにここで質問です。「台風への備え」、どんな事をしていらっしゃいますか?

一般に防災というと、水や電池、食料といった被災してからの備えをイメージしがちですが、住まいの対策で減災することもポイントなんです。

特に現在は新型コロナウィルス感染症が流行していることもあり、学校や公民館などの「避難所」で避難生活を送るのが難しくなっています。そのため、浸水や土砂崩れなどの危険性が無い限り、自宅で避難する「在宅避難」が推奨されている場合もあります。つまり、万が一、災害が発生しても自宅で避難できるよう、住まいの対策をしておくことがより重要になっているんですね。


台風対策の定番「ダンボール」や「養生テープ」は、ガラスを守るには効果ナシ!?

台風が上陸すると暴風、大雨により、停電などいろいろな被害が考えられます。ですが、住まいにおいて最も台風対策をしておきたいのは「窓」だと私は考えています。台風が上陸すると猛烈な暴風雨が吹き荒れますが、実は風の勢いだけで窓ガラスが割れることはほとんどありません。

気象庁の「風の強さと吹き方」によると、平均風速20~25m/s (瞬間風速30m/s)以上で、細い木が折れたり、看板が落下するなどの被害が出はじめます。そこから、平均風速が35m/s (瞬間風速50m/s)を超える風になると、ボードやタイル、レンガなどの外壁に使われているものが飛ぶようになり、きわめて危険な状態になると言われています。それの暴風で吹き飛ばされたさまざまな「モノ」たちが、ぶつかること窓ガラスが割れてしまうのです。

そこで、ニュースやSNSなどは、台風の予報にあわせて、窓ガラスに養生テープやダンボールを貼る「台風対策」がよく紹介されることがあります。

このダンボールや養生テープを使った対策は、自宅にあるモノを使って手軽にできる応急処置ではありますが、実は、窓ガラスが割れるのを防ぐという点ではあまり効果は期待できません。割れたガラスの飛散は抑えられますが、窓そのものを補強するわけではないため、この画像のようになってしまい危険です。


実は見落としがちな窓は2階。1つの窓の破損が、屋根が吹き飛ぶ原因に!?

シャッターや雨戸というと、1階には付けていても、2階には付けていないという人もいらっしゃるのではないでしょうか?実は、2階の窓の恐ろしさは、飛んできたモノが窓を直撃し、ガラスが割れ、破片が部屋に飛び散って危険になってしまうだけではないんです。

では、どうなるかというと、強い風が一気に室内へと流れ込み、場合によってはなんと屋根が吹き上がってしまうという危険性も出てくるんです。

「そんな大げさな」と、私も昔にこの話を聞いたときは思いました。でも、よく考えてみると、屋根が飛んでしまった住宅、テレビや新聞でみたことありませんか?あの原因は実は、2階の窓にあったんですね。

そう考えると、1階窓だけではなく、2階窓の対策の重要性、感じていただけたのではないでしょうか。


シャッター、雨戸を手軽にプラスする。1日でできる防災リフォーム

窓の堅牢性を高めるのにはやはり「シャッター」「雨戸」がいちばんです。最近の一戸建ては、つけていないところもありますが、これらがあれば、モノがぶつかっても、ガラスが割れることはまず考えにくいでしょう。

住まいStudioでお話をしていると、たまに誤解されている人もいらっしゃるのですが、「シャッター」や「雨戸」は、後付けで簡単にリフォームできるんです。工事も最短1時間からとお手軽。思っているよりすぐに出来そうだな、と感じる人は多いことでしょう。

左:シャッター/右:雨戸

シャッター、雨戸は防災対策だけではなく、夏の暑さ、冬の寒さを軽減する「断熱・遮熱対策」、犯罪から住まいを守る「防犯対策」など様々な役割も持っています。「今年の夏の暑さがこたえた」、「冬の寒さが年々つらい」、「子どもも独り立ちして、防犯が心配」という人も、ぜひ考えてみてほしいですね。


急に天気が崩れたときも、外出先から開閉できるオススメの「電動シャッター」

ちなみに、シャッターには手動と電動の2タイプがあるのですが、私のオススメは電動タイプです。年齢を重ねると、力の要るシャッターや雨戸の開閉が大変になってくるモノ。窓を開けずに家の中からシャッターを閉めるということもできて防犯面でも安心です。

電動シャッターならスマートフォンから開閉ができちゃいます

また、家を留守にしがちな人は、LIXILのホームデバイス「LifeAssist2」と連携しておくと、スマホを経由して外出先からでもタップひとつで電動シャッターを開閉できるようになります。急な雨や長期の外出中での台風の際などに外からも操作できるのはうれしいことですね。

窓によっては雨戸やシャッターが設置しにくいこともあるでしょう。その場合、対策としておすすめなのが「安全合わせガラス」というものです。ガラスとガラスの間に特殊中間膜を挟み込んでいるので、万一、モノがあたって窓ガラスが割れても破片が飛散しにくくなっています。防犯タイプのガラスは、実は防災にもいいんですね。

安全合わせガラス

LIXILでは、「災害から家族をまもる、家をつくろう。減災プロジェクトサイトも開設しています。台風だけでなく、感染症、地震に強い住まいづくりを提案しています。住まいをより安全で快適なモノにするために、ぜひ参考にしてください。

次回は【断熱現場レポ】と題して、茨城県つくば市で開催された「窓からECOシェアプロジェクト」の取り組みについてお届けする予定です。もし良かったらフォローしてお待ちいただけたら嬉しいです!

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