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【展覧会紹介】アートとサイエンスから「わかりあえなさ」をわかりあおう part.3

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 六本木の東京ミッドタウンの一角にある、21_21 DESIGH SIGHTにて《トランスレーションズ展》が開催中です。本展のタイトルになっている”翻訳”という言葉は、他言語同士の意思疎通を図る為に、お互いの言語を介しコミュニケーションを取る手段として認識されていますよね。しかし、本展では単に言語の翻訳だけでなく、言語で翻訳できない感覚の共有や身体感覚を他の感覚で翻訳したり、人間以外の生物と意思疎通を図るための取り組みを通して、”わかりあうこと”を前提とし、作られた数々のテクノロジーやアートを見る事ができます。

 そんな”わかりあうこと”を目指した先に見えた、”わかりあえなさ”が多様性のある未来において大切であると実感できる展示になっていました。そんな素敵な会場の様子と作品を紹介すると共に、世の中で開発されている”翻訳”テクノロジーもお見せします。記事を読んだ後、”わかりあえなさ”がわかりあう心持ちになって頂けたら幸いです。

 上の記事で”言語間の翻訳”と”身体感覚の翻訳”をテーマにわかりあう姿勢とその先に見えたわかり合えなさを紹介してきました。今回は本展示以外のテクノロジーで、さまざまな感覚との翻訳を行っている物を紹介します。

【あなたの代わりにロボットが動く!?】

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 こちらの愛らしく美しいロボットは、子育てや単身赴任、入院など距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のもう一つの身体になる”OriHime”です。人々の社会参加を促すためのツールとして利用されています。

 例えば、起き上がりが困難な方が就労する為に、在宅でありながら飲食店にて接客をするツールとして利用されています。他にも、遠隔からの子育てやその利用法はさまざまです。あなたならOriHimeをどんなことに使いますか?

【発した言葉が文字になる!?】

《ろう・難聴者とのコミュニケーションのためのリアルタイム字幕を表示する透明ディスプレイ》

 こちらは、話したそばから言葉が透明ディスプレイに表示されるツールです。ろう・難聴者の方に対する支援として扱えることが見込まれます。手話を習得していない方でも言語を使い、ろう・難聴者とコミュニケーションを取れるのです。この技術の面白い点は、現在の機能に翻訳機能が追加されたら他言語の方とのコミュニケーションを通訳者なしで行えるのではないでしょうか。最近、発表されたばかりの機器ですので、今後の発展が気になります。


 以上、 OriHimeは身体的翻訳、透明ディスプレイは言語的翻訳の例として挙げさせて頂きました。トランスレーションズ展では展示されていないテクノロジーでも展示の趣旨に合ったものは世の中にたくさんあると感じます。あなたは他にどのようなツールをご存知ですか?

 トランスレーションズ展では”わかりあえなさ”がわかりあう為、さまざまなアイデアとテクノロジーを見ることができます。本記事で紹介した以外にも魅力的な作品が多数出品されておりますので、ぜひ足を運んでみてください。


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