たんぽぽのしおり(フリーランス編集者・ライター)

北海道から17年振りに故郷熊本へ。22’1南阿蘇村地域おこし協力隊就任。フリーランスの…

たんぽぽのしおり(フリーランス編集者・ライター)

北海道から17年振りに故郷熊本へ。22’1南阿蘇村地域おこし協力隊就任。フリーランスの編集者・ライター。思いの種を言葉に乗せて、大切な誰かに届けるお手伝いをさせてください。お仕事事例や日常にしおりをそっと挟む記事を、投稿しています。

マガジン

最近の記事

人間と人間で向き合う。いつでも”学び“の姿勢を忘れずに(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/赤星 静香さん)

赤星 静香さん京都府京都市出身。2022年11月着任。2023年10月退任。広い空と五岳の眺めに感動し、移住先を南阿蘇村に決めた。移住に向けて本格的に動き出してから5ヵ月というスピード感は、この地域から「呼ばれた」のではないかと思わせる。 介護という仕事天職を、英語で「calling 」というらしい。不思議な何かに呼ばれるようにして、縁がつながり、深まって、なくてはならない大切なものになる、そんなイメージが想起される。いつかどこかで聞いた言葉を、赤星静香さんと話しながら思

    • 命を育む、水・空気・土。この風景を未来に残せるように(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/宮脇 悠さん)

      宮脇 悠さん熊本県熊本市出身。協力隊になることを後押ししてくれたのは、別の地域で有機農業を営む同年代。「自分より早く気づいて実践してきた人。その人がいるから、頑張れます」。絵を描くことが好きな一面も。 疑問を晴らしてくれるほうへ世の中はどんどん便利になっているはずなのに心のどこかが満たされない。それがどこにあるのか、どんな形をしているのか、探してみようと一歩踏み出したときが、人生の岐路と呼べるときなのかもしれない。宮脇悠さんの話を聞きながら、そんなことを思う。 「人はな

      • 軽やかな覚悟を携えて。諦めないで、背負い続ける。(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/吉田 洋樹さん)

        吉田 洋樹さん 熊本県人吉市出身。2022年8月着任。就農後は、サツマイモ、カボチャ、栗、ハーブを中心に栽培することを考えている。収穫した野菜を生で食べるのが好き。「カボチャ以外はだいたい生で食べたことがあります 当事者になる決意「日本の産業を支えるひとりになる」。吉田洋樹さんは腹を決めた。「農業で独立するということは、背負うこと。人の縁、自分の暮らし、経済的なことも諦めないでいたい」。心から信じられるものに出会えた。そんな自信と確信に裏づけされた言葉。 20代前半、

        • 目指したい暮らしに向かって、“やりたい”に素直になる(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/鈴嶋 千芳子さん)

          鈴嶋 千芳子さん 熊本県氷川町出身。2022年3月着任。農業の現場は、毎日が発見の連続。「同じプロジェクトに従事するメンバーと一緒に頑張れることが楽しい。南阿蘇村にはおいしいパン屋さんとタイ料理屋さんがあるのもうれしいです」。 海外で知った日本の食事情鈴嶋千芳子さんの経歴は、地域おこし協力隊メンバー内でも異色だ。大学進学を機に東京へ。卒業後は、ヨルダンの日本大使館へ勤務。農業に関連する職場ではなかったが、SNS等を通して、日本の食にまつわる情報に触れる機会が多くなってい

        人間と人間で向き合う。いつでも”学び“の姿勢を忘れずに(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/赤星 静香さん)

        マガジン

        • 地域おこし協力隊活動
          15本
        • 移住と生き方
          16本
        • 気になるあの人に会いに行く
          3本
        • クライアントワーク事例
          1本

        記事

          自分と地域。2つの軸を、心地よいほうへ(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/長澤 静香さん)

          長澤 静香さん 熊本県西合志町出身。2022年3月着任。体質改善のために野菜と果物生活を実践したことで健康を取り戻し、農の道へ進む。観光視点を取り入れた、イチゴ農家を目指している。有機栽培に挑戦すべく、山鹿市の農家にて研修中。 東京から、熊本へ子どもの頃からものづくりが大好き。手づくりの洋服を販売し、夜遊びに繰り出しては「面白い大人」の話にワクワクを募らせていた10代。「熊本には、やりたいことがない」。そう思って、東京に飛び出した。 服飾専門学校を卒業し、十数年。刺激

          自分と地域。2つの軸を、心地よいほうへ(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/長澤 静香さん)

          信頼関係やつながりを鍵に、この場所で農家として生きる(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/小屋迫 瑛さん)

          小屋迫 瑛さん熊本県甲佐町出身。2022年3月着任。「おいしいって言ってもらえる農家になりたい」。就農の際は、南阿蘇村にある、亡くなった祖父の農地を引き継ぐ予定。現在は祖母と2人暮らし。「祖母が元気になったようだ」とは、母の談。2023年3月退任。 農業って、いいなぁ「都会より田舎のほうが好き。身体を動かすのも好き。農業、いいなって思って」。小屋迫瑛さんはいつも、シンプルに自分の気持ちを表現する人だ。そして、どちらかと言えば実践派。「独立して自分でやってみたら、どんなふう

          信頼関係やつながりを鍵に、この場所で農家として生きる(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/小屋迫 瑛さん)

          毎日とっても忙しくて、毎日すっごく楽しい!(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/田上 由菜さん)

          田上 由菜さん東京都練馬区出身。2021年9月着任。南阿蘇村で泥だらけになって遊んだ幼い頃の思い出が、移住を後押ししたという。退任後に向けては、半農半Xを模索中。2022年春には両親も移住し、家族で村の暮らしを満喫しているところ。 南阿蘇村は心のふるさと「空気がよくて、水がきれいで、人が優しくて、天国みたい」。田上由菜さんの南阿蘇村のイメージは、小さい頃から変わっていない。祖父母が南阿蘇出身のため、学校の長期休暇を利用して村内の親戚の元へ度々「里帰り」していたと話す。「南

          毎日とっても忙しくて、毎日すっごく楽しい!(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/田上 由菜さん)

          自分にもできることがある。いまが人生で一番幸せ!(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/槌田 晴菜さん)

          槌田 晴菜さん大阪府堺市出身。尊敬する職場の先輩の知人が南阿蘇村にいたことで縁がつながり、2021年11月着任。「農家にならなくても、農業を学んだり家庭菜園に挑戦したり、『できるかもしれない』を増やしていけたらいいなと思います」。 自然を身近に感じていたい実家と職場を往復し、動物看護師として働いて、いただいた給料をキャンプや旅行の費用に充てる。仕事にはやりがいがあったし、暮らしに大きな不満があったわけでもないのだけれど、強いて言えば「田舎で暮らしたい」という漠然とした憧れ

          自分にもできることがある。いまが人生で一番幸せ!(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/槌田 晴菜さん)

          これが、自分の人生だ。そう胸を張れる自分でいたい(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/市村 孝広さん)

          市村 孝広さん大阪府東大阪市出身。東海大学阿蘇キャンパスで畜産について学び、大手食品加工メーカーに就職。「30歳になったら立ち止まろう」と決めていたとのことで、熊本に帰る道を選んだ。2021年2月着任。2023年6月退任。 初めて手にした居場所「ここは、たくさんの”初めて“をくれた場所」だと、市村孝広さんは言う。カブトムシを採ったり、人の優しさを身近に感じたり、ボランティア活動で幼稚園の子どもたちと接したり。「田舎を感じた」のも初めてのこと。自分が自分でいられる居場所を手

          これが、自分の人生だ。そう胸を張れる自分でいたい(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/市村 孝広さん)

          人生を、楽しくする。必要なのは、ほんの少しの行動(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/野津 周平さん)

          野津 周平さん島根県出雲市出身。熊本県内で転職・移住先を探していた際、地域おこし協力隊の制度を知る。「大好きな熊本で働きながら、次のステップを考えられる」点に魅力を感じ、2021年4月着任、2023年3月退任予定。 新しい知識をゼロから学ぶ小学校の教室から、子どもたちのはしゃぎ声が聞こえてくる。「先生、これどうやるの?」「音をつけてみたよ」。先生と呼ばれているのは、野津周平さん。「こうしてみたらどう?」「おっ、すごいじゃん!」と、パソコンを覗き込み、笑い合う。野津さんは、

          人生を、楽しくする。必要なのは、ほんの少しの行動(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/野津 周平さん)

          大好きな場所で、大好きな人たちのために腕をふるう日を夢見て(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/桑原 健一さん)

          桑原 健一さん東京都板橋区出身。2019年12月着任、延長1年目。料理の専門学校で学んだ後、イタリアンの飲食店で修業に励んだ。観光の仕事を通じて飲食店事業者とつながれることも、身になっているという。デザート作りもお手の物。 きっかけは震災ボランティア料理人を目指して東京の飲食店で働いていた桑原健一さんは、あるニュースにふと目を留めた。熊本地震のボランティアに関する内容で、「ちょうど長期休暇が取れたことだし、家でゴロゴロしているくらいなら」と、一路熊本県へ。阿蘇市に入ってボ

          大好きな場所で、大好きな人たちのために腕をふるう日を夢見て(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/桑原 健一さん)

          やったことないけど、やっちゃえ! 人生テーマは、あくなき挑戦(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/田内 秀樹さん

          田内 秀樹さん 熊本県熊本市出身。阿蘇への移住を考えていた頃、当時現役の隊員に誘われる形で2020年2月着任。2023年1月末退任。「協力隊をしながら生業を作るのはかなり大変ですが、やってよかった。地域の人とつながれるのが一番うれしい」。 トライ&エラーで前に進む目標を立て、必要なことを学び、スケジュールを切る。行動しては軌道修正し、ときには別の道を模索する。そうして一歩ずつ着実に、目指す方向へ。 必要なこととわかっていても、実践は容易いことではない。でも、田内秀樹さ

          やったことないけど、やっちゃえ! 人生テーマは、あくなき挑戦(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/田内 秀樹さん

          基盤は、家族と自分。そこに立ち返って見えたこと(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/大内 佑介さん)

          大内 佑介さん福島県二本松市出身。2019年12月着任、延長1年目。阿蘇市出身の妻と共に移住。そもそも、九州に来たことがほとんどなかったそうだが、休日は妻と熊本県内をドライブするのが楽しみに。天草の海は特に印象深いと話す。 自分がおかしくなっていく自分が自分でなくなっていく感覚というのは、苦しいものだ。望んで就いた仕事のはずなのに、やりがいを感じているはずなのに、なにかが歪んでいくような。地域おこし協力隊員の中にはそんな感覚に悩み、転職と移住を選んだ人がいる。大内佑介さん

          基盤は、家族と自分。そこに立ち返って見えたこと(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/大内 佑介さん)

          移住・転職で手にした、宝物のような時(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/藤岡 政人さん)

          藤岡 政人さん大阪府東大阪市出身。家具職人として10年、鉄道製造の職人として10年を過ごした後、南阿蘇村へ。2019年11月着任。3年の任期を終え、2022年11月から延長期間に入った。妻のおすすめスポットは、杖立温泉(小国町)。 電車をつくってよ!藤岡政人さんの転機は、鉄道好きの甥の他愛ないひと言によってもたらされた。注文家具の職人だったという藤岡さんは、甥にとって「なんでもつくれる人」だったようだ。無邪気な言葉に真剣に応えて、藤岡さんは列車を製造する職人になる。木から

          移住・転職で手にした、宝物のような時(熊本県南阿蘇村地域おこし協力隊/藤岡 政人さん)

          てのひらから生まれるカタチ(北里かおりさん/熊本県南阿蘇村/陶芸体験交流会)

          北里かおりさんのものづくり南阿蘇村出身、在住。現南阿蘇村集落⽀援で、陶造形家。建築や自然観察、テキスタイルなど、 テーマごとの海外旅を重ねながら、アー ト、⾳楽イベントや地域づくりに長年携わ る。現在は⼯房の再オープンに向けてイベ ントなどで活動中。初めて陶芸に触れたの は小学4年生のとき。開窯して2023年で25年。 ●Aso-Mebuki 陶芸体験、ワークショップに参加いただけます。 Instagram:aso_mebuki_11 土の感触やにおいを感じながら、向き合う

          てのひらから生まれるカタチ(北里かおりさん/熊本県南阿蘇村/陶芸体験交流会)

          レンタル公務員 村橋友介さん。人と出会い、共に頭と手足を動かして、経験を“生きる力”に換えていく【熊本県阿蘇市】

          青いつなぎに、使い込まれた運動靴。 キャップの下にはニコニコ笑顔。 依頼があれば、あっちにこっちに駆け回る。 公務員の村橋さんが、「生きる」と向き合って踏み出した一歩。 (取材・文・撮影/たんぽぽのしおり 家入明日美) レンタル公務員って、なに? 村橋友介さんと出会った人の大半が、その肩書に首を傾げることだろう。筆者もその中のひとり。もらった名刺の似顔絵と目の前の本人の笑顔とを見比べながら(ものすごくそっくり!)、頭の中は無数の「?」で埋め尽くされていた。 熊本県職員。そ

          レンタル公務員 村橋友介さん。人と出会い、共に頭と手足を動かして、経験を“生きる力”に換えていく【熊本県阿蘇市】