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eスポーツの可能性。世代を超えた交流を通じて育まれる地域力。【クライアントワーク事例】

  • クライアント 一般社団法人 熊本地域ICT協会 様

  • 取材日 2022年3月13日

  • 成果物 活動周知を目的とした記事作成(テキスト、ラフ案のデータ納品)


ICTとは?

IT技術を活用して暮らしを豊かにすること。プログラミング、eスポーツをはじめ、SNSやドローン等遠隔制御の機器の活用なども含む。

熊本地域ICT協会様が目指すビジョン

1.幼児、児童、学生に対して、独自のICT教育を実践。楽しみながらのICT知識向上を目指す。
2.幼児、児童、学生から高齢者に、eスポーツに親しむ場を提供。楽しみながら技術向上を目指す。
3.熊本県を主な活動範囲とし、地域に根付いた活動を行う。

熊本地域ICT協会様は、認知症サポーターアクティブチーム認定団体

熊本県が主催する講座で、認知症等について学んだスタッフが協会に在籍。高齢者の社会活動参加を推進。


eスポーツの可能性。世代を超えた交流を通じて育まれる地域力。

その日、ecowin宇土アリーナ(熊本県宇土市)の大会議室には活気と笑顔があふれていた。

「頑張れ!」「あと少し!」観客の応援を背に熱い戦いを繰り広げる、小学生から80代までの”アスリート”たち。コントローラーを握りしめ、真剣な表情で液晶画面を見つめている。

行われていたのは、eスポーツのイベント。電子機器を使った競技として国体種目にも採用されるなど、その地位を確立しつつある分野だ。主催は、一般社団法人熊本地域ICT協会。「団体名に“地域”と入れたのは、地域貢献を主軸にしたかったから」。そう話すのは、代表を務める熊井光文さんだ。盛り上がる会場を、誰より楽しそうに見守っていた。

熊井さんは宇土市出身。通信機器メーカー開発研究者として都心や海外で活躍し、2019年に市の地域おこし協力隊としてUターン。ICTの普及をテーマに、2021年に法人を設立した。とはいえICTの分野は幅広く、少々わかりにくいというのが実情。プログラミング体験会等の教育分野における普及には一定の理解を得られやすい一方、eスポーツはといえば…。「ゲームばかりやるな」と言われて育った世代ほど、抵抗を覚える人が多いのは当然のことだろう。

しかし熊井さんは、eスポーツに「コミュニケーションのきっかけ。ICTに親しんでもらう入り口」としての可能性を見出している。難しく書けば、コンピュータを介した、技術・通信・芸術要素へのアプローチとなるわけだが、このイベント会場を見れば熊井さんが言わんとすることが自ずと伝わってきた。

子どもたちに交じって「若さをもらえる」と笑みを浮かべる80代のおばあさん。「世代に関係なく和気あいあいとできていいですね」と、二児のお父さん。プロスポーツ選手が愛用の道具を使うように、自前のコントローラーを持参した20代の青年は、「やった分だけ強くなるのが楽しい。負けて悔しいから、また参加したいです」と意気込む。互いの健闘を讃え合う姿も見られ、保護者とハイタッチを交わす中学生もいた。

初心者にもわかりやすいよう対戦状況を説明してくれるのは、ゲーム好きの若手スタッフ。お年寄りや子どもたちにも朗らかに丁寧に接する姿は、失礼ながら少し意外だった。ゲーム好きな人は自分が楽しむことが最優先、そんな先入観はたちまち霧散する。第10回を数えるまでになったイベントを支えるのは、ゲームの魅力を伝えようと努めるスタッフたちなのだ。口コミで参加者が増えているところにも、地域からの信頼を着実に積み重ねていることが伺えた。

目下の課題のひとつは高齢者への普及。「地元のお年寄りの皆さんにもっと広めたい。地区対抗試合とかができたら、盛り上がるだろうな」と、これからの展望を語ってくれた熊井さん。協会として、老人会や福祉施設との連携も進めているところだ。

今までやったことがなくても、上手にできなくても、ここから学んで楽しめる。年齢も性別も、障がいの有無さえ飛び越えてつながり合える。そんな可能性に満ちた場が広がっていくことで、地域はどんなふうに変化していくだろう。その種は、ようやく芽を出したばかりだ。

(取材・文/たんぽぽのしおり 写真/熊本地域ICT協会)

パズルゲーム「ぷよテト2」は、国体種目にもなっている。若手に苦戦しつつも楽しそうなお年寄りたち。あわや、という場面から連鎖を起こして逆転する場面も見られた。

参加者の声

  • ゲームを始めて半年。最初はまさか(自分にゲームができるなんて)と思ったけれど、今では毎日30分くらい練習しています。 (宇土市80代)

  • 4回目の参加です。子どもと一緒に参加できて、コミュニケーションのきっかけになっているかも。 (熊本市40代)

  • 子どもがゲームばっかりやっているのはちょっと複雑。でも、いろんな世代の人と接するいい機会になっています。 (宇土市30代)

  • ゲームの遊び方もここで教えてもらいました。子どもが楽しんでいるのが一番です。(宇土市代)

  • 初参加です。連鎖(ゲームの技)がたくさん決まってうれしい。でも、まだまだ練習しないと。(熊本市10代)

  • 地方ではまだ広まっていないと思っていたけれど、参加者がたくさんいて驚きました。レベルもすごく高い。(宇土市20代)


納品したラフ案

参加者(子ども~お年寄り)が楽しそうにeスポーツ交流をしている様子をメインに、協会の概要、第三者目線での取材文で構成。

クライアント様より

会場にいた人に細かく、ヒアリングしていただいた情報が非常に役立っています。情報の深さが均一で、サラッと読みやすい感じです。変に引っかかるところがない読みやすい記事です。なので、「活動報告特別号」として、協賛の営業に使おうと思っています。

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