[禍話リライト]わたあめ[禍話 第四夜]
俺はお盆の夏休みを利用して趣味の旅行に来ていた。
御年五十だが、妻も子供もいない気ままな独身生活なんて、金も時間も有り余っている。
最近では暇に任せて、適当な路線の適当な電車に乗って、適当な駅近くで一番に目に入った宿に泊まるのがマイブームだった。
独身貴族の優雅な遊びってやつだな。
漫然と電車に乗ってたら、腹も減ってきたし、日も暮れ始めていい時間になってきた。ここらでいっちょ降りてみよう。
降りると大分県のある駅だった。駅を出てすぐ山が目の前にあって、ずいぶんな田舎