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5. カルタジローネ

下山するためバス停に向かう。が、タバッキ(たばこ屋)がない。タバッキでバスのチケットを買うと聞いていたのに。バスが来てしまった。乗ってみると、金額を言われる。現金支払いシステムだった。地域によって違うらしい。ショルダーにしまったままの財布から、見慣れないお札を出す。まごまご。観光地だからか、運転手さんは慣れた様子。Interbusという会社で2500リラ。昔の地方のバスの整理券のような切符。

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タオルミーナの駅かバスターミナルかは、さすがに忘れてしまったが、次の目的地のカターニャに行くバスを教えてもらい、一時間ほどでカターニャに着いた。カターニャまではETNA社のバスで7.000リラ、350円くらい。

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カターニャに着いたら、インフォメーションブースで教わって、カルタジローネ(Caltagirone)行きのバスAST社でチケットを購入。

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一人8.500リラ。今度の切符は硬く、しっかりした紙で安心。今もこういう切符だろうか。スマホ表示は少し寂しいかもしれない。

カルタジローネはマヨルカ焼きの陶器の街。旅行の初っ端に陶器を買ったら、ずっど持ち歩くことになる。かなり心配だ。ここは諦めよう。一番の目的はスカーラ(Scala)だから。スカーラはイタリア語で階段の意味。1606年からあるという142段の階段は、1953年に溶岩石で作り直され、タイルが施されたそうだ。各段で柄が違う。7月の聖ジャコモの祭り(Festa di San Giacomo)には、この階段にイルミネーションが灯るとのこと。見てみたい。

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街のほぼ中央に位置するスカーラを一段一段、タイルを見ながら登っていく。シンプルなタイル模様のもの、何の柄かわからないもの。両脇には工房や売店があるようだけれど、日曜日で閉まっている。登り切って、そのまま振り返ると、街が見渡せる。この街は、3つの丘の上に擦り鉢状に広がっているそうだ。

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この先にサンタマリアデルモンテ教会がある。残念ながら写真はない。ミサの最中だったので、教会には入らなかった。壁に貼られたマヨルカ焼きの大きなタイル装飾以外は思い出せない。かなりの距離を登り、もう疲れ切っていたからかな。

降りるときはスカーラとは違う細い道を選んだ。工房の裏で作業している職人さんを見つけた。作業を見ていると、吸い込まれる。でも、邪魔をしたくなくて、声をかけずにそのまま通り過ぎた。

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先ほど登ってきたスカーラの下まで戻ると、かわいい車が止まっていた。細い道が多いので、三輪車をよく見かける。懐かしい。日本でも昔はよく走っていた。知らないか。

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この近くに飲み物を販売する店があった。たくさん歩いて喉が乾いたから、何か飲もう。入ってメニューを見上げると、無言のまま手で払うジェスチャーをされる。なぜだ。ん、お酒しかない?もしかして未成年と思われたのか。それでも、写真を撮ってもいいかと聞いたら、かなり緊張して無言のまま、しっかりポーズは取ってくれた。なんだろう、面白い。どうもありがとう!お礼を言って、バス停に向かう。

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写真の上端に映るメニューは、トニック水、タマリンド(豆科の植物)とレモン、ラッテ・ディ・マンドルレ(アーモンドの甘いリキュール)、各2000リラで100円ほど。トニック水もアルコール入りだったかは不明。

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スカーラへの道を案内してくれたSalvatoreさん、どうもありがとうございました!


影響を受けて、この街も静かになっているかもしれません。陶器のお店は通販もできるから、心配は不要かな。それでも、やはりスカーラに来る旅行者は多いだろうから、賑わいが早く戻ることを祈ります。


一緒に旅をしているような気持ちになっていただけたら、うれしいです。 または、次の旅の計画のご参考になれば。