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短編たち

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短編たち集です
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#超ショートショート

かさぶたは絶対剥がしちゃだめ

耳の中や体の中では小さいおじさん達が働いている。
僕は小さいおじさんを見たことがある。

蟻くらいの大きさのおじさんだったり、雀くらいの小さいおじさんもいるようだ。

休憩中だったようで、おにぎりを美味しそうに食べていた。

僕がじっと見つめていたせいか小さいおじさんはハッとしてどこかに逃げてしまった。
恥ずかしがりやなのだろう。
小さいおじさんが牛乳パックを壁にして何か言っているので耳を傾ける。

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短編量産してます(ショート)

夜中に電話の音がする。
ん…今何時だよ。とスマホを見ると3時
はぁぁぁぁぁ。
1度目が覚めるとなかなか寝られない俺はチッと舌打ちをし、ベッドの中でモゾモゾ動く。
緊急だったら留守番いれるだろうし…
しかもスマホじゃなく固定電話の方に
本当ふざけんな!!!と心の中で荒ぶるが、言葉には出さない。
俺は電話があまり得意ではい。
なぜだかわからないが、対面で話すときのほうが好きなのだ。
電話だと相槌のタイ

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コインランドリー

僕はコインランドリーが空くのを待っている間
椅子に座って待っている。座る度にギシギシ、ギシギシと音を立てる椅子。
夏は暑くて嫌だったこの熱気が今では少し心地良く感じる。洗いたての洗濯物のにおいと、
洗濯物を畳む時の音がする。
なんだかここにいると、日帰り温泉や、スーパー銭湯と同じ所にいるんじゃないかとさえ感じ、不思議な感覚に陥るのだ。
ここに座っているといろんな人が来る
そりゃあ当たり前なのだが、

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短編 温かいスープを君と一緒に

⚠️注意⚠️ ゆるい百合短編です 苦手な方は回れ右してください。

ベランダでたばこを吸っている私の事をぼんやりとしたお月様が低い空から覗いている。
後ろからそっと抱きつかれた。抱きつかれた手を優しく握る。

「何してんのー」と耳許で囁かれる。たばこを咥えながら振り向き
「危ないから・・・」と優しく諭すとたばこを奪われた。

あっ、という表情をしていたのも束の間、唇に優しくキスを落とされた。
「も

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