戦争なんかやめてほしい

戦争なんかやめてほしい
ほんとうは
どれだけ言ってもいいことだ
どれだけ言っても
言いたりないことだ

それなのにわたしのこの一年の生活は
戦争なんて結局対岸の火事で
今だって仕事をせずに過ごす時間を持て余して
実家のテレビを見ていたら
たまたま戦争についてのニュースが始まって
は、と我に帰るありさま
現地の映像を見て
心が悲しみや怒りで熱くなり
涙が流れた

世界中のみんなが
「戦争なんかやめてほしい」と
大声で言い続ければ
何か変わるかもしれない
そう思った
ほんとうにそう思う

大晦日の夜
きっとわたしたちが
テレビを見て笑っている時にも
いつ電気が消えるともわからない部屋で
砲弾の音に怯える人々がいるのだ
そんな残酷なことってあるだろうか

日本という国に住むわたしたちが
いつまで経っても本当の幸せに辿り着けないのは
同じ地球の上でそのように苦しむ人たちがいるということを
黙殺して笑っていられるからではないだろうか

そんな無神経さで
そんな鈍感さで
自分と自分の周りしか視えない近視の心で
文句を言ったり愚痴を言ったりして
幸せになろうなんて思うから
どこか虚しい
どこかさもしい
満たされない思いしか手に入らないのではないか

本当の幸せとは
自分のことしか考えられない近視の心では
視ることができないのかもしれない

戦争なんかやめてほしい
世界中の人たちが
心をひとつに願えば
大声で言い続ければ

2022.12.29