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錦糸玉子が上手く焼けない

はじめて、ちらし寿司を作った。
ひな祭りに向けて前日から下ごしらえをした。
体調が良くなくて、何度も横になりながらした。母からの電話で、そんなことを話すと、「何でそんなことするの?」と言われて、「ホントなんでだろうワタシ」と思いながら、娘と過ごすひな祭りに浮かれているからだと思った。

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昔からよく母がちらし寿司を手作りしてくれていた。チョチョイのちょいで、出来上がるもののように感じていたら全然違っていた。

ちらし寿司とは、手間のかかる食べ物だった。

特に難しかったのが、錦糸玉子だ。子供の頃に何度か母と一緒に作って上手く出来ていた記憶があったのに、出だしから、玉子を何個使っていたかで躓いた。

フライパンの火加減、入れる玉子の量、焼き加減、ひっくり返す時くっつかないようにすること、上手くまな板の上に乗せること

工程全部がぎこちなくて、何枚か失敗した。切る時も薄く均一に切れなくて、私が記憶していたそれとは出来上がりのフォルムが似ても似つかない。

不甲斐ない自分に落ち込む一方で、母を偉大に感じた。簡単に見えたことがこうも難しいなんて。

昔の私のようにちらし寿司を作る大変さなんて全くもって分からない娘が、それを食べる。食べてくれたことに安堵する。

私はよくそれを残していたっけ。中に入っていた根菜類が嫌いだった。お母さんあの時はごめんなさい。

今なら、その特別さが分かる。ちらし寿司とは、そう簡単には作れない、特別な日の特別な食べ物で、錦糸玉子は熟練の技がないと失敗するのだ。

1年に1度はやってくるひな祭り。その都度私はちらし寿司を作りたい。そうして、いつかお母さんのように細くて均一な錦糸玉子をお寿司の上に飾りたいと思う。

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